富山ブラック雑炊(酷暑の夏休み帰省レポ・その8)
▲初めて食べた「大喜」の「中華そば」。黒い!ゴリゴリのブラックペッパーもうれしい。
2012年8月14日、血圧急上昇。
35℃超の猛暑日に富山駅へやってきた僕ですが、最初の用事はみどりの窓口でJRのきっぷを買うこと。しかし、改札を出てみるとみどりの窓口にはコンコースに人があふれるほどの長蛇の列ができていて、とても急ぎではない僕のきっぷなんか気が退けて買えそうにない雰囲気。京阪神での豪雨による北陸本線の乱れに対応するお客さんが優先でしょうから、僕は遠慮することにしました。
となると、まだ11時を回ったばかりですが、先にランチということになりますか。駅から近いところでどこか、と考えてはっと浮かんだそのお店、まだ入ったことはないので行ってみましょう。
▲駅前にありながら少しひっこんでいてなんとなく控えめ。
駅前の通りを少し歩くと、駐車スペースを前にして少し奥まったところにあるのが「西町大喜」。いわゆる「富山ブラックラーメン」を最初に作ったとされるラーメン店の駅前店です。
のれんをくぐって中に入ると、いちばん手前にテーブル席がある、奥の方へ細長くカウンター席が続いています。開店直後だったせいか先客はなく、僕はカウンター席に陣取ります。
ラーメンのメニューは「中華そば」のみ。盛りは「小(並)」「大」「特大」とあり、サイドメニューとして「ごはん」「生玉子」「大喜特製チャーシューメンマ」があるだけです。家の者から「富山ブラックっていうのは『おかずラーメン』だから、ごはんも必ず注文するものである」とのレクチャーを受けてきたので、中華そばの大とごはんをオーダーしました。
▲店内奥のカウンターから入口方向を望む。
▲ラーメンメニューは「中華そば」のみ。
ぼちぼちとお客さんが入り始めて席が埋まってきた頃、僕の中華そばとごはんが配膳。おー、ここも「麺家いろは」に劣らずスープが真っ黒ですぞ。さっそくいただきます。
「富山ブラックは『おかずラーメン』である」と言われてもどういうことかよくわかっていませんでしたが、この真っ黒いスープをひとくち飲んでみて判明。このスープ、超しょっぱい!まるで醤油そのもの!。血圧急上昇!これは確かにごはんがなくては食べられないであろう。メニューに麺の硬さとともにスープの濃さも「ご自由にお申し付けください」と書かれてあるのもナットク。この中華そばを単独で食べたいならば、スープはかなり薄くしてもらわなければならんでしょう。
▲中華そば大とごはんが配膳。
もともと「富山ブラックラーメン」とは、1955年頃に、富山市中心部で富山大空襲の復興事業に従事していた食べ盛りな若者や汗をかく肉体労働者のための塩分補給として、白飯を添えて食べることを意識した醤油を濃くしたスープのラーメンをが作られたのが起源なのだとか。これを最初に編み出したときには屋台だったのを、後に屋号を「大喜」として富山市西町に店を構えたのがこのお店の始まりというわけです。当初は「客が店に白飯を持ち込み、ラーメンをおかずとして食べる」というスタイルだったそうなので、発祥の地である「大喜」西町本店では現在も「ごはん」はメニューにないそうです。
それにしても、真っ黒だけどあっさり味の「麺家いろは」とはあまりに味が違います。「大喜」の中華そばは、真っ黒なぶんだけしょっぱい!という感じ。トッピングはメンマにチャーシュー、そしてぶつ切りと言ってもいいほどの刻みネギ。チャーシューはとろけるタイプではなく、よく噛みしめるタイプ。僕はこっちのほうが好み。大量にふりかけられたブラックペッパーも好もしいです。
▲麺はちょい太めのストレート。黒く染まってます。
▲チャーシューとメンマもリフトアップ!
創業当時の店主の直弟子がのれん分けしたのが「大喜・根塚」で、それ以外の西町本店・駅前店・二口店・中島店・大島店は富山市内の食品会社が経営母体となった言わば「大喜・フランチャイズ」が展開するお店だそうで、創業当時の味とは違うとか大きく変わったとか諸説紛々とあるようですが、よそ者の僕にはそのような経緯は置いといて、初めてのこの日が僕にとって「大喜」のすべて。
それにしてもこの味の濃さ、というかしょっぱさは、好みが分かれるでしょうねえ。僕はもともとなんでも味付けの濃い青森人ですから、こういう味は大好き。くせになる。そして「おかずラーメン」ということならこれもアリでしょうと思い、麺を先に食べ終えて、そこへ白飯を投入!この濃い味スープで「富山ブラック雑炊」にしてみたのですが、これも大いにアリ。おかわりしたくなりました!(^^)
▲白飯投入で「富山ブラック雑炊」。見た目はともかく、また食べたい!!