毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

廃止まで残り2ヶ月時点の「あけぼの」(暖冬正月北から南まで;その18)

イメージ 5 ▲この日の一夜の宿となるのは5号車のB寝台個室「ソロ」。

 2014年1月5日、早くもロープ規制。

 北区西ヶ原四丁目で散髪を済ませた僕は、都電で大塚駅前へ出て、そしたらなんと大塚駅に新しい駅ビルがオープンしてるじゃないですか!「アトレヴィ大塚」というらしい。いつオープンしたんだろう?これは都合がよいので、ここで夕食などを調達し、山手線で上野駅へ向かいます。

 上野駅山手線外回りホームから13番線へ行きますと、行き止まりになったホームの端になにやら人だかりが。

イメージ 1 ▲上野駅13番線の行き止まりになった端のあたりに群がる鉄道ファンたち。

 えっ、あれはもしや、次のダイヤ改正で廃止が決まった寝台特急「あけぼの」をカメラに納めようとしている人たち??

 あららら、これはスゴイ。廃止までまだ2ヶ月以上あるのに、もうこんなフィーバー(死語)になっているとは思いもしなかった。鉄道ファンだけではなく、老若男女分かたずみんなが寝台特急「あけぼの」にカメラを向けています。時間は20:59、ちょうど入線したばかりで、推進運転のために開いていた1号車の貫通扉を閉める作業が始まったばかり。

イメージ 2 ▲ちょうど入線したばかりで、1号車の貫通扉はまだ開いたままです。

 自分が次にいつ帰国できるかを考えた結果、「あけぼの」が走っているうちに帰国できるのは今回しかないと思い、日本にいる家族に頼んで寝台券を手配してもらったところ、無事にこの日の下り「あけぼの」のソロの寝台券を手に入れることができ、こうして上野駅13番線へやってきました。思えば前回、去年の9月に帰国したとき(その時の記事はコチラ)は、乗車当日にシングルデラックスの寝台券が買えて、勇んで13番線に来てみたら秋田県内の土砂崩れの影響で運休になっていたという苦い経験があるだけに、今回こうして目の前に「あけぼの」がちゃんといてくれただけで、感涙モノです。

イメージ 3 ▲何度このホームからこの列車に乗ったことか。

イメージ 4 ▲推進運転が済んで貫通扉が閉まれば、青森行きの最後尾車両はトレインマークを掲げたこの1号車。

 発車まであまり時間がありませんが、先頭に立つ機関車を見ないわけにはいきません。小走りで先頭へと向かいます。

 先頭の機関車のあたりの混雑はもっとたいへんなことになっていて、係員によるロープ規制が早くも敷かれているではないですか。廃止の2ヶ月以上前でこの状態ですから、ラストランの日が近づくにつれて、いったいどれほどのファンが押しかけるようになるのか想像もつきません。

イメージ 8 ▲先頭の機関車周辺は早くもロープ規制実施中。

 この日、長岡までの牽引役を担うのは、長岡運転所所属のEF64-1031。「あけぼの」のヘッドマークも誇らしげに、ヘッドライトを煌々と点けて、発車時間の到来を静かに待っています。

 僕は青森という交流電流エリアで育ったので、子どもの頃から電気機関車と言えば交流電気機関車のED75ばかりを見て育ち、ごくたまに親に連れられて東京へ行ったりすると目にする直流機関車の青い車体に胸をときめかせたものです。今でも、直流機関車にはなじみが薄く、こうして見かける度に新鮮さを覚えるのです。

イメージ 7 ▲「長岡」のプレートを差してもうすぐ出発。連結器は双頭連結器。

イメージ 6 ▲ロープ規制と混雑のせいでなかなか写真が撮りにくい。この日の牽引はEF64-1031。