毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

廃止迫る竜飛海底駅(石北本線各駅停車;その5)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818180138.jpg蟹田駅に停車中の八戸色のキハ40-568。

 2013年7月30日、蟹田ってのは。

 青森駅で8分停車した特急「スーパー白鳥19号」は、進行方向を変え、1号車を先頭にして、定刻13:00に青森駅を発車しました。

 古川跨線橋の下で青い森鉄道線(旧東北本線)と分かれ、右に大きくカーブしながら、再び我が母校と実家の近くを通り、西滝川、沖館川を渡ったところで奥羽本線とも分かれて、列車は単線の津軽線を走っていきます。

 「スーパー白鳥」は、シートテーブルの裏面に、青函トンネルの説明と、列車ごとの青函トンネル出入りの時刻が書かれたステッカーが貼ってあるのが親切なところ。これによれば、我が「スーパー白鳥19号」が青函トンネルに突入するのは13:43頃らしいです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818180217.jpg ▲シートテーブル裏に貼ってある青函トンネルに関する案内はとても親切。

 津軽線陸奥湾に沿って海岸べりを走っていると思われがちですが(地図で見るとそう見えるもんね)、車窓から海が見える区間はほんのちょびっとしかありません。それは瀬辺地駅を過ぎたあと蟹田駅到着前の数分間。それ以外は、確かに海岸線に近いところを走ってはいるんですが、海はほとんど見えないんですよねー。

 で、瀬辺地駅を過ぎて見えてきた陸奥湾の海は、どんよりとした曇り空の下で波も高めの、夏海らしからぬ様相。晴れていれば夏泊半島下北半島脇ノ沢あたりが見えるのでしょうが、この日はまったくダメでした。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818180129.jpg蟹田到着直前に見えた陸奥湾はどんよりと曇った空の下でどんよりしてました。

 13:27、蟹田到着、2分停車。

 1番線には、13:26に三厩から到着した336Dが停車しています。八戸色のキハ40-568の単行です。現在、青森駅から三厩まで直通する列車は1日1本しかなく、それ以外は蟹田で乗り換えなければなりません。しかも蟹田三厩間は1日5本しかなく、なかなか乗りにくい過疎路線になってしまっています。現在の津軽二股駅津軽今別駅のある場所に新幹線駅(仮称「奥津軽駅」)ができることになっていますが、これが開業したら、蟹田三厩線にも何かしら光が当たるようになるのでしょうか。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818180142.jpg蟹田駅に到着。三厩方面へは久しく行ってないなあ……

 蟹田駅を発車すると線路は山手に入り、トンネルが続くようになります。車内のLED掲示板には、トンネルの名称がいちいち表示されますが、だいたいトンネルに入ってからそのトンネルの名称が出るので、青函トンネルに入る瞬間をとらえたくても、このLED掲示板に頼ることはできません。このLED掲示板に「青函トンネル」と表示されたときには列車はもう青函トンネルの中なのです。

 そんなわけで、青函トンネルに入る瞬間をカメラに納めるのはなかなか難しいのですが、今回はたぶん撮れたと思います。たぶんこれです。いや、きっとそうに違いない(^^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818180149.jpg ▲これが青函トンネルの入り口だ!!

 シートテーブルに貼ってあるステッカーの案内によれば、「スーパー白鳥19号」は13:43に青函トンネルに入り、出るのは14:12。この間は当然のことながらずーーっと真っ暗いトンネルの中なので、継ぎ目のないスーパーロングレールで揺れもほとんどないし、ついつい眠くなってしまいます。しかしこの列車は、竜飛海底駅見学者を乗せていて、途中竜飛海底駅に停車するのです。到着時刻は13:52。細いホームから奥の方へ続く通路が何本も掘られていて、非常時の旅客待避所および保線基地であることを窺わせます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818180227.jpg竜飛海底駅に停車し、駅見学客を降ろします。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818180232.jpg ▲奥の方で連絡誘導路につながり避難所などがあるのでしょう。

 この竜飛海底駅、一度も乗降したことはないのですが、北海道新幹線開業に向け、竜飛海底駅下車見学コースは今年の11月10日で終了し、来春には駅そのものが廃止になるとのことです。残念、一度ぐらいは降りてみたかったな。

 竜飛海底駅を発車すると、その約7分後にトンネル最深部に至り、更に13分ほどで青函トンネルを抜け、北海道上陸です。そして、来春の廃止が既に決まっている知内駅を通過し、14:19、列車は木古内駅に到着しました。意外と降りる人が多いですね。廃止が決まった江差線に乗ろうとする人もいるのかな?

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818180158.jpg木古内駅に到着。意外と下車客がいますね。

 木古内駅の4/5番線ホームの外側には、新幹線の高架ができつつあります。ここにも新幹線の駅ができるんですねー。なんか夢のようですが、新幹線の高架が着々とできてきていることが、ここへ新幹線がやってくることが現実であることをおしえてくれます。

 その高架を背景に、5番線には北海道色のキハ40が停まっています。前方車両はキハ40-841ですね。14:13に到着して、木古内で57分も停車し、15:10に発車する江差発函館行き普通列車125Dです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818180205.jpg木古内駅で長時間停車する函館行き125D。

 125D、僕はかつてこの列車に乗ったことがあります。2009年12月のことです。僕のただ一回きりの江差木古内乗車体験です。そのときの記事を見返してみると、新幹線高架工事はまだほとんど始まっていないような感じです。来春、江差木古内間が廃止になったら、キハ40は木古内駅では見られなくなるのでしょうか。いや、そんなことはないな、函館~木古内間の普通列車としてはまだ存続するでしょう。それにしても、またも新幹線のせいで地方のローカル線が切り捨てられるのだと思うと、どうにもやるせない気持ちにならざるを得ません。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818180210.jpg ▲3年半前にこの列車に乗ったとき、背景にはこんなコンクリートの塊はなかったなあ。