毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

いきなりだんご(ニッポンの秋を探して・その31)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152928.jpg阿蘇神社の拝殿。この日は天気に恵まれました。

 2011年11月7日、熊本名物。

 瀧廉太郎が幼少時代に遊んだという竹田の岡城を散策したあとは、レンタカーで豊後街道国道57号線を西進し、宮地へと向かいます。途中県境を越えて熊本県に入り、それから少し行くと豊肥本線宮地駅に出て、そこから駅前道路をまっすぐ北へ上がると、阿蘇神社です。

 2005年8月に初めて宮地駅を通ったときに、近くに阿蘇神社というのがあるというのを知り、そのときは乗換えだけだったので訪れる時間がなく、いつかゆっくり訪れてみたいとずっと思っていた阿蘇神社、今回ついに訪問が実現したのです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152914.jpg阿蘇神社楼門正面。日本三大楼門の一つ。

 阿蘇神社は「孝霊天皇9年6月、健磐龍命(たけいわたつのみこと)の子で初代阿蘇国造に任じられた速瓶玉命阿蘇都比古命)が、両親を祀ったのに始まると伝えられる」とのことですが、孝霊天皇っていつの人よ?(笑)と思って調べてみると、孝霊天皇9年って紀元前281年頃らしい。これはかなり古い!健磐龍命が一宮、その妃神で土地の神の阿蘇都比咩命が二宮など、「阿蘇十二明神」と総称される全部で12柱の神様を祀っているそうなので、中はなかなか混み合ってるんですな(笑)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152923.jpg ▲「阿蘇十二明神」を祀っております。

 阿蘇神社のいちばん手前にある楼門は「日本三大楼門」の一つ(他の二つは茨城県鹿島神社と福岡県の箱崎宮)。高さ21mの二層楼山門式の楼門は、近づくと本当に圧倒されそうになる大きさ。神社には珍しくこの楼門は仏閣様式です。現存する楼門は1849年に再建されたものですが、その構法や彫刻には江戸時代末期の建築的特色がよく現れているそうです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152937.jpg ▲近づくとのしかかってきそうなその大きさと重厚さに思わずため息が出そうなほど。

 この日は前日までの雨が上がって気持ちのよい青空が広がりました。阿蘇神社境内には色づき始めた見事な樹木が立っていて、青空に映えています。

 その中に「阿蘇高砂の松(えんむすびの松)」というのがありました。女性は右から2回、男性は左から2回まわると御利益があるのだとか。よしっ、さっそくまわろう!!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152932.jpg ▲色づき始めた樹木が青空に映えます。手前が「高砂の松」。

 ところで、熊本と言えば食べずにいられないものが僕にはあるんですが、それが「いきなりだんご」。7年前に初めて熊本を訪れたとき、確か熊本駅構内の売店だったと思いますが「いきなりだんご」なる郷土スイーツに巡り会い、それ以来大好物になってしまいました。熊本へ来たならば絶対はずせない食べ物です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152941.jpg ▲熊本名物「いきなりだんご」の外観。

 熊本のお土産屋さんなどではその場で蒸かしているものが売られていることが多く、蒸かしたてのあつあつが手軽に食べられるのがうれしいのですが、しかし今の今までどうしてこの郷土スイーツが「いきなりだんご」と呼ばれるのか知らなかったので、ちょっと調べて見ました。

 Wikipediaによれば「輪切りにした生のサツマイモを小麦粉を練って平たく伸ばした生地(団子)で覆い隠す様に包んでいき、蒸し器等で蒸かしてそのまま食べる菓子」とのこと。しかし現在はサツマイモの輪切りだけでなく小豆餡も入れるのが普通のようです。決して甘すぎず、サツマイモのほっくりと皮の生地のもっちりがあいまって、オイシイ!!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152910.jpg ▲サツマイモの輪切りが入っているので外形がなんとなく段々になっている。

 で、「いきなりだんご」という名前の由来は?

 ・短時間で「いきなり」作れる。
 ・客がいきなり来てもいきなり出せる菓子。
 ・生の芋を調理する「生き成り(いきなり)」と言う語句から。
 ・熊本方言に片付けが苦手な人を「いきなりな人」と言い、転じてざっとしていることを指し、ざっと作れる菓子との説。
 ・「いきなり」とは地元の古い方言で「簡単」という意味があり、「簡単に作れる団子」の意。

 さて、どれが正しい説でしょう。おいしいからどれでもいいけど(^^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152905.jpg ▲サツマイモの輪切りで小豆餡をはさんだサンドを生地で包んで蒸かしたという構造。