毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

奥出雲おろちループ(冬のニッポン雪景色;その36)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818174434.jpg三井野原を出てすぐ左側に赤い橋が見えてきます。

 2013年2月13日、三段スイッチバック

 三井野原を発車して少しすると、左側に妙に立派な赤い橋が見えてきました。列車が更に進むと、その赤い橋に至る道路が、東京ベイブリッジなんか目じゃないくらいスケールの大きならせんを描いていて、かなりびっくり。とんでもない山の中に巨大な人工建築物が突如現れるのは、高速道路が全国に張り巡らされた昨今ではさして珍しいことではありませんが、こんな巨大ループとなると思わず「なんだコレは」と車窓から身を乗り出してしまいそうになります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818174438.jpg ▲山を取り巻くように何やららせん状の道路も見えます。

 この巨大ループは「奥出雲おろちループ」と呼ばれる国道314号線の道路。三井野原~坂根間の区間長6㎞、標高差167mを11の橋と3つのトンネルを使い、二重ループ方式で結ぶ道路で、1982年着工、1992年4月開通。二重ループ区間はループ式の道路としては日本一の規模で、区間長2,360m、区間標高差105m。二重にとぐろを巻く八岐大蛇(やまたのおろち)がイメージされているのだそうです。この道路の最上部にあって車窓から見えた赤い橋は三井野大橋というそうです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818174444.jpg ▲奥出雲の山奥にヤマタノオロチ出現!

 奥出雲おろちループが視界から消えて少し行くと、進行方向左側から線路が寄り添ってきて併走するようになります。いよいよ木次線名物出雲坂根の三段スイッチバックの始まりです。

 木次線の最後の開通区間として1937年に開業したこの場所は中国山地越えの難所であったため、スイッチバックが設けられました。左側から寄り添ってきた線路は出雲坂根駅に向かう線路で、僕が乗っている列車はこの先で停車し、進行方向を変えてこの線路のほうに入り、出雲坂根駅へ到着するのです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818174449.jpg ▲左から寄り添ってきたスイッチバック一段目の線路。けっこう高低差がありますね。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818174454.jpg ▲だんだん高さが近づいてきました。

 進行方向を変えて一段目のスイッチバックを進むと、出雲坂根駅に到着です。三井野原からの6.4kmに15分かかりました。出雲坂根駅の駅舎はウッディな感じの新しい駅舎。観光列車「奥出雲おろち号」とかが走るようになって、建て替えたのでしょうか。

 ホームには「となりの三井野原駅は標高726m JR西日本で一番高所にある駅です」、「ここは出雲坂根駅です。この駅は三段式スイッチバックの停車場です。標高564m」という案内板がありました。スイッチバック一段の使って162mを下ってきたことになります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818174513.jpg ▲かなり新しい出雲坂根駅の駅舎。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818174502.jpg ▲なぜ隣の駅の解説があるのだろう?(笑)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818174507.jpgスイッチバック一段も使って6.4kmで162m下ってきました。

 出雲坂根駅には数分停車し、15:22に発車。到着時とはまた進行方向を変えて出発です。

 出雲坂根駅にはホームが2本あり、駅舎側が備後落合方面行きの発着ホーム、そうでない側が木次方面行きの発着ホームとなっています。出雲坂根駅を発車した僕の列車は、ホームを離れてしばらく進むと、ダブルクロッシングになったポイントを渡って駅舎側の線路に入ります。これがスイッチバックの二段目で、あとはさっき出雲坂根駅に向かって走ってきた線路を右に見ながらまた少しずつ下っていきます。これでついに僕も出雲坂根の三段式スイッチバックを体験することができました!めでたしめでたし(^^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818174518.jpg ▲遠ざかる出雲坂根駅。左の線路から右の線路へとポイントを渡ります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818174522.jpg三井野原へ向かう左の線路と分かれて再び下り坂を下っていきます。