毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

久々中国鉄路、湖南省をゆく(その5;酸辣牛肉麺)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215840.jpg ▲硬臥車の車内。発車前ということもあり通路は大混雑中。

 2012年6月14日、いよいよ発車。

 いよいよ僕もK9067/K9070次列車に乗り込みました。吉首から郴州まで824km、所要11時間08分の一夜の宿は12号車硬臥車2番下段です。

 最近中国の駅は、日本の駅と同じように列車のドアの高さと同じ高さのホームにしたところも増えてきましたが、吉首駅のホームは昔と変わらずかさ上げされていないので、車両のドア下のステップを3段ほど上って乗車します。

 車内は日本のB寝台車と同じく枕木方向にベッドが並び、窓側に通路があります。乗客や見送りの人々で通路は妙に混み合っていて、発車前のあわただしさを感じさせます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215850.jpg ▲僕の寝台なのに、誰かが遠慮なく座ってる……

 僕の寝台は2番下段なので、混み合った通路へ突入することなくすぐに到達。キャリーバッグを網棚に載せ、僕は寝台に座ろうとしますが、既に先客が座っております。まあ寝台は長いので端っこに別の人が座っていても、起きている間はそんなに気になりませんが、ここらへん、中国人はほんとに遠慮がないですね。発車前のあわただしさで中段や上段の人の居場所がないからしかたないんですが。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215854.jpg ▲下段寝台に寝っ転がって見上げる中段、上段方面。

 「硬臥車」は日本で言えば「開放式三段B寝台」に相当しますが、天井までの高さが日本の車両よりはるかに高いので、三段式寝台でも、下段に腰掛けて頭がつかえるなんてことはありません。日本の三段式寝台より空間にゆとりがあっていいです。

 定刻の18:56は過ぎましたが、なぜかまだ停まったまま。どうしたかな?

 なんだかわからないけど10分ほど待たされて19:07、さあ発車です。窓はちょっとだけ開けることができたので、その隙間から車窓の景色を長めながら、超久しぶりの中国夜行列車の旅のスタートです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215900.jpg ▲発車して20分後ぐらいの車窓の景色。豊かな緑や水で潤う景色は北京にはないですね。

 列車が発車してしまえば、中段、下段の乗客の多くは自分の寝台に納まったり通路側の簡易シートに腰掛けたりするので、僕の寝台に勝手に座っていた人もいなくなり、のびのびと足を伸ばして休むことができるようになります。空調はありませんが、窓を開けているので風が入ってまあまあ涼しいです。上段寝台の高さのあたりには小さな扇風機があって、からからと回って弱い風もたてています。

 外は徐々に日が暮れ、車内も薄暗くなってきます。日本の寝台車なら寝台一つ一つに読書灯がありますが、「硬臥車」の寝台には読書灯はないので、天井の電灯だけが頼りです。

 最初の停車駅は麻陽。定刻は19:45着、19:49発ですが、実際に到着したのは19:56。出発時の遅れを引きずっています。客車列車は停車すると本当に静かです。麻陽駅の反対側のホームに人影はなく、夕暮れ時の静けさがまったりと漂っているだけです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215906.jpg ▲徐々に日が暮れ、車内も薄暗くなってきました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215912.jpg ▲反対側のホームには人影がなく静まりかえっている麻陽駅。

 麻陽駅を出て約40分で次の停車駅は懐化。

 懐化はこの沿線では比較的大きな駅で、少々停車時間もあります。僕もここではホームに降りてみることにしました。

 ホームにはほとんど灯りがなく、はっきり言って暗すぎです。遙か前方の「硬座車(普通座席車)」のほうは乗降客でざわざわしているのかもしれませんが、硬臥車が連なる後方は乗客の出入りはほとんどなく、落ち着いています。

 ホームの反対側には薄いグレーにオレンジ色の帯が入った客車が連なる列車が停車中。行き先表示サボには「懐化~上海南 K1374/5/4」と書かれています。K1374次列車の懐化出発時間は14:27ですが、だとすると、これは懐化に18:00に到着したK1373/K1376次列車でしょうか。これが明日折り返しでK1374次列車になるのでしょう。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215919.jpg ▲10分弱の遅れで20:38頃、懐化到着。ホームにはほとんど灯りがなく、暗すぎだよ。

 ホームを少し前方まで歩いて行ってみると、売店がありました。そう言えば夕飯をまだ食べていなかったので、カップラーメンを一個購入。5元(=約60円)の「酸辣牛肉麺」。「ホット・アンド・サワー・ビーフ・ヌードル」ってところですか(笑)。中国のカップラーメンには中に必ずプラスチックの小さいフォークが入っているので、箸などを持ち歩いていなくても心配ナシ。懐化は定刻より14分遅れて20:54の発車となりました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215924.jpg ▲懐化駅ホームの売店で買った5元のカップラーメン。

 硬臥車には寝台の区画ごとにテーブルの下にポットが備え付けてあるので、お湯には困りません。しかし、僕の区画に置いてあったポットにはなぜかフタがなく、お湯も入っていない(涙)。こういう場合は、お湯を汲みに行かねばなりません。何両か起きにデッキ脇に石炭を焚いた湯沸かしボイラーがあり、ここでは常時熱湯が沸騰中。ところがこの列車にはそのボイラーもない模様。その代わり、車輌の洗面所のところに給湯器がありました。ただし、この給湯器は保温機能がなく、食堂車かどこかで沸かしたお湯を入れておくだけ。よって中に入っているお湯は、時間が経つとぬるくなる。

 ポットに入れているときはけっこう熱いと思ったのですが、さあ、できあがりましたよ、カップラーメンが。いただきまーーす、ずるるっ、と食べてみたら、ぬるっっ!ぬるかったわ、やっぱり(涙)。ま、何も食べられずに夜が更けるよいいいけど。

 まだ午後9時になったかならないかの時間ですが、周りの寝台はほとんど既に爆睡モード。僕もカップラーメン食べ終わったら寝るとするか。明朝けっこう早いし。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215931.jpgカップラーメン、できあがりました。ぬるいけど(^_^ゝ。