廃止迫る竜飛海底駅(石北本線各駅停車;その5)
▲蟹田駅に停車中の八戸色のキハ40-568。
2013年7月30日、蟹田ってのは。
「スーパー白鳥」は、シートテーブルの裏面に、青函トンネルの説明と、列車ごとの青函トンネル出入りの時刻が書かれたステッカーが貼ってあるのが親切なところ。これによれば、我が「スーパー白鳥19号」が青函トンネルに突入するのは13:43頃らしいです。
▲シートテーブル裏に貼ってある青函トンネルに関する案内はとても親切。
津軽線は陸奥湾に沿って海岸べりを走っていると思われがちですが(地図で見るとそう見えるもんね)、車窓から海が見える区間はほんのちょびっとしかありません。それは瀬辺地駅を過ぎたあと蟹田駅到着前の数分間。それ以外は、確かに海岸線に近いところを走ってはいるんですが、海はほとんど見えないんですよねー。
13:27、蟹田到着、2分停車。
1番線には、13:26に三厩から到着した336Dが停車しています。八戸色のキハ40-568の単行です。現在、青森駅から三厩まで直通する列車は1日1本しかなく、それ以外は蟹田で乗り換えなければなりません。しかも蟹田~三厩間は1日5本しかなく、なかなか乗りにくい過疎路線になってしまっています。現在の津軽二股駅・津軽今別駅のある場所に新幹線駅(仮称「奥津軽駅」)ができることになっていますが、これが開業したら、蟹田~三厩線にも何かしら光が当たるようになるのでしょうか。
蟹田駅を発車すると線路は山手に入り、トンネルが続くようになります。車内のLED掲示板には、トンネルの名称がいちいち表示されますが、だいたいトンネルに入ってからそのトンネルの名称が出るので、青函トンネルに入る瞬間をとらえたくても、このLED掲示板に頼ることはできません。このLED掲示板に「青函トンネル」と表示されたときには列車はもう青函トンネルの中なのです。
そんなわけで、青函トンネルに入る瞬間をカメラに納めるのはなかなか難しいのですが、今回はたぶん撮れたと思います。たぶんこれです。いや、きっとそうに違いない(^^)。
▲これが青函トンネルの入り口だ!!
シートテーブルに貼ってあるステッカーの案内によれば、「スーパー白鳥19号」は13:43に青函トンネルに入り、出るのは14:12。この間は当然のことながらずーーっと真っ暗いトンネルの中なので、継ぎ目のないスーパーロングレールで揺れもほとんどないし、ついつい眠くなってしまいます。しかしこの列車は、竜飛海底駅見学者を乗せていて、途中竜飛海底駅に停車するのです。到着時刻は13:52。細いホームから奥の方へ続く通路が何本も掘られていて、非常時の旅客待避所および保線基地であることを窺わせます。
▲竜飛海底駅に停車し、駅見学客を降ろします。
▲奥の方で連絡誘導路につながり避難所などがあるのでしょう。
この竜飛海底駅、一度も乗降したことはないのですが、北海道新幹線開業に向け、竜飛海底駅下車見学コースは今年の11月10日で終了し、来春には駅そのものが廃止になるとのことです。残念、一度ぐらいは降りてみたかったな。
竜飛海底駅を発車すると、その約7分後にトンネル最深部に至り、更に13分ほどで青函トンネルを抜け、北海道上陸です。そして、来春の廃止が既に決まっている知内駅を通過し、14:19、列車は木古内駅に到着しました。意外と降りる人が多いですね。廃止が決まった江差線に乗ろうとする人もいるのかな?
▲木古内駅に到着。意外と下車客がいますね。
木古内駅の4/5番線ホームの外側には、新幹線の高架ができつつあります。ここにも新幹線の駅ができるんですねー。なんか夢のようですが、新幹線の高架が着々とできてきていることが、ここへ新幹線がやってくることが現実であることをおしえてくれます。
その高架を背景に、5番線には北海道色のキハ40が停まっています。前方車両はキハ40-841ですね。14:13に到着して、木古内で57分も停車し、15:10に発車する江差発函館行き普通列車125Dです。
▲木古内駅で長時間停車する函館行き125D。
125D、僕はかつてこの列車に乗ったことがあります。2009年12月のことです。僕のただ一回きりの江差~木古内乗車体験です。そのときの記事を見返してみると、新幹線高架工事はまだほとんど始まっていないような感じです。来春、江差~木古内間が廃止になったら、キハ40は木古内駅では見られなくなるのでしょうか。いや、そんなことはないな、函館~木古内間の普通列車としてはまだ存続するでしょう。それにしても、またも新幹線のせいで地方のローカル線が切り捨てられるのだと思うと、どうにもやるせない気持ちにならざるを得ません。
▲3年半前にこの列車に乗ったとき、背景にはこんなコンクリートの塊はなかったなあ。