毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

久々中国鉄路、湖南省をゆく(その4;824kmで131元)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215818.jpg ▲始発の吉首駅で発車準備の整ったK9067/K9070次列車。先頭はSS3-4184号機。

 2012年6月14日、車掌さんの赤いたすき。

 湖南省吉首発広東省肇慶行きK9067/K9070次列車は中国全土で26000両以上が製造された22型客車を基本とした昔ながらの、今となってはかなりレアになりつつある編成ですが、全部の車両が最もレトロ感のある「緑皮車」、つまり緑色の塗装の車輌というわけではありません。13号車のYW22-060346などは薄い水色をベースに窓周りはブルー、そして窓下には細い赤帯が入っています。この塗装は薄いグレー地にオレンジ色の窓周りと帯という塗装の車輌とともに90年代初めから目に付くようになった車輌で、この列車の編成にも何両か混在していました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215757.jpg ▲8号車から後方を望む。レトロ感あふれる「緑皮車」。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215802.jpg ▲こちら13号車から前方を望む。「緑皮車」の次に現れた塗装の一つ。

 先頭の電気機関車SS3-4184号機はいつの間にか客車への連結が終わり、発車準備完了です。角張ったいかついボディは見るからに古さを感じさせます(実際はそんなに古くはないのかもしれないけど)が、その武骨さからは、「男は黙ってサッポロビール、じゃなくて、黙って走るのみさ」という寡黙だけれど坦々と走ってくれそうな安心感がにじみ出ているような気がします。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215823.jpg ▲客車にしっかりと連結されて、前方を見据えるSS3-4184号機。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215811.jpg ▲吉首駅をもうすぐ発車。次に来られるのはいつのことか。

 僕もそろそろ乗車しないと、車掌さんにドアを閉められてしまいそうです。

 中国の列車は、原則として各車両に一人ずつ担当の車掌さん(列車員といいます)が乗務していて、手動式のドアの開け閉めなどを担当します。この列車でも、担当の車掌さんがドアの外に下りて、乗ってくる乗客の切符をチェックしています。水色のシャツに厳つい表情の車掌さんはピシッとしていますが、なぜか真っ赤なたすきをかけています。たすきにはなんの文字も入っていなくて、いったいこのたすきは何???って感じです(笑)。なんのためのたすきなんだ??

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215807.jpg ▲16号車担当の車掌さん。そのたすきはいったい何ですか?(笑)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215827.jpg ▲15号車の車両は硬臥車YW22B-666309。そろそろみんな乗車完了か。

 この列車の終点は広東省の肇慶ですが、僕が乗るのは湖南省最南端の郴州(ちんしゅう)までです。僕が割り当てられたのは硬臥車(開放式3段寝台)の12号車2番下段です。吉首から郴州までは824kmあり、所要11時間08分。これを寝台に揺られて、131元。これは日本円にすると約1,650円。安い!寝台車に900km近く乗ってこの安さ!これだから中国の鉄道旅行はやめられん!(笑)

 というわけで、僕も乗ります。車掌さん、ちょっと待って、まだドア閉めないで!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215833.jpg ▲今回の僕の切符。