毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

熊本のうまいモノ(ニッポンの秋を探して・その35)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818153201.jpg ▲熊本空港ターミナル3階「りんでん」の「だご汁定食」。

 2011年11月7日、九州食べ納め。

 熊本空港で羽田行きのフライトに乗るまでまだ少し時間があります。羽田到着後は短い時間での乗り継ぎが続くことになっているので、今のうちに夕食を食べてしまおう!ということになり、ターミナル3階にある「りんどう」というお店に入りました。「熊本の名産をふんだんに取り入れた熊本らしさ溢れる和食が勢ぞろい。四季折々の熊本の味が楽しめます」が宣伝文句。九州からの去り際に熊本名物をいただきましょうか!
 
 というわけで、まずはプレミアム・モルツ!短い旅でしたがおつかれさんでした!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818153151.jpg ▲熊本空港ターミナル内「りんでん」でまずはプレモル

 このプレモルとセットになってオーダーしたのは「晩酌セット」。竹で編んだざる盆の上に、ビールにぴったり合う熊本や鹿児島の肴が満載です。セットになっているのは「枕崎産カツオのたたき」「からし蓮根」「一文字くるくる」、そして熊本らしく「馬の竜田揚げ」の4品。いずれも普段お目にかかれない熊本、鹿児島の特産品ばかりです。って「一文字くるくる」って何だ??

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818153156.jpg ▲熊本、鹿児島を満喫の晩酌セット。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818153236.jpg ▲馬肉は青森県五戸産のが日本一と思ってるけど、熊本馬の竜田揚げももちろんウマイ。

 枕崎のカツオは2008年7月に枕崎の漁港で食べて以来3年4ヶ月ぶり(そのときの記事はコチラ。あのときのカツオのたたきもうまかったけど、この日のたたきもうまし。ニンニク醤油ではなく、もみじおろしとワケギでお上品に。

 熊本と言えばからし蓮根。その発祥は、今から300年も前、細川家が肥後五十四万石の太守となって豊前から入ってきた頃、熊本藩主細川忠利が生来病弱だったことから、耶馬溪羅漢寺の禅僧・玄宅が蓮根を食べるよう勧め、藩の賄方平五郎が編み出したのが最初とか。蓮根を輪切りにすると細川家の家紋(九曜紋)と同じ紋が現れるということで細川家はいたく喜んだとか。そんな歴史のある熊本名物のからし蓮根、その外側の黄色いのもカラシだと長い間ずっと思い込んでいたのは他ならぬ僕です!お恥ずかしい!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818153227.jpg ▲枕崎産カツオのたたき。枕崎のカツオは3年4ヶ月ぶり。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818153241.jpg ▲外側の黄色いのは揚げ衣だそうです!知らなかった!

 ところで「一文字ぐるぐる」。これも熊本の郷土料理で、ワケギをさっと茹でて氷水にくぐらせ、根元を軸に葉の部分をぐるぐる巻きつけたものを酢味噌につけたもの。ぬた好きにはたまらんなあ。

 さて、相方が注文したのはこれまた熊本名物の「だご汁定食」。「だご汁」の土鍋、「たかな飯」、自家製豆腐、からし蓮根、一文字ぐるぐる、辛子高菜、そして根菜の煮物と、ボリューム満点です。

 よしでは看板の「だご汁」。よく行く大分臼杵でも見かける「だんご汁」と同じもののようですが、熊本では「だご汁」と呼ばれるらしい。食べるのは今回が初めて。
 
 「だんご」と言えば僕の中では「月見団子」とか大福とかまんじゅうとか甘味系のものしか思い浮かばないのですが、こちらで「だご」と言えば小麦粉の平たい麺のことで、それを味噌や醤油仕立ての汁でゴボウ、ニンジン、鶏肉などと一緒に煮て食べるのだそうです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818153208.jpg ▲「だご汁」、ぐつぐつと煮立ってきて、いいにおい!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818153247.jpg ▲小碗によそって「だご汁」をいただきます!

 つまり「だご汁」とは、いわゆる「すいとん」とか山梨の「ほうとう」、我が青森の南部地方から岩手県北にかけての「ひっつみ」のことなんですね。

 ここ「りんどう」の「だご汁」は、鶏肉のうまみがにじみ出た透き通ったしゃっきりとした醤油スープで、見るからに美味しそう!野菜もたっぷりでヘルシー感バツグンです!

 野菜と言えば、根菜の煮物の小鉢もありまして、これがまたオイシイ。まん丸い里芋に乱切りのニンジン、ゴボウ、タケノコ、シイタケにグリーンピースが添えられた旨煮で、これまたヘルシー。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818153221.jpg ▲里芋と根菜たっぷりの野菜の旨煮。

 女性なら「だご汁」の「だご」だけでおなかいっぱいになりそうな定食ですが、主食もしっかり付いています。それは「たかな飯」。これも熊本の郷土料理だったなんて知らなかった。熊本名物というか、阿蘇名物なんですね。細かく切った高菜をしっかり炒めた後に炒り卵とご飯を混ぜてさらに炒め、ゴマ、塩、醤油等の調味料で味付けをするというのが阿蘇で生まれた元祖たかな飯のレシピらしいです。「りんでん」のはおにぎりになっていて、炒り卵も混ぜられていたか記憶が定かでないのですが、てっぺんに錦糸玉子が散らしてあり、熊本での最後の食事の〆めとしておいしくいただきました。

 というところでちょうど時間となりまして、18:00発のANA648便で東京羽田を目指します。11月5日の臼杵竹宵、6日の佐賀関、長湯温泉、そしてこの日7日の阿蘇山と、短いですがとても充実した旅でした。九州、また旅に来たいですね!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818153218.jpg ▲今回の九州旅行の〆めは阿蘇名物「たかな飯」。