毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

ニッポンの秋を探して(その19;別府海地獄)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151955.jpg ▲もうもうと湯気を上げる別府海地獄。遠くから見ても壮観。

 2011年11月6日、オオオニバス

 大分市内のホテルで朝から大分名物をがっつり食べ、出発準備を整えます。しかしこの日も朝から雨。しかもハンパな雨じゃなくて、けっこうざんざん降り。もうチェックアウトしたので前日のように傘を借りて出るわけにもいかず、アーケードの中にあるコンビニでビニール傘を買い、それを差して歩き、靴をびしょびしょに濡らしながらなんとかレンタカー店にたどり着きました。ここからは車なので雨はなんとかしのげます。

 まず向かった先は別府。別府湾を右に見ながら雨の中国道10号線を北上。別府駅付近で日豊本線をくぐって山手へ抜けます。日本有数の温泉地別府に来たのだから温泉に浸かりたい気持ちもありますが、この日は別の温泉地に宿泊予定なので別府ではガマンして、海地獄を見に行きました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152011.jpg 海地獄庭園池の大鬼蓮。

 別府には白池地獄、血の海地獄、坊主地獄、山地獄など数多くの地獄があることで知られており、そこだけ聞くとゼッタイに行きたくないところですが、地獄と言ってもそれは豊富な温泉が見せる景観の数々、訪れたからと言って決して舌を抜かれたりはしないので安心です(笑)。そんな地獄群の中で、今回は別府の地獄の中で最も広大な海地獄へ落ちてみます。海地獄と言うぐらいですから、噴き上げる蒸気の間に垣間見える水面はコバルトブルーでまさにそこは海!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152022.jpg コバルトブルーの海。

 コバルトブルーの色合いはいかにも涼しげ。しかし水温は98℃もあり、この地獄にホントに落ちたらひとたまりもありません。海地獄は約1300年ほど前に鶴見岳の爆発によって誕生したとされ、色がコバルトブルーなのは硫酸鉄が含まれているせい。でも湯気が真っ白すぎて水面まで見通せない。夏など気温の高い季節になったら湯気も減って見やすくなるのかも。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152017.jpg 湯気でよく見えない。

 大分県産の特級卵を竹籠に入れてこの高温のお湯に浸けて作った温泉卵もございます。別府の他の地獄では蒸気による蒸し卵で、お湯に浸けた茹で卵は海地獄にしかないのだそうです。僕も食べたかったけど、朝食をがっつり食べ過ぎたのでやめときました。でも海地獄の公式HPには「温泉たまごは、海地獄へ来たらはずせない定番商品」と書いてあった。やっぱ食べればよかったーー(涙)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152026.jpg 茹で卵、生産中。

 海地獄の広大な敷地の中には美しい庭園や池などが点在しています。池には湧き出る温泉のお湯が流れ込んでいて水温が高いので、子どもが乗っても沈まないほど大きな葉のオオオニバススイレンがたくさん栽培されています。オオオニバスオニバスを栽培する専用の温室もあり、色鮮やかな花が咲いていました。ハスの花をこんなに間近に見たのは初めてじゃないかな。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152031.jpg 大鬼蓮栽培温室。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152051.jpg 美しい形をしていますなあ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152036.jpg 花もまた美しい。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152043.jpg 大鬼蓮の属名はVictoria。

 オオオニバスの美しい花や葉も見られたのでぼちぼち帰ろうと庭園の遊歩道を歩いていると、真っ赤な池を発見。これは血の池地獄では?それほど大きな池ではありませんが、池のへりからは海地獄に負けじと熱そうな蒸気が吹き上がり、水の色は赤というか茶色というかさび色というか、濁っていていかにも地獄っぽい感じ(地獄にはまだ行ったことないけど)。水の色が赤くなるのは酸化鉄が含まれているからですが、同じ敷地内なのに源泉を異にし、色の違うお湯が湧いてくるのですから、別府の温泉がいかに豊富かということなのでしょう。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152056.jpg 血の池地獄もございます。

 さらにぶらぶら歩いていると、「足湯」という看板を発見。せっかく別府まで来たんだからせめて足湯だけでもしていこう!

 この足湯はコバルトブルーには見えないけど海地獄の源泉100%。源泉の温度は98℃と高温ですが、源泉100%の足湯を楽しんでもらいたいということで、加水して湯温を下げるのではなく、水盤の棚のようなものを通してゆっくり冷まして適温にしているというからたいしたものです。造りは屋根付きの和風露店足湯という風情で、源泉100%のお湯に足をしばらく浸けていると、身体の芯から温まって、汗ばんできます。なんか効き目バツグンな感じ。さすが別府、さすが海地獄!であります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152001.jpg 足湯、発見!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818152006.jpg ▲98℃の高温水をゆっくりと冷ますことで加水なしの源泉100%の海地獄足湯が楽しめる。