端午節は台風4号とともに(その16;「花まき」って何?)
▲温かい蕎麦も食べましょう。これは「かしわ」。
2012年6月23日、秋田色の701系。
4人のうち2人は「大ざる」と「天ざる」の冷たいものをいただきましたが、もう2人は温かいのをいただきましょう。
まずは「かしわ」。どうやって切ったらこんな大きい肉片になるんかなと思うような大きな鶏胸肉3枚ともも肉のかたまりが蕎麦が見えないぐらいに乗せられて、ネギが添えられてます。でも少しも脂っこさはなく、つゆはあくまでもすっきり。蕎麦は「ざる」と同じ細めの麺なので、温めたものだと少々柔らかく感じます。
▲「かしわ」の麺も細麺です。鶏もも肉とともにリフトアップ。
もう一品は「花まき」。
江戸における蕎麦の世界は風流なものでもあり粋なものでもあるようで、「蕎麦屋で酒を飲む」なんて粋なことができるようになったらいいなと憧れてはおるんですが、まだまだです。そんなわけで、「花まき」という蕎麦は、このときまでまったく知りませんでした。
「花まき」とは「花巻そば」のことで、熱々のかけそばの上にちぎった焼き海苔をのせたそばのことなんだとか。上等の浅草海苔の磯の香りとそばの風味、あぶった海苔が汁に渾然一体となって溶け込んだ何ともいえない味が楽しめる、蕎麦の品書きの中でもとりわけ「粋」なものらしいです。
▲「高砂」さんの「花まき」はこんな感じ。
磯の香を存分に堪能するのが「花まき」の醍醐味なので、薬味は普通は何も添えないか、もし添えるならわさびだけにするものなのだそうです。非常に淡白な風味を味わうものだけに、最近では注文が少なくなった品書きの一つになっているとか。
弘前「高砂」さんの「花まき」は、そこに独自のアレンジを加え、ちぎり海苔のほかに、たっぷりのカツオ節とたっぷりのダイコンおろしが添えられていて、刻みネギはなし。「高砂」さん流の「花まき」もこれまたうまし、です。
▲これまたおいしい「高砂」さんの「花まき」。
おいしい蕎麦をたっぷり食べて「高砂」さんをあとにします。このあとは僕は知人とは別れて青森へ帰ります。親方町にある「高砂」さんから弘前駅までは約1.8kmあり、ぶらぶら歩いて行くとちょうどいい腹ごなし。ただこの日は6月にしてはけっこう暑くて日差しも厳しく、けっこう汗ばみました。
▲すっかりおなじみ、秋田色の701系。
弘前駅にたどり着いてみると、14:29発の青森行き普通列車657Mに乗れそうです。車両はすっかりおなじみ、秋田色の701系。盛岡色の701系が全部青い森鉄道へ譲渡されモーリー色になってしまったそうなので、青森口で見られるJRの701系のカラーリングはこれだけになったんですね。
この日の657Mは青森方がN35編成、弘前方がN22編成の4両編成。川部で青森発弘前行き普通列車658Mと交換し、鶴ヶ坂で8054M特急「つがる54号」と交換しながら、終点青森には15:18に到着です。
▲やっぱりLED表示じゃなくて巻き取り式のほうがいいですよね?
▲青森方はN35編成。終点青森までは49分間の旅。