毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

シラタキづくし(石北本線各駅停車;その25)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818181747.jpg ▲女子高生が一人下車した旧白滝駅

 2013年7月31日、一日一本。

 下白滝の次は旧白滝。「新」が付く駅名は数あれど、「旧」が付く駅名はたいへん珍しく、JRではこの駅ぐらいではないでしょうか。ここも下り1本、上り3本しか列車は停まらず、駅名標の枠はひどく錆び付いてしまっています。

 しかし、この駅で女子高生が一人下車しました。夏休みの部活帰りでしょうか。こんな超過疎の駅にもちゃんと利用客がいることを知り、うれしくなったのは言うまでもありません。

 旧白滝から6.1kmで、次は白滝です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818181752.jpg ▲白滝駅は特急「オホーツク」も停まる2面3線のしっかりした駅。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818181758.jpg ▲2/3番線ホームは幅も広く、待合室もあります。

 白滝は旧遠軽町白滝地区集落の中心を為す駅だけに、ホームも2面3線あり、特急「オホーツク」も1人2往復停車するしっかりした駅です。

 さあ、ここからが今回の旅のメイン中のメインです。

 白滝駅と上川駅の間を走る普通列車は1日上下1本ずつしかありません。したがって、白滝駅と上川駅の間にある上白滝駅には1日に下り1本、上り1本の列車しか停まらないのです。朝07:04発の網走行き4621Dと夕方17:08発の、僕が乗っているこの旭川行き4646Dの2本のみ。周辺に民家が数軒あるそうなので、その民家に住む誰かのために停車しているのでしょうか。僕も、朝この駅から列車に乗って出かけ、夕方この駅へ列車で帰ってきてみたい気がしますが、それを実現させるには、上白滝の集落に移住するしかないのでしょう。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818181803.jpg ▲次にこの駅に上り列車が停まるのは24時間後。

 車内からはよく見ることができませんが、上白滝の駅舎は北海道で一番古い木造駅舎なのだそうです。

 4626D、上白滝を発車しました。

 次の駅は、上川です。上川までは34.0km。たったひと駅で34.0km!とはビックリですが、これは別に日本一ではありません。在来線で日本一長い駅間は石勝線新夕張駅~占冠駅間の34.3kmです。あら、惜しい!

 しかし、4626Dの上白滝から上川までの所要時間は1時間08分ですが、これは日本一です。ひと駅進むのにかかる時間が日本で一番長いのです!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818181807.jpg ▲山間に広がる牧草地を眺めながらのんびり走ります。

 ロールベールと呼ばれる円筒形の牧草のかたまりが点在するのどかな牧草値を眺めながら、列車は進みます。これぞ北海道の車窓の風景です!(^^)(ちょっと山がちですが……(^_^ゞ)

 上白滝から上川までのたったひと駅にこれだけ長い時間がかかるのにはもちろんワケがあります。

 この区間には、信号場だけでなく、旅客営業を行う駅がかつていくつかありました。現在、この区間には、上白滝方から順に、奥白滝、上越中越の3つの信号場がありますが、このうち奥白滝と中越は、2001年に廃止されて信号場に変わるまでは旅客営業のある駅でした。また、上川と中越の間には天幕という駅もあり、これは2001年に、信号場にもならずに完全廃止になりました。

 本当は、天幕、中越、奥白滝がまだ駅として存在している間にこの区間普通列車で通りたかったのです。しかしその願いは叶わず、これらの駅が廃止になって12年も経ってからようやくこの区間普通列車で通ることになったのです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818181812.jpg ▲線路が分岐し、列車交換可能になって、奥白滝信号場。

 上白滝から5.0km、線路が分岐し、信号施設などが建ち並び、列車交換ができるようになると、そこは奥白滝信号場。小さな白い花をたくさん付けた植物など草が生い茂っていて、そこにホームがあったのかどうかもわからなくなっていますが、駅舎は残っています。ホーム側しか見ることはできませんが、トタン葺きの屋根には雪止めも施され、朽ち果てている感じではありません。保線要員の詰所として今も使われているのでしょう。かつての改札口の脇にはなぜか電話ボックスのようなものもありますね。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818181821.jpg ▲旧奥白滝駅の駅舎は今もしっかり残っているようです。