毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

厳冬の青森へ雪かき帰省(その12;下の湯、上の湯)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012528.jpg ▲たちこめた湯気の向こうにぼんやりと谷地温泉の「上の湯」。

 2012年1月31日、長風呂。

 飲み放題付きの夕食で満腹になった我々はしばし自室に寝っ転がって休憩。1階の自室の窓には雪から窓を守るためにベニヤ板が打ち付けられていて、窓から外は見えません。部屋は狭く、しかもなぜか畳敷きの部屋にシングルベッドが一つ入っていて、それが部屋の半分を占めています。残りの半分に布団が一組み敷いてあり、不思議な構造。

 午後10時を回ったところで再び風呂へ出かけます。フロントロビー(というか帳場というか)はお土産品が並ぶあたりは既に明かりが落とされ、もう眠りに就く寸前といったところです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012514.jpg 明かりの落ちた帳場。

 帳場から宿泊棟へ入ると長い廊下がまっすぐ続いています。廊下の途中には洗面所と湯治客用の厨房があります。この廊下を突き当たりまで進むと、右には階段があって本館2階へつづき、戸を開けて外に出て左へ進むと西館、右へ回ると浴場があり、浴場の先は東館になっているので、部屋数はけっこう多いようです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012518.jpg 脱衣場。戸の奥が浴室。

 谷地温泉の泉質は単純硫化水素泉で、帳場の壁に掛けられている「谷地温泉の効能」には、こう書かれています。

 「谷地温泉には、それぞれ泉質の異なった温泉の湧き出る源泉が4ヶ所あります。1つは浴槽の真下から湧く「下の湯」(しものゆ;少しぬるいけれども身体によく効く霊泉38℃)と、離れたところから引湯している「上の湯」(かみのゆ;白濁してあたたまる熱いお湯42℃)、そして上がり湯に利用している湯量の多い2ヶ所の源泉(36℃)です。」

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012532.jpg 谷地温泉の効能。

 「ご入浴の仕方」の説明もあります。「初めての方は下の湯(ぬるい霊泉38℃)のお湯に30分位ゆっくりとつかって身体をならし、その後は少しずつ時間を長くし、1時間位のところで上がり、つぎに上の湯(白濁泉の熱いお湯42℃)に5分~10分位入ってから上がってください。」なるほど。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012537.jpg ご入浴の仕方。

 脱衣場から浴場への戸を開けると、中は湯気で真っ白。他には誰もおらず、貸し切り状態で谷地の霊泉を堪能します。まずは「下の湯」。最初はぬるすぎと感じますが、38℃ということなので、大分長湯温泉のラムネ温泉の冷泉よりは暖かい。ここに浸かってとにかくぼーーっとします。世俗を忘れ、外でしんしんと降り続く雪のことを思いながら湯に浸かる。至高のひとときです。30分と言わず45分ぐらい「下の湯」に浸かり、それから「上の湯」へ移動。白濁した熱いお湯が体に染み入ってくるようです。こりゃーたまらん。1時間半たっぷり湯に浸かって、もう谷地温泉の虜です(^^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012522.jpg 下の湯に浸かる相方、見える?

 八食センターに寄ったときに酒類をたっぷり調達してきたので、風呂上がりは部屋に戻ってまったり缶ビール。部屋は古くて狭くてサービス的なものはなにもないけれど、温泉には24時間入れるし、暖房はよく効いているし(ちょっと音がうるさいけど)、湯治場だと思えばこれで十分。芯から温まった体に缶ビールがいつまでも心地よく、一缶、また一缶と……

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012509.jpg ▲本館1階の長い廊下。夜10時過ぎには既に静まりかえり、湯治場の夜は更ける……