毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

田植え直前!新緑の青森へ(その14;北海道そば蕎麦紀行)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015400.jpg幌加内産蕎麦粉を使った「おぼろ昆布そば」。

 2012年5月24日、深名線を思う。

 さて、札幌に到着したワタシ、食料は既に新千歳空港で調達してあるのですが、ホームの階段を下りて改札内コンコースをうろついてみると、まだ開いているお店を発見。その名も「北海道そば蕎麦紀行」。22時までの営業らしくまだだいじょうぶ。店頭に掲げられた「今回は、北海道雨竜郡幌加内産」蕎麦粉を使用しております」の宣伝文句にこだわりを感じ、入ってみることに決定。

 店内は左側に厨房、中央がカウンター席、右側がテーブル席で、駅の立ち食い蕎麦店を全席着席方式にした感じですが、キレイで落ち着いた雰囲気があり、空いているこの時間帯なら落ち着いて蕎麦を楽しめそう。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015329.jpg ▲札幌駅改札内で見つけたお店「北海道そば蕎麦紀行」。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015346.jpg ▲カウンター席から厨房側を望む。バイトさんかな?女の子2人が明るく対応してくれます。

 カウンターは向かい合わせの対面式で、間に仕切りが設けてあり、その仕切りにメニューが貼ってあります。そのメニューの左端には「今回のお蕎麦は「幌加内産」です。日本最大の蕎麦耕地面積及び生産量を誇り、品質も風味・香り共に良く道内最高級と評価が高い。」とあります。メニューの隣には「蕎麦紀行マップ」もあり、鉄道全路線全駅が入った北海道全図に「本日のお蕎麦はこちらの産地でございます」という文字と幌加内あたりを指す矢印が書き添えられ、産地がどこなのか一目でわかるようになっています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015334.jpg ▲メニューには、その月に提供される蕎麦粉の産地が紹介されてます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015339.jpg ▲メニューの隣には蕎麦紀行マップもあって、産地の場所が一目瞭然。

 このお店は北海道キヨスク株式会社が運営するお店で、そのHPにもメニューにも「北海道のプレミアムな蕎麦の実を「単一産地」で仕入れ、その土地の特徴が伝わるよう、お作りいたしております。」という趣旨のことが書いてあります。蕎麦の主産地ならではのこだわりで、とてもおもしろいと感じました。

 もう一つおもしろいのは、カウンターの仕切りの上部にテプラで「入場券でご来店のお客様は、お会計時に160円を御飲食代金よりお引きいたします」という案内が書いてあること。HPにも同じ案内があるのですが、これはつまり、鉄道に乗る用はないがここの蕎麦は食べたいんだという客には、入場券分はお店が負担しますからどうぞいらしてくださいというなんとも粋なサービスではありませんか。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015351.jpg ▲入場券を買ってでも食べに行きたくなるお店なんでしょうなあ。

 僕が注文したのは「おすすめ」マークのある「おぼろ昆布そば」750円。なにげに昆布好きなのだ。

 待つことしばし、バイトさんと思われる女の子がおぼろ昆布そばの載ったお盆を持ってきてくれました。どんぶり表面のほぼ半分をおぼろ昆布が覆い、他にはかまぼこ、刻みネギ、ミツバが載っています。ミツバは中国にはないので、ミツバの香りと味に触れると「ニッポンだぜぃ!」(←スギちゃん風に)という気持ちになります(^^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015355.jpg ▲おぼろ昆布そば、配膳。おぼろ昆布もさることながら、ミツバがうれしい。

 つゆは真っ黒というほどではなく、東日本、北日本では標準的といったところでしょうか。麺は細すぎず、色合いは更科というほど白くはなく、蕎麦の風味がちょうどよい具合に立ちそうな打ち方とお見受けします。幌加内産と他産地との違いがわかるほど蕎麦に対する味覚は全然ないけれど、素直においしいです。幌加内と言えば、結局全線完乗を逃してしまった深名線を思い出すだけに、味わいはひとしお。そう言えば、コチラの記事でご紹介した深名線朱鞠内駅の入場券は「ソバ畑とキハ53」が描かれていました。深名線廃線跡をたどりながら、地元産の蕎麦を食べに行きたいなあ……

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015404.jpg幌加内産蕎麦粉を使って打ち上がった蕎麦がコレ。

 そしてこのメニューのオススメポイントであるおぼろ昆布は、函館産がごめ昆布を使用とのこと。がごめ昆布とは、室蘭から噴火湾沿いに靑森あたりまでの一帯、特に函館沿岸(函館、戸井、恵山、椴法華、南茅部)に主に多く生育する昆布だそうで、「ネバリ」が特徴。健康に良い成分といわれるアルギン酸やフコイダンなども豊富なのだとか。幌加内産の蕎麦と函館産のがごめ昆布のおいしいコラボを堪能いたしました。

 なお、6月上旬からの蕎麦粉は「新得産」だそうです。新得も有名な蕎麦の産地で、確か新得駅の駅蕎麦も有名ですよね!道産蕎麦を月替わりで食べ比べられるなんて、蕎麦好きにはたまらないお店、僕も毎月通えるものなら通いたいです。入場券で!(^^)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819015408.jpg ▲ねっとりと、しかし食感もしっかりしたたっぷりの函館産がごめ昆布とともに。