台風18号(石北本線各駅停車;その49)
▲小雨降りしきる松山空港で出発を待つ羽田行きANA596便。
2013年9月15、16日、「今治焼豚玉子丼」。
我が師匠のチョイスは「しまラーメン」。塩業で有名な伯方島の塩を使った塩ラーメンだろうと踏んでのチョイスですが、透明に澄んだあっさりスープに、炙って焼き目の着いたタイの切り身や大ぶりな貝柱、エビ、カマボコ、メンマに刻みネギと、具もたっぷりで、僕もこれにすればよかったと思わずにはいられない一品!(^^)
▲我が師匠は、伯方の塩を使っているに違いないと「しまラーメン」をオーダー。
▲このクリアなスープは確かにおいしい。焼き目の付いた魚介類がいかにもおいしそう。
相方のチョイスは「鯛飯セット」。鯛飯と言えば愛媛の有名な郷土料理ですが、東西に長い愛媛県だけに、東(今治など東予・中予地方)と西(宇和島など南予地方)では同じ鯛飯でも姿形が全然違い、東の鯛飯は鯛の身を使った炊き込みごはんのようなものであるのに対し、西の鯛飯は鯛の刺身をごはんに載せ、特製のタレ、生卵、ゴマや刻みネギなどの薬味を混ぜたものをかけたもの。
で、今治で鯛飯を頼めば、出てくるのはもちろん炊き込みごはんスタイルのもの。これに温かいうどんとおしんこが付いてセットになっています。炊き込みごはんにすると鯛の香りがぽわーんと立って食欲がそそられますね。
▲うどんももちろん西日本風で、ダシがきいてあっさりしてます。
今治には「今治焼豚玉子丼世界普及委員会」なる団体も組織されていて、11月9、10日に愛知県豊川市で行われた「第8回ご当地グルメでまちおこしの祭典!『B-1グランプリin豊川』」では、「今治焼豚玉子丼世界普及委員会」は第4位入賞を果たしました。
いったい「今治焼豚玉子丼」とはいかなるものなのか。「今治焼豚玉子丼世界普及委員会」によれば、「どんぶりにご飯をよそい、スライスした焼豚をのせる。その上に半熟の目玉焼きをトッピングし、甘辛いタレをかけるだけ。」と定義されています。焼豚の厚さや部位、玉子、タレにはお店によってそれぞれ特徴がありますが、詰まるところ、気が短いという今治人の気質が生んだ、旨くて安くてボリュームがあって早く出てくるソウルフードなのだそうです。
多々羅しまなみ公園レストランの「今治焼豚玉子丼」は、キャベツのサラダとワカメスープ、そして紅ショウガが添えられて配膳。目玉焼きが1個なのは少々物足りないが、甘じょっぱいタレとほどよく柔らかい焼き豚が大いに食欲をそそり、一瞬で完食。危うくおかわりしそうになりました(^^)。
▲今回初めてその存在を知った「今治焼豚玉子丼」。
▲実にB級グルメらしい、食欲をそそる一品でありました。
雨はまだ降り続いていますが、おなかがいっぱいになったところで、地元の物産やお土産品をしばらく物色したあと、帰路に就きます。来たときと同じルートで、しまなみ海道を今治北ICで下り、あとは国道196号線をまっしぐら。途中松山市内で我が師匠を降ろし、あとは松山空港まで走ってレンタカーを返却です。
松山空港からは17:25発の羽田行きANA596便に乗ります。羽田着18:55で、羽田発20:05の富山行き最終便ANA891便に乗り継ぐ予定です。台風18号が四国・紀伊半島沖にいて、翌16日の午前中には東日本に上陸するかもしれないとのことなので、この日のうちに移動してしまう日程にしておいてよかったです。
ANA596便は機材到着遅れのせいか、20分遅れの17:45出発見込みとの表示が出ていますが、20分ぐらいの遅れならどうってことはありません。
▲羽田行きANA596便は20分遅れになる見込み。
20分遅れで出発したANA596便は、いかにも悪天候が近づいてきていそうな(日が暮れかけていて薄暗いせいもあるんですが)分厚い黒雲の上を飛んで、しかし無事に羽田到着。台風はまだ四国沖ですから、ここまでくればもうだいじょうぶ。
▲松山から羽田へはずっとなにやら不穏な雲の上の飛行。
次に乗るのは富山行き最終便ANA891便、20:05発です。三連休の中日ということもあってか、搭乗ゲート前では大勢の人が待ち混雑しています。きっと満席でしょう。
出発時刻の15分前、19:50頃にアナウンス。そろそろ優先搭乗の開始だなと思ったら、実はビックリ仰天なアナウンスでした。「富山行き891便は、欠航が決まりました」。
は?
「欠航が決まりました。」
はあ??
搭乗時刻になってからの欠航決定とはいかなることか?理由は「機材故障のため」。これは困った。
これが中国の空港なら暴動が起きかねないところですが、そこは日本人らしいというか、振り替えや払い戻し作業が始まった搭乗ゲート前カウンターにしずしずと列を作り、順番を待ちます。泊まるところは宿泊料金は後日払い戻しで、まずは自分で探して予約しなければならないとのことで、これはなかなかたいへん。
自分の番になったとき、「欠航決定がこんなにぎりぎりになったのはどうしてですか。せめてもう40分ぐらい早ければ北陸方面へ行ける最終の新幹線に乗ることができたはずですが」と尋ねてみたら、「三連休中で、ご利用のお客様もたいへん多いので、なんとか代替機材を手当しようとぎりぎりまで探したのですが、結局やりくりできなかったのです」とのことでした。
翌朝の初便、06:40発の富山行きANA881便は、特に天候を理由にした運航情報は入っていないとのことだったので、それに振り替え、品川のホテルに入ったときにはもう夜12時近くになっていました。ああ、疲れた。
日付が変わって翌16日、ベッドに入ったのはもう夜中2時近くでしたが、5時過ぎには起きて身支度をし、まだ真っ暗い中を再び羽田空港へ向かいます。街路樹がごうごうと音を立てて揺れ、けっこう風が強いんですけど……
一抹の不安を感じながら出発ロビーへ入ると、出発便案内番のANA881便のところには、ええ!というかやはりというか、「欠航」の2文字。昨日、問題なく飛ぶって言ったじゃ~~ん(T^T)。
しかし、08:20発の小松行きANA751便は飛ぶというので、それに振り替えてもらってセキュリティチェックを抜け、カードラウンジで過ごし、出発15分前にゲートに進むと、どうもゲート周辺が妙に閑散としていて静か。あれっ?もう搭乗済んじゃったの?と焦ってカウンターにいた人に聞くと「欠航になりました」。さっき小松行きは飛ぶって言ったじゃ~~ん(TOT)。
これで3連続「欠航」。こんなの初めてだわい。
預け荷物を引き取らなければならないので、ターンテーブルへ移動して荷物を引き取り、再び出発ロビーへ戻りました。この頃には台風18号はミゴト上陸、羽田周辺も暴風雨が吹き荒れて、全便の離発着が止まってしまいました。だから前夜のうちに移動したかったのに……(・_・、)。
振替、払戻の列はめちゃくちゃ長くなっており、ロビーのほとんどがその行列に占拠された形になっています。せめてもの幸いは、前夜のANA891便に乗る予定だった人は、台風とは関係のない完全にANA側の理由による欠航だったので、少し特別扱いしてもらえていて、あまり並ばなくてもカウンターにたどり着けるようになっていたということです。それで結局、「前夜のANA891便のお客様は、もし今晩もご出発できない場合は、今晩の宿泊代も負担いたします」とのことだったので、13:35発の富山行きANA885便に振替、もしそれが飛ばなかったらこの日も東京に一泊することに決意しました。
その後も羽田空港内は振替・払戻の列や離発着の再開を待つ利用客でごった返し、居場所を見つけるのに困るほど。しかし離発着がストップしているためセキュリティチェックを通ってゲートの方へ入ることもできず、空しい時間が過ぎていきます。
しかしとうとう、西の方から天候が回復してきたのでしょう、少しずつ離発着ができるようになってきて、我がANA885便も約80分遅れで飛ぶことが決定。前夜のANA891便から数えて4便目にして、とうとうちゃんと飛ぶ飛行機に乗れることになりました。やれやれ。こんなふうにして乗れるB787なんて、もはやそんなにうれしくないぞ(笑)。
▲3便連続欠航のあと4度目の正直でたどり着いたANA885便。
▲やっと乗れることになった飛行機はB787の初号機。疲れ果ててて、あまりうれしくない(涙)。