毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

隼人行き2929D(酷暑の夏休み帰省レポ・その26)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165528.jpg ▲「はやとの風4号」が走り去ったあとに伸びる一条の鉄路。

 2012年8月16日、都城発吉松経由隼人行き。

 特急「はやとの風4号」が走り去って山の中へ消えてしまうと、周辺には再び静けさが戻ってきました。嘉例川駅から「はやとの風4号」に乗り込んだ人もいるのか、あるいは「はやとの風4号」の発着時間に合わせて駅舎を見に来ていた人もいたのか、「はやとの風4号」が去ってしまうと、待合室には誰もいなくなってしまいました。高い天井、木のベンチ、明治の頃から変わらぬ待合室がそこにはありました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165554.jpg ▲誰もいなくなった待合室は109年前のまま。

 さっき「はやとの風4号」が走り去ったほうにも踏切があるのですが、その反対側の隼人方にも、ホームからしばらく歩くと踏切があります。今度はそっちのほうへ歩いて行ってみます。さっきバスを降りて歩いてきたときに通った新しい駐車場の下のあたりに、地図で見ると餅田公民館のある集落のほうへ行く道が線路を横切っていて、ここに踏切があります。線路はこの踏切を過ぎると右へカーブしながら、さっきのバス通り(県道56号線)の下をくぐって下り勾配を下って行くようです。

 この踏切から駅までは200mぐらいしょうか、ここから眺めると、一軒家の駅舎とまっすぐのびる一条の鉄路は、周囲の濃い緑に本当に埋もれてしまいそうに見えます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165532.jpg ▲隼人方の踏切から嘉例川駅を眺めます。

 この踏切、当然のことながら遮るものが何もないので、強烈な日差しがぎりぎりと降り注いできます。こりゃいかん、日に焼ける(^^ゞ。踏切を渡ってすぐのところには普通の民家があるし、炎天下の踏切を一人でうろうろしていたのではただの不審者である。

 しかしワタシはここを離れるわけにはいかない。もうすぐ次の列車がやってくるから(^^)。

 そろそろ熱射病危険ゾーンに突入かと思われた頃、遠く彼方から嘉例川駅へ近づいてくる列車を目視。さっき走り去った「はやとの風4号」と隣駅霧島温泉駅で交換してきた都城発吉松経由隼人行き普通列車2929Dが嘉例川駅に到着したのです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165537.jpg ▲隼人行き2929Dが嘉例川駅に到着しました。

 都城と隼人は日豊本線経由ならわずか44.9kmで特急なら50分程度の距離ですが、それを吉松経由で結ぶ普通列車が走っているのはおもしろいですね。走行距離は99.0kmと倍以上になり、時間も3時間近くかかります。

 そんな吉松経由の都城~隼人直通列車の2929Dは、単行気動車でやってきました。車両は鹿児島車両センター所属のキハ40-8098。エンジン音を轟かせて僕の立っている踏切を通り過ぎ、右へカーブを描きながら、濃緑の森の中へと姿を消していきました。こういう列車にのんびり揺られて長旅がしたくなります。もうすぐ午後3時、日差しはますます厳しくなってきたようです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165543.jpg嘉例川を発車して目の前を通り過ぎていく2929D。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165547.jpg ▲右へカーブしながら勾配を下り、森の中へ埋もれるように走り去ります。