毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

オールド・ホンコンのミニチュア展

イメージ 1 ▲アップにするとミニチュアだとは気づかないほどリアル。これは駄菓子屋さん。

 今日25日は、バスと地下鉄を乗り継いで、九龍灣(カオルン・ベイ)というところまで行ってきました。

 数日前の新聞に紹介されていたのですが、地下鉄九龍灣駅に直結する「徳福廣場」という大型ショッピングモールで、オールド・ホンコンのミニチュア展をやっているというので、見に行ったのです。

 九龍灣へ行くのも初めてなら、「徳福廣場」へ入るのももちろん初めて。ものすごく巨大なショッピングモールで、歩いても歩いても果てしない感じですが、ミニチュア展は地下鉄からの通路からわりと近いところで行われていたので、すぐに見つけることができました。

イメージ 2 ▲香港市民で大盛況、大人気。この写真でミニチュアの大きさがわかると思います。

 「徳福廣場」のイベントスペースみたいなところで開かれていたこのミニチュア展、香港市民が大勢詰めかけて、大盛況、大人気です。ガラスケースに入れられた数々のミニチュアを取り囲んで、みんなスマホなどで写真を撮りまくっています。

 どのミニチュアにもすごい人だかりなのでなかなか近づけないんですが、ようやく近づいて見てみると、ビックリ!すっっっごいリアルです!点心の蒸籠を山と積んだワゴンがたくさん店内を練り歩いていた頃の飲茶のワンシーンなんて、蒸籠の中のエビ餃子やシューマイ、チャーシューまん、ごま団子とかまでそっくりそのままで、湯気まで立ちのぼってきそうです。

イメージ 3 ▲ワゴンがたくさん練り歩いていた頃の飲茶を再現したミニチュアは点心の一つ一つまで手抜きなし!

 オールド・ホンコンと言っても、みんな実在のものを題材にしているので、香港人なら見ればすぐに「あ、あそこか!」とか「あ、あの店ね!」と反応でき、しかもそれが超リアルに再現されているのですから、大盛況なのもうなずけます。

 もちろん、「かつてあったもの」だけではなく、「すっかり古くなったけれどもまだまだ現役中のもの」もたくさんあって、ミニチュアを見たあとに本物を見に行ってみようという気にもなったりします。

イメージ 4 ▲雑貨屋「老金山貨」。竹箒の先から煉炭の穴まで忠実に再現。

イメージ 5 ▲軽食店「香港冰室」。細かい四角のタイル壁、ドアの取っ手の古び具合、本物そっくり。

 様々なお店を再現したミニチュアが多いのですが、中には街並みを再現したミニチュアもあり、これまた人気が集まっています。

 まだボンネット型の二階建てバスが走っていた頃の街並みのミニチュアのバスの車体には「香港大丸」の広告が。日本の大丸百貨店が香港に店舗を構えていた頃は、香港人で「大丸」を知らない人はいませんでした。大丸はもうとっくに撤退してしまいましたが、今でもミニバスは行き先に「大丸」と大きく掲げて走っています。もう存在しないものが行き先だなんて、大丸百貨店がいかに香港に浸透していたかがわかります。

イメージ 6 ▲ボンネット型二階建てバスの車体に「香港大丸」。いつ頃の街並みだろう?

 香港の街並みと言えば、トラムを取り込むのを忘れてはいけません。

 「和昌大押」の前をトラムが通り過ぎていくワンシーンをとらえたミニチュアがありました。「和昌大押」はワンチャイのジョンストン・ロードにある質屋さん。1888年に建てられ、1948年にリニューアルされた建物で、今も変わらず営業中。このレトロな建物は香港政府の支援も受けながら保存されているので、今でもトラムに乗れば、この建物の前を通ることができます。

イメージ 7 ▲質屋「和昌大押」の前をトラムが通り過ぎていくシーンは今も変わっていません。

 1枚目の写真もそうですが、お店のミニチュアはその店頭に並ぶ数々の売り物までが精緻に再現されていて、アップの写真だと本物のお店じゃないかと見間違ってしまうほどです。

 もう一つお店をご紹介しましょう。「老金缸瓦陶瓷舗(KIM'S POTTERY SHOP)」という瀬戸物屋さんです。お店の入口に猫がいて、その奥にはブリキ製のポットも売られていて、今にも店の主人が奥から出てきそうです。

 このミニチュア展は6月16日まで。リアルなオールド・ホンコンの世界に浸りに来ませんか?

イメージ 8 ▲瀬戸物屋「老金缸瓦陶瓷舗」。いや、香港のお店ってホントウにこんな感じです。