毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

3年ぶりに食べた「抻麺」

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215248.jpg瀋陽「老四季抻麺館」の基本メニュー「鶏湯麺」。老四季のは透き通ったスープが特徴。

 2012年4月22日、これが食べたかったのだ。

 この週末は久しぶりに遼寧省省都瀋陽市へ行ってきました。友人の結婚式に招待されたのです。

 昨日の日曜日の朝から昼にかけて行われたその結婚式が意外と早く終わったので、空港へ行く前にちょっと寄り道して食べたいものが。それは「抻麺」。抻麺を食べるなら、瀋陽人の瀋陽人による瀋陽人のための抻麺店「老四季抻麺館」が間違いがない。瀋陽駅付近からタクシーで光華路と十四緯路の交差点の角にある第5支店へ向かいます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215332.jpg 老四季抻麺館五部。

 「抻麺」とは、僕が瀋陽に住んでいたとき週3回はお昼に食べていた僕の大好物。瀋陽時代に食べた抻麺はコチラの記事でレポートしたことがありますが、瀋陽時代に食べに行っていたのは職場の近くにあった小さい食堂。抻麺はごく普通の食堂にもありますが、瀋陽の人に「抻麺食べたいんだけど」と聞くと10人中12人が「それなら老四季へ行け」と答えるような抻麺の権威というか専門店というか、それしかメニューがない店というか、それが「老四季抻麺館」なのであります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215322.jpg 正面奥にカウンター。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215327.jpg みんな食欲旺盛。

 瀋陽を離れてからも何度か瀋陽は訪れていますが、いつも抻麺を食べる機会がなかったので、今回の抻麺は僕にとって3年ぶりぐらいかもしれません。

 店内に入ると、正面奥にカウンターがあり、カウンターの向こうが調理場になっています。カウンターの左端がレジで、ここで注文し、レシートをもらって右にずれ、右側の店員さんにレシートを渡すと注文が入って、少し待つとできたものがトレイに載せられて完了。これを自分の好きな席へ持って行って食べるといういわばファストフードのセルフ式です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215312.jpg カウンターへ接近。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215318.jpg 大忙しの調理場。

 そもそも「抻麺」とは、「抻」が「引き伸ばす」の意味なので、つまり練った小麦粉を伸ばして作る手打ちうどんのことです。注文すると、前もって捏ねてある小麦粉の固まりから一人前を切り取って鮮やかな手さばきで細長く伸ばし、お湯が煮えたぎった大鍋の中へ放り込み、茹でること数分、特製スープを入れたどんぶりにあげて香菜とザーサイのみじん切りを載せてできあがり。

 そこで、カウンターの向こうの調理場は、半分が麺の手打ち場。あらかじめ練って固まりにした小麦粉がずらりと並び、店員さんが職人芸とも言える手さばきでそれを麺にしていきます。もう半分はぐつぐつ煮立ったお湯の入った寸胴で、打ち上げた麺をそこへ入れてどんどん茹でていきます。麺の細さは極細からきしめんのようは幅広まで選ぶことができ、僕はこの日は「一細麺」という一番細いタイプをチョイス。一瞬にしてこんなに細い麺を打つのですから、たいしたものです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215252.jpg 一番細い麺。

 かつて職場の近所の食堂で食べていた抻麺はスープの色が濃く、いかにも醤油スープという感じでしたが、ここ「老四季」のスープは限りなく透明に近いのが特徴。メニューには「鶏湯麺」とあるとおり、鶏ガラを煮込んでとったスープは無色透明であっさりながら十分に味が濃く、油ぎとぎとの濃厚中華料理のあとに食べるとさっぱりする感じがします。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215258.jpg 豪快にリフトアップ。

 ここのもう一つの人気メニューは「鶏架」。鶏ガラのことです。おそらくダシをとったあとの鶏ガラを醤油で煮込みなおしたものだと思われますが、瀋陽人はこれが大好き。多くのお客さんが、抻麺を食べる前にビールを飲みながら、あるいは抻麺を食べながら、この鶏架の骨に残った肉を飽きもせずほぐしながら食べています。

 テーブルの上にはトウガラシと黒酢があるので、これで自由に味を変えられます。この抻麺にはなぜか黒酢がすごくよく合うので、僕はけっこうどぼどぼと黒酢を入れて食べます。今回も、半分ほど食べたところで黒酢どぼどぼ、そしてトウガラシも入れて味を変えます。これまたウマイ。この抻麺が、おいしくてボリュームも十分で、なんと5元(約65円)。僕が瀋陽にいたときより値上がったようですが、それでもまだ安い。ちなみに鶏架は大7元、中6元、小5元とこれまた安い。ああ、また食べたい、瀋陽の抻麺。これを食べるためだけに瀋陽へ行ってもいいと僕は思うのでした(^^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215303.jpg 醤油色ですが黒酢です!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215308.jpg ▲味変後の抻麺をリフトアップ!抻麺には黒酢がよく似合う。これで5元、安いよう~。