毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

田植え直前!新緑の青森へ(その16;増21号車)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015508.jpg ▲「急行」「はまなす」「青森」の文字のそれぞれがいとおしい巻き取り式行き先表示幕。

 2012年5月24日、客車列車。

 札幌駅5番線で発車を待つ急行「はまなす」、その先頭に立つ機関車の顔をとくと拝見したあとは、青い客車のほうを見ていきます。

 この日牽引を担当するDD51-1138号機のすぐ後ろには、寝台車であることを示すエンブレムのついた1号車。通常ならその後ろには同じく寝台車の2号車がきますが、この日は1号車と2号車の間に寝台車が1両増結されています。それは「増21号車」。JR北海道ならではのナンバリングで、決して21両も車両が連なっているわけではないことはつとに有名。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015513.jpg ▲「増21号車」のB寝台車。もう1両増結すると「増22号車」?「増31号車」とかはないの?(^^)

 B寝台車3両のうしろの3号車は普通車自由席、そしてその次の4号車は、急行「はまなす」を最も特徴付ける1両で、その名も「のびのびカーペット」。カーペット敷きの座敷を頭の部分をカーテンで区切って一席ぶんとして、通常の急行料金と指定席料金だけで横になって行けるおトク車両。特に、8席だけある階上部分の席は完全に一人ずつのスペースになっているのでプライベート確保の度合いも高く、超人気席だそうです。

 僕が車両の中をのぞいたときはがらんとしてましたが、発車後の車内アナウンスでは「カーペット車は満席です」と言っていたので、5月下旬の平日に満席とは、その人気の高さにビックリです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015519.jpg ▲4号車は「はまなす」の最大の特徴である「のびのびカーペット」。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015524.jpg ▲カーペット側の窓は上段があるため小さめ。上段にも小窓があります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015458.jpg ▲5月下旬の平日でしたが、このあと満席になったようです。

 5号車、6号車は普通車指定席ですが、「ドリームカー」と呼ばれており、古い物ではありますがかつての特急グリーン車に使われていたシートを改造したシートが並び、急行券と普通指定券だけで乗れるので、これもまた乗りドクな車両です。ドア脇の号車札のところには「ドリームカー」のマークも描かれています。「指定席」のサボが差してあるのも今となってはなつかしい。ていうか、今この種のサボを差した列車って他にあるんですかね?

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015528.jpg ▲5号車はかつての特急グリーン車シートが並ぶ「ドリームカー」。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015533.jpg ▲今となってはとても懐かしい気がする「指定席」のサボ。

 そして最後尾7号車は3号車と同じく普通車自由席。「自由席」のサボが差してあるのがうれしいです。

 14系客車で自己発電ができるので、寝台車もつないでいますが電源車はありません。7号車が最後尾車両で、先頭のDD51に取り付けられたヘッドマークを同じデザインのトレインマークが掲出されています。こちらもなかなか色鮮やかでくっきりとしたトレインマークです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015538.jpg ▲7号車普通車指定席のサボ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015543.jpg ▲7号車は函館までしんがりを務めます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015548.jpg ▲やっぱり巻き取り式のトレインマークはいいですね。

 しかし、こうして先頭から最後尾までひととおり眺めてみると、車体の古さと傷みのひどさがイヤでも目に付きます。寝台車のほうはそうでもないですが、カーペットカーや座席車のほうは車体表面がぼろぼろと何カ所も剥げ落ちて、そこに青いペンキを上塗りして応急修繕してあり、もはやつぎはぎだらけの様相。痛々しすぎて見ていると涙が出てきそうになります。いつまでも走り続けてほしいけど、この車体を見ると、先は長くないかも?という気持ちにもさせられ、悲しくなってくるのでした。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015502.jpg ▲車体の傷みは激しく、どこもかしこもつぎはぎだらけ。