毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

「はやとの風4号」(酷暑の夏休み帰省レポ・その25)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165453.jpg嘉例川駅に入ってきた観光特急「はやとの風4号」。

 2012年8月16日、ひたすらに夏空。

 それにしてもさすが南国鹿児島、青森人の僕にとってはハンパじゃないです。湿度が低いのでからりと晴れ上がった青空の下の暑さは爽やかで、日陰を吹き抜ける風は涼しく感じるほどですが、なんと言っても日差しが厳しい。じりじりとまさに焼け付くような日差しはやはり南国ならではなのでは。

 駅前広場の向こうに見かけた自動販売機で飲み物を購入して水分補給!まじめに水分を摂取しないと本当に脱水症状になりそうな日差しの強さなんですよ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165438.jpg ▲駅とは気づかずに通り過ぎていまいそうなたたずまい。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165442.jpg ▲今年の夏に見た中でもっとも夏らしい空でした。

 開業100周年を迎えてすっかり人気の観光スポットとなった嘉例川駅、そのみごとな木造駅舎だけではなく、草がむし、樹木が生い茂るようになった島式ホームのたたずまいはたくさんの列車が行き交った往時を偲ばせて素敵ですし、鹿児島空港を発着する飛行機が遠いエンジン音とともに夏空に時折姿を見せるのも風情があります。駅舎を古建築物として見学しに来るというよりは、お弁当を作って、ホームに面した駅舎の軒下のベンチに腰掛けてのんびりお弁当を食べに来たくなる場所だなあと思いました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165447.jpg ▲かつての島式ホームは森に還ろうとしているようです。

 遠くから踏切の音が聞こえてきました。列車がやってくるようです。

 深緑の緑の中から姿を現したのはJR九州自慢の観光特急、6024D「はやとの風4号」でした。あいかわらずこの漆黒の車体がシブイぜぇ。

 「はやとの風4号」は嘉例川到着が14:15で、5分間停車して14:20に発車していくというスケジュール。7年前に初めて嘉例川駅を訪れたときは「はやとの風2号」に出会ったのを思い出しました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165507.jpg ▲「はやとの風4号」は嘉例川駅で5分停車。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165502.jpg ▲夏休み&お盆休みのさなかだけに家族連れでの利用が多いみたい。

 特急「はやとの風」は、2004年3月13日の九州新幹線新八代~鹿児島間開業に合わせて運行を開始した観光特急。鹿児島中央と吉松を日豊本線肥薩線経由で結んでいます。車両はキハ40を改造したキハ147-1045とキハ47-8092の2両編成で、キハ147-1045が先頭に立っています。漆黒の外装とウッディな内装はまさにJR九州の面目躍如といった感じ。観光列車ですから、嘉例川駅では5分停車して、駅舎の参観や写真撮影ができるようになっています。夏休みとお盆休みの期間だけに、乗客は子ども連れの家族で乗車している人たちが多いですね。車で嘉例川駅を見に来ていた人たちも、「はやとの風」停車中はその周りに集まって撮影タイムです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165511.jpg ▲先頭車両のキハ147-1045。真っ黒の車体は眩しすぎる日差しの中では写真に撮りにくい。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165515.jpg ▲長いホームの端っこから眺めるとまるで一幅の水彩画のよう。

 この線路を多くの列車が行き交い、嘉例川駅も活気に包まれていたことを偲ばせるもう一つのアイテムは、この長いホーム。せいぜい2両か3両編成の列車しか来なくなった今ではまったく無用の長物でしかありませんが、かつてこのホームいっぱいに列車が停まった頃のことを想像するとなんかわくわくします。

 そのホームの端っこに立って「はやとの風4号」の発車を見送ります。乗客たちが駅舎の見学を済ませて全員車内に戻ると発車時間。ディーゼル車両らしい白煙を上げ、エンジン音を轟かせて、「はやとの風4号」が長いホームをゆっくりと滑ってきます。そして再び濃緑の山の中へと消えていった「はやとの風4号」、終点吉松では人吉行きの1256D「しんぺい4号」に接続しますから、多くの乗客が「しんぺい4号」に乗り継いで人吉まで行くんでしょうね。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165520.jpg嘉例川駅を発車した「はやとの風4号」。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165524.jpg ▲濃緑の深い山の中へと吸い込まれていきます。