毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

バスで行く嘉例川駅(酷暑の夏休み帰省レポ・その24)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165309.jpg ▲僕一人を降ろしてバスは去っていきました……

 2012年8月16日、九州スイッチ、温泉峠。

 鹿児島空港からいちばん近いJRの駅は、古い木造駅舎で有名な肥薩線嘉例川駅。僕もまずはこの駅に向かうバスに乗ります。

 鹿児島空港発のバスで嘉例川駅に立ち寄るのは隼人駅行きのバスで、14:15発のに乗ろうと計画していたのですが、霧島行きのバスも嘉例川を通ることがわかりました。駅には入りませんが、駅の東側を走る県道56号線の肥薩線の線路を跨ぐ手前にバス停があり、バス停から駅まで徒歩でもすぐに行けるとのことなので、13:40発の霧島行きに乗ることに決定!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165341.jpg ▲7年ぶりに訪れたJR肥薩線嘉例川駅

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165323.jpg ▲駅舎前に鎮座する立派な立木は何の木かな?青空がまぶしいです。

 鹿児島空港から嘉例川バス停まで10分弱!なんて近いんでしょう!

 嘉例川駅を訪れるのは2回目。前回は7年前の2005年11月でした。こんな真夏にやってくるのはもちろん初めてです。

 嘉例川でバスを降りたのは僕一人。炎天下に放り出された僕を残して、バスは静かに去って行きました。じりじりと厳しい日差しが容赦なく降り注ぐ中、僕は嘉例川駅へと歩いて行きます。県道56号線からすぐに西へ折れる小道に入って少し行くと、嘉例川駅を見に来る団体さんの乗用車やバスのために整備されたのでしょう、新しくて広い駐車場があります。隼人駅行きのバスが停まる嘉例川駅バス停もこの駐車場にあります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165345.jpg ▲七夕の短冊がなびく嘉例川駅入り口の軒先。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165335.jpg ▲この駅名標は新しいものでしょうけれど、立派な毛筆の字体ですね。

 少し高台になったその駐車場から線路に沿って散策道が設けられていて、駅舎に至ります。手前は広場になっていて、おじいちゃんおばあちゃんたちが元気にゲートボール中。ちょっとみなさん、だいじょうぶですか?熱中症になりますよ!

 この広場を通り過ぎると、JR肥薩線嘉例川駅にたどり着きます。前回来たのはそろそろ紅葉が始まるかなという頃でした(その時の記事はコチラが、今回は真夏も真夏、深緑の木々に覆われた酷暑の嘉例川駅です。入口とホームに面した軒先には、地元の子どもたちが一所懸命作ったんでしょうね、七夕の短冊飾りがいっぱい吊されていて、風に吹かれてかさかさと揺れています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165429.jpg ▲ホームに面した屋根の軒先にも七夕飾りがゆらゆらと。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165319.jpg ▲ホーム側の軒の柱の駅名標は風雨にさらされて褪せています。

 嘉例川駅の開業は1903年。木造駅舎がそのままの姿で残ってもう109年目です。2003年に開業100周年を迎え、九州新幹線開業に合わせたダイヤ改正で観光特急「はやとの風」が運行されて嘉例川駅で写真撮影などができる停車時間を設けたりして、嘉例川駅を知る人は急激に増えましたが、開業100周年から9年が過ぎた今も、嘉例川駅を訪れる人は多いようです。僕がここにいた間もたくさんの車やバスがやってきては、たくさんの人たちが嘉例川駅を探訪していきました。本当は列車に乗って訪ねて来てくれるともっといいんですけどね!(^^)

 「嘉例川駅開業百年記念碑」も駅舎前の立木の陰で健在です。「肥薩路に 汽笛なるなり 百周年」という記念句も刻まれています。なんとなく「柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺」に似ているのは気のせいでしょう(^^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165314.jpg ▲駅舎のホーム側の壁にかかる駅名標

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165357.jpg ▲立木の陰には「嘉例川駅開業百年記念碑」。

 特急「おおよど」や急行「えびの」などが走っていた頃は、嘉例川駅ももともとは2面3線構造で、たくさんの列車が行き交っていたことでしょう。現在は駅舎に面した単式ホーム1線が使われているだけですが、草むした島式ホームも残っていて、往時を偲ばせるようです。
 
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165434.jpg ▲草むした島式ホームが残っています。

 嘉例川駅ももちろん以前は有人駅だったわけですが、今は無人。そしてかつて駅事務室だったスペースには、嘉例川駅に関わるナツカシイ物たちが展示されているというか、ただ単に置かれているというか(笑)、ま、簡単な陳列館になっています。古い写真なんかはちゃんとパネルに貼られて展示されていますが、隣の霧島温泉駅がまだ霧島西口駅だった頃の駅名標など各種駅名標は壁に立てかけてあるし、通票受器なんて支柱が折れたまま床に寝っ転がしてあって、陳列室なのかただの物置なのかよくわからない状態です(^_^ゞ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165422.jpg嘉例川駅の懐かしい姿を写した写真の展示。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165402.jpg ▲古い駅名標と寝転がしたままの通票受器。

 嘉例川駅で実際に使われていたタブレット閉塞機(通票閉塞機)も展示されています。展示されているというよりは、使い終わったあとそのままそこに置きっぱなしにしてますって感じですが(^^ゞ。

 おっと、壁には、JR九州九州新幹線「つばめ」利用促進策の一つとして2007年から始めた「鹿児島スイッチ」キャンペーンのイメージタレントとして起用された女優の小西真奈美さんのポスターが貼ってあるではないですか。小西真奈美さんはもともと薩摩川内市出身の薩摩っ子だったのだ。小西真奈美さんと嘉例川駅名物名誉駅長さんが写った「温泉峠。」のポスターですね。小西真奈美さん、好きだなあ。最近は何に出てるんだろうなあ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165416.jpg ▲列車の行き来が盛んだった頃に使われていたタブレット閉塞機もそのまま残る。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818165412.jpg九州新幹線キャンペーン「鹿児島スイッチ」で小西真奈美さんを起用したポスター。