真夏の釧路駅、気温16℃。（石北本線各駅停車；その12）

▲釧路駅1番線で発車を待つ「スーパーおおぞら4号」。

　2013年7月31日、まりもっこり。

　前夜、札幌からの「スーパーおおぞら13号」の思わぬ遅れで、ホテルに入ったのが午前1時半頃、それからシャワーを浴びたりなんだかんだで夜更かしになり、この日は眠い目をこすりながらの出発です……と思いきや、朝8時頃、ホテルの外に出てみると、あまりの肌寒さに眠気も吹っ飛びました。7月末だというのに朝8時の気温が16℃！今にも雨が落ちてきそうなどんよりとした曇りでなおさら寒さを感じます。とても夏とは思えない……

　肌寒い中を歩くこと数分で、釧路駅へ戻ってきました。駅前には、1901年に開業した釧路駅の開業90周年を記念して1991年に設置された蒸気機関車の動輪が鎮座しております。釧路駅のシンボルですね。1966年（昭和41年）に北海道へ渡り、1975年（昭和50年）まで道内で活躍した蒸気機関車D51-467の第三動輪だそうです。

▲7月末で気温16℃の釧路、寒々としてます。

▲釧路駅のシンボルは釧路駅開業90周年を記念して設置されたデゴイチの動輪。

　釧路駅へやってくるのは、2006年1月以来7年半ぶり。夏に来たのはいつかと問われればもう思い出せないぐらい昔のような気がします。

　駅舎内にはコンビニや土産物屋、飲食店などが一通りそろっていますが、その中で目を惹くのはやはり「マリモ」。マスコットキャラクター「まりもっこり」の登場でマリモはますます全国的に有名になりましたが、国の特別天然記念物である大きな球状のホンモノのマリモが見られるのはなんと言っても阿寒湖です。釧路駅にも阿寒湖の養殖マリモが水槽に入って展示してありました。阿寒湖もしばらく行ってないなあ。

▲釧路駅舎内に展示されている阿寒湖の養殖マリモ。

　改札を出たすぐにある1番線にはキハ283系が入っています。08:39発の4006D特急「スーパーおおぞら6号」です。一本前の07:39発の「スーパーおおぞら4号」が、例の出火事故の影響で運休になっているので、「スーパーおおぞら6号」は、本来であれば釧路を発車すれば池田までノンストップのところ、途中白糠と浦幌にも停車し、本来は通過するトマムにも停車するという措置がとられ、厳しい運営を迫られています。

▲停車駅を増やして「スーパーおおぞら4号」の運休をカバーしています。

　釧路駅のホームは3面5線で、2～5番線ホームは、屋根や柱などはだいぶ古いもののように見受けられますが、駅名標はJR時代になってからの新しいものに変えられています。

　一方、1番線のほうには、国鉄時代からのままの古い駅名標が残っています。「K53」という駅番号のステッカーがあとから貼られたのを除けば、このどっしりとしたひらがなの字体、幅が広く長いホーム、天井から吊された時計などなど、釧路駅の1番線ホームは、まるで時が止まったかのようです。中学生のとき、釧路の親戚を訪ねて一人でやってきた僕は、このホームから客車夜行急行「狩勝8号」に乗って札幌へ向かった記憶がかすかにありますが、そのかすかな記憶の中の釧路駅1番線と今の1番線とは少しも変わっていないように感じます。

▲釧路駅のホームは3面5線構造。

▲昔から少しも変わっていないような気がする1番線ホーム。