キハ120の集結する駅(冬のニッポン雪景色;その35)
▲クリーム色のキハ120は木次行き。必死にどこかと連絡を取り合ってる女性乗客が一人。
2013年2月13日、JR西日本管内で最も高いところにある駅。
僕が三次から備後落合まで乗ってきた356Dは、たった7分停車しただけで、359Dとして14:38に2番線から三次へ折り返していきます。3番線に停車している岡山色のキハ120は新見から14:23に到着した443Dで、14:34発の新見行き444Dとして折り返していきます。
▲備後落合駅2番線に到着した三次からの356D。
▲うっすらと雪化粧した山深い備後落合駅に並ぶキハ120。
備後落合駅は芸備線と木次線のジャンクション駅ですが、今は無人駅。三方から一日数本ずつやってくる列車が折り返しを待ち、わずかの乗客が乗り換えなどで行き交う短い時間だけ、この無人駅は生き返ったようになります。
▲こちら木次線用の1番線ホーム。
1番線で待っている14:41発の出雲横田行き1458Dは、クリーム色のキハ120。車番はキハ120-4で、米子支社木次鉄道部所属です。木次色とでも呼べばいいのでしょうか。
この塗装のキハ120に乗るのは今回が2回目。前回は……と思い返してみると、なんと2005年1月4日のことです。8年以上前のことですよ(そのときの記事はコチラ)。あのときはキハ120の200番台で木次から亀嵩まで行き、帰りは出雲三成から木次まで0番台に乗ったのでした。
▲キハ120-4の車内はオーーール・ロングシート。
僕の他に乗客は1人だけ。大きな荷物を持った女性ですが、さっきからホームで長電話をかけまくっています。旅行客のようですが、どうも急用ができて宍道あたりから広島方面へ向かったはいいけれど、備後落合まで出たところで、行かなくてよくなったから戻ってもいいとか、なんかそんな会話を延々としています。
その話の決着がついたのかつかないのか、その女性も乗った1458Dは定刻14:41に備後落合駅を発車し、雪の陰陽連絡ルートを北上していきます。
▲トンネルも多く、山の中を縫うように走ります。
▲備後落合を出ると心なしか雪が多くなったような気がします。
備後落合の次は油木。古い手書きの駅名標がなつかしく、ほっとします。
ここは広島県最北端の駅。今、この駅へ列車がやってくるのは、臨時観光列車の「奥出雲おろち号」を除けば、上下3本ずつの1日6本だけです。かつては駅舎もあったそうですが、今や駅舎は取り壊され、ホームの上に待合室があるだけ。いったい1日何人がこの駅を利用しているのでしょう。
1458Dは、備後落合から油木までの6.6kmを12分、次の三井野原までの5.6kmを11分かけて走ります。平均速度は油木まで33.0km/h、三井野原まで30.5km/hです。ハイパワーのキハ120形をしてこれですから、いかに地形の厳しい山間区間なのかがわかります。
県境を越え、島根県に入って最初の駅は三井野原。JR西日本の駅の中で最も標高の高いところにある駅だけに、ホームを雪かきしたあとの雪山もそうとうの高さで、周辺の積雪量も目に見えて増えました。ここは標高727m、周辺にはスキー場もあるそうです。