毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

「妙高1号」で北上する(冬のニッポン雪景色;その8)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818172420.jpg ▲「妙高1号」1号車指定席車両の車内。シートカバーがないのが逆に新鮮。

 2013年2月2日、特急気分。

 普通列車妙高1号」は、08:12の定刻に長野駅を発車しました。僕はせっかくの初乗車なので1号車の指定席車に席を確保しましたが、1号車に乗っているのは3、4人といったところ。この日は土曜日だからで、平日ならもっと乗車率が高いのでしょうか。

 車内には特急「あさま」として活躍していた頃のリクライニングシートが並んでいますが、特急時代にはあった頭部の真っ白いシートカバーがないので、最初はかなり違和感を感じます。車内がガラ空きなだけになおさらです。普通列車なのでカバーがないのはしかたないし、普通列車としては十分に快適なのですが。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818172428.jpg ▲シートカバーはないけれど乗り心地は十分快適(^^)。

 この日の1号車はクハ188-602。サハ481-115を先頭車化改造したものだそうで、長野総合車両センター所属のN103編成のようです。

 車側の行き先表示幕は、ごついフォントの文字でしっかり「妙高号」という愛称も入った立派なもの。全部黒字というところが普通列車の謙虚なところでしょうか(^^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818172407.jpg ▲行き先表示幕は普通列車だけに全部黒字だけれど、愛称がしっかり入って立派です。

 長野を発車した「妙高1号」は、両側に雪景色を眺めながら北長野、三才、豊野と停車していきます。三才駅では三才誕生日記念切符が売られているとか。七五三のときとか三才児で混雑するのかしら……(^^) 豊野は飯山線への分岐駅。まだ一度も乗ったことがありません。

 豊野の次は牟礼。雪が少し多くなってきたでしょうか。スノボを抱えた女性が降りて、駅まで迎えに来てくれたお友だちの車にスノボを積んで、これから近くのスキー場へ行くのでしょう。駅名標の隣にある観光案内板には「飯綱リゾートスキー場」と書いてあるから、そこかな?

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818172435.jpg ▲牟礼到着。近くにスキー場があるみたい。

 牟礼を出ると古間、黒姫と続いて、その次が妙高高原。ウインタースポーツで賑わう町だけあって、前方の自由席車両からはかなりの下車客があり、それぞれスノボなどの大きな荷物を抱えています。
 
 隣の2番線には信州色の115系N32編成が停車中。今の時刻は08:54ですが、時刻表上はこの時間に長野へ向かう列車はありません。何かの事情で妙高高原始発の08:38発の長野行き2376Mの発車が送れているのでしょうか。それにしてもこの信州色、ずいぶん久しぶりに見たような気がします。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818172444.jpg妙高高原駅ではスノボなどを持った人たちが続々下車。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818172440.jpg妙高高原駅で交換した信州色の115系

 両側に雪原が広がり、その向こうに雪嶺が続く車窓の風景を愛でながら、「妙高1号」はゆっくりと北上していきます。

 妙高高原から二つ目の二本木は全国的に有名なスイッチバックの駅。この種の駅で僕の印象に残っているのは磐越西線中山宿ですが、あちらはとっくにスイッチバックでなくなりましたから、今やこういう構造の駅は極めて貴重です。

 スイッチバックの配線を行ったり来たりしつつ二本木を発車すると次は新井、北新井と続いて、その次は脇野田に停車します。ここでも列車交換。反対側のホームにはまたも信州色の115系が停車していますが、これもまた時刻表にはありません。08:26発の長野行き344Mがやはり送れているのでしょうか。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818172449.jpg ▲雪原と雪嶺を眺めながら「妙高1号」は北上。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818172455.jpg脇野田でまた普通列車と交換。長野方面行きに遅れが出ているのでしょうか。

 脇野田駅を出ると左側に建設中の駅舎と高架が見えてきます。2015年度末開業予定の北陸新幹線の高架ですが、脇野田駅のすぐ近くに新幹線の駅ができるようです。この駅は仮称「上越」駅。脇野田駅からは少々離れているので、新幹線開業の暁には、新幹線駅のほうに立ち寄るように在来線のルートを変える計画だそうですから、そのときには現在の脇野田駅上越駅のほうに移転することになるのでしょうね。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818172501.jpg ▲在来線脇野田駅のすぐ近くに建設中の新幹線上越(仮称)駅。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818172507.jpg ▲新幹線の高架が在来線から少しずつ遠ざかりながらずっと続いています。

 長野以東の新幹線各駅でのホームドア増設工事や長野以北の高架敷設、新駅建設工事はずいぶん進んでいるように見受けられ、北陸新幹線の開業も着々と近づいていることを感じました。

 そんな北陸新幹線の高架を左に眺めながら「妙高1号」は北上を続け、南高田、高田、春日山と来れば、妙高高原あたりの山間区間とは打って変わった平野を駆け抜け、終点直江津には2分ほど遅れて09:43に到着しました。到着番線はいちばん山側の6番線です。

 長野から1時間40分ほどの「妙高1号」の旅は、雪景色あり、雪山あり、スイッチバックあり、列車交換ありの、ちっとも飽きさせず眠くさせない、楽しいものでした。特急「あさま」として活躍した特急型車両で走る、指定席もあるちょっと不思議な普通列車妙高」、ホント、乗りドクです(^^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818172413.jpg ▲「妙高1号」、少々遅れて終点直江津6番線に到着。