毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

強風の清明節に帰省した(その9;遮断機折れる)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819013855.jpg名古屋駅で発車を待つ「ワイドビューひだ13号」の最後尾運転席からのビューだよん。

 2012年4月2日、最徐行で通過せよ。
 
 富山行き1033D特急「ワイドビューひだ13号」が入線したのは出発10分前の14:38。下呂、高山方面へ旅行とおぼしき小グループなどけっこう大勢がホームで待ち、特に自由席車の乗車口にはそこそこ長い列ができていましたが、ドアが開くと車内に吸い込まれ、乗客たちは早くも出発準備完了。これから楽しい旅のスタートなんですが、車内放送でも繰り返し案内されるとおり、富山まで約4時間の長丁場なのに「ワイドビューひだ13号」には車内販売がない!車内販売があるのは「ひだ」全体の半分ぐらいらしいんですが、富山行きが連結されてる「ひだ」には名古屋~高山間だけでいいからもれなく車内販売を入れてほしい~。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819013827.jpg 出発準備完了したなり。

 名古屋~富山を初めて全線完乗するからには、ここは奮発して10号車グリーン車だ。岐阜から先は先頭車となり、前面展望も楽しめる。そうであればぜひとも最前列の席がほしいところですが、北京にいる間に「えきねっと」で予約したので席番指定ができず、「車両の両端」という希望しかできなかったので、どの席になっているかは発券してみるまではわからないという状態でした。運が悪ければ前方展望どころかいちばん後ろの列になってしまうことだってあり得るわけです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819013831.jpg 10号車はキロ85。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819013849.jpg 1×2列のグリーン車

 ちょっと不安になりながら王子駅の自動券売機で「えきねっと発券」したところ、めでたく最前列一人掛け席の1C席が当たりました。スバラシイ。けっこう乗車日が近くなってからの予約だったのにこの席が空いていたということは、けっこう空いてるってこと?

 そんなわけで、前面展望独占の1C席にどうどうと座ります。おお、広い!シートピッチは1,250mmで、広すぎるくらい。すぐ目の前が運転室とを仕切る透明なガラスになっていて、その内側はすぐに運転席。そしてフロントガラスを通じて前面展望が開けます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819013838.jpg 一人掛け席です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819013844.jpg こちら二人掛け席。

 14:48、定刻に名古屋を発車しました。名古屋発車時に10号車に乗っていたのは、僕の他には女性の2人連れがいるだけで、その2人は車両の真ん中あたりの二人掛け席です。

 進行方向が反対になる岐阜までわずか18分なので、座席は最初から岐阜から高山へ向かう方向にセットされており、名古屋~岐阜間は進行方向に背中を向けて走ることになります。そして、岐阜駅が近づくとポイントをいくつか渡って東海道線の下り本線を離れ、岐阜駅の4番線ホームに到着。ここで進行方向が変わり、僕の席の目の前の運転席に運転士が乗り込んで、いよいよ前方展望パノラマが始まります。

 と、ここで運転室に運転指令からの連絡が入っているようです。運転士さんはその指令をメモし、復唱確認しています。どうやら蘇原~各務ヶ原間の踏切で遮断機が折れているらしく、その踏切の手前でいったん停車し、安全を確認しながら最徐行で通過せよという指令のようです。

 その指令が終了するとようやく信号が青に変わって、「ワイドビューひだ13号」は7分遅れで岐阜を発車しました。4番線ホームから名古屋方へまっすぐ引き返すように走ると、だんだん下り坂となり、両脇の東海道本線の上下線の間に潜り込むように下りていくのが高山本線への入口です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819013900.jpg 真ん中が高山本線

 さあ、前方展望パノラマの始まりです。かなり気持ちいいです。そして楽しい。高山本線は単線なので駅を通過するたびに変化があって、それだけでも飽きさせません。

 運転指令が出ているので徐行が続きます。キロポストを睨みながら、問題の踏切を見落とさないように細心の注意を払います。やがて、蘇原の駅を通過してちょっと進んだあたりに、その踏切があったようです。最徐行で接近し、踏切の手前でいったん停止。しかし遮断機が折れたというわりには、勝手に通行している人や車はありません。確かに折れた遮断機の残骸はありましたが、警報器は鳴っており、町内会とかの方々でしょうか、旗を持って踏切の両側に立ち、人や車の通行を止めていました。地域の方々のボランティア精神のおかげで、遮断機が折れた踏切は安全が確保されていたのです。運転士さんはその旨を指令に伝え、警笛を鳴らして最徐行でその踏切を通過しました。

 運転室には、近くを走る別の列車に対する同様の指令が流れています。鵜沼で運転停車。15:30に32D特急「ワイドビューひだ12号」と交換です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819013905.jpg ひだ12号と交換。 

 鵜沼の次の坂祝でも運転停車で交換待ちです。交換するのは美濃太田発岐阜行き普通列車740D。前方からやってきたのは、旧国鉄色っぽく塗装されたキハ48形。単線区間非電化区間をゆっくり近づいてくるのを見ると、なんだかなつかしいぞ。

 それにしてもこのあたりを通るといつも思うのですが、坂祝や各務ヶ原難読駅名ですよね。特に「坂祝」なんてめったには読めないんじゃないでしょうか。

 岐阜を7分遅れで出て、途中踏切通過に時間を要したので、遅れは15分ほどに延びたでしょうか。岐阜を出て最初の停車駅は美濃太田です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819013909.jpg坂祝駅でも交換待ち。前方から旧国鉄風塗装のキハ48がやってきた。