毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

温泉糖(ニッポンの秋を探して・その28)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152700.jpg ▲長湯温泉にしかない、ふわっと溶けてほのかに甘い「温泉糖」。

 2011年11月7日、飲泉文化。

 丸長旅館では朝食が済むと食後にコーヒーが出されます。素焼きの濃い朱色のカップや器は僕にはもうすっかりおなじみ。モーニングコーヒー、うれしいです。

 砂糖壺に入っているものは、これまたおなじみ、「温泉糖」です。「長湯」バス停のすぐ近くにある創業80年の老舗菓子屋「三村製菓舗」さんだけが製造している長湯温泉名物。長湯温泉の炭酸泉と砂糖と卵白で作る砂糖菓子で、ごく軽い歯触りで口の中でシュワーッと溶け、後味もさっぱりした甘さが特徴。そのまま食べてもいいし、コーヒーや紅茶に砂糖代わりに入れてもOK。おみやげにも最適です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152657.jpg ▲朝食後はモーニングコーヒーでまったり。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152706.jpg ▲一見カルメ焼きのような「温泉糖」。ここでしか味わえません。

 食後は荷物をまとめて、出発の支度。今回もどうもたいへんお世話になりました。……と、いつもはこのあと坂を上ってバス停に出てバスで豊後竹田駅へ向かうのが通例ですが、今回は珍しくレンタカーで来ているので、そんなに時間を気にする必要がありません。レンタカーは今しばらく宿の前に置かせてもらって、もうすこし長湯温泉を散策してみたいと思います。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152709.jpg ▲和の情緒あふれる丸長旅館の玄関。今回もお世話になりました。

 まずは、芹川にかかる橋を渡って、「神の水」や炭酸泉が湧く「湯乃原天満社」へ。昨日も散歩で来ましたが、境内のイチョウの木があまりにみごとだったので、もう一回見たくなりました。すっくとまっすぐ天を衝くように立つ大きなイチョウの木はまだ完全には色づいておらず、緑色もまだ多く残っていますが、先に黄色く色づいた葉は散り急いだのか落ち葉となって足下を真っ黄色に染め、なんとも美しい色のコントラストを見せています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152714.jpg ▲長湯温泉をもうすこし散策。もういちど「湯乃原天満社」へ。

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                ▲「湯乃原天満社」の境内にそびえるみごとなイチョウの木。

 再び橋を渡って芹川沿いにしばらく歩くと、長湯温泉療養文化館「御前湯」があります。ここも長湯温泉の定番スポットで、公共浴場としては最大の施設です。もともとは江戸時代に岡藩の藩営温泉として始まったとされる「御前湯」、今では飲泉文化つながりでドイツとの交流も活発化し、「ドイツとの交流で生まれた日独異文化の融合、そして半世紀以上も前から今日に及ぶまでの町づくりの歴史を集大成する施設」となっています。だから建物の外観もドイツ風なんですね。

 玄関前には飲泉場があり、蛇口から流れる炭酸泉を竹で作った湯呑み杓子で飲むことができるので、朝ごはんを食べ過ぎて負担がかかっている胃を鎮めるべく、炭酸泉をごくごくごく………(^^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152727.jpg ▲1781年(安永10年)岡藩普請による新湯ができたのが始まりの「御前湯」。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152722.jpg ▲口に含むと「うえ~っ」となる味の炭酸泉、しかし良薬口に苦しなり(^^)。