毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

香港広州直通列車に乗ってみた。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818163255.jpg ▲紅磡駅で出発を待つT824列車の先頭の牽引機関車。

 先週の週末、8月31日と9月1日は、香港から広州へ行ってきました!

 交通手段は、香港九龍サイドの紅磡(Hung Hom)駅と広州東駅を結ぶ直通列車!たぶん15年ぶりぐらいの乗車であります。

 朝早く自宅を出て、バスとスターフェリーを乗り継いで、紅磡駅へ。紅磡駅は、香港鐵路(MTR)の東鐵線(紅磡~羅湖)の始発駅。九龍地区や新界地区のベッドタウンを結んで、3~4分間隔で5ドアの12両編成通勤電車が行き交う路線です。そして、このフリークエント・ダイヤのすき間を縫って、1日12往復、紅磡~広州東の直通列車が走っているのです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818163241.jpg ▲待合室の案内板。英語表記がスマートなのが香港らしい。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818163247.jpg ▲待合室全景。右の方には免税店とかもあります。

 同じ国とは言え「一国二制度」ですから、香港と内地を行き来するにはパスポートコントロールがあり、その点は国際列車と同じ。紅磡駅には直通列車利用客の専用通路があり、空港と同じように出境審査、税関、検疫を抜けて待合室に入ります。待合室には免税店もあり、既に出境したことを感じさせます。

 発車時間が近づくと柵が開けられ、エスカレーターでホームへ下ります。もともとは09:24発のT824列車の切符を買っていたのですが、紅磡駅に早く着いたので、一本早い08:15発のT824列車に替えてもらいました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818163329.jpg ▲「乗変」のスタンプが押してあるT824列車へ変更後の切符。

 直通列車1日12往復のうち、8往復が中国側の廣深鐵路の車両、3往復が香港鐵路の車両で運行されます。T824列車はその3往復のうちの1本で、香港鐵路の車両です。

 香港鐵路運行の直通列車は「九廣通列車」、略して「Ktt」と呼ばれています。二階建て客車8両編成を電気機関車が牽引します。二階建て客車は日本の近畿車輛製だそうで、車側には「MTR」のロゴが描かれています。僕が今回乗るのは3号車で、「T2B 006」という車番の車輌。2階席56席、1階席54席で、免税品用倉庫を備えた車輌です。

 電気機関車スイス国鉄Re460形電気機関車(Lok2000型とも言う)を2両導入しており、TLN001号機とTLS002号機として客車編成の前後に連結されてプッシュプル運転をしています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818163251.jpg ▲出発準備を整え前方を睨むTLN001号機。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818163305.jpg ▲客車の車側には「MTR」のロゴとLEDの行き先表示。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818163300.jpg ▲各車両の乗車口にアテンダントが立って乗客を案内します。

 車内は2×2の4列シート。ソファーのふかふかの座り心地ですが回転できない固定シートで、車両の真ん中あたりで背中合わせに並んでいるので、進行方向に背を向けた席に当たるとちょっと快適じゃないかも。僕は今回その席に当たり、ずっと後ろ向きに座って広州を目指さなければなりませんでした。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818163310.jpg ▲3号車2階席の様子。ソファーのような座り心地のシートは良いが、後ろ向きだとねえ……

 T824列車は08:15、定刻に紅磡駅を発車しました。

 しかし、ノロイ。3分間隔で走る普通列車を追い越すこともなく走るので、深センとの境界を越えるまでは非常にまどろっこしい運転が続きます。香港と内地の境界である深セン河を渡る瞬間をカメラに収めようと思っていましたが、のろのろ運転が続くうちに爆睡してしまい、写真はナシ(^_^ゝ

 広東省に入ってしまうと速度も上がり、途中常平駅に停車し、その次はもう終点広州東駅。10:25の到着です。所要2時間10分。距離は紅磡から境界駅の羅湖までが34.5km、内地に入って深センから広州東までが139kmなので、合計約174kmといったところですか。

 広州東駅でホームに降り、エスカレーターで上に上がるとそこは入境審査場。ここでまたパスポートコントロールがあり、税関、検疫を抜けると、中国大陸に入ったということになります。広州東駅には地下鉄1号線と3号線が乗り入れているので、交通はわりと便利ですね。それにしても超久しぶりに乗った香港広州直通列車、ほとんど爆睡していたので、あまり懐かしさを感じなかったな……(^^ゞ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818163318.jpg ▲終点広州東駅に到着。けっこうたくさん乗ってましたねーー。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818163323.jpg ▲広州東駅の直通列車出口。階段の上に入境審査場や税関などがあり、この階段は逆行禁止。