毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

ニッポンの秋を探して(その16;般若姫行列)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151836.jpg ▲般若姫行列がしずしずと臼杵の町を行く。これは般若姫の母・玉津姫の輿。

 香港・マカオレポートが先行してしまい、昨年11月の大分旅行のレポートがしばらく中断してしまっているので、今日から再開しますね。前回の記事はコチラなので、復習がてらそちらも再度読んでいただけるとうれしいです(^^)。

 2011年11月5日、般若姫行列。

 素晴らしい竹のオブジェと竹ぼんぼりの数々に、思わずずいぶん歩いたなあ。6年前に来たときには歩かなかった道、寄らなかった場所にもずいぶん行けてよかった。

 寺院の並ぶ二王座地区を抜け、両側に商店が立ち並ぶ少し広い通りに出ます。ここがいわば臼杵のメインストリートかな。メインストリートと言っても、古い街並みがしっかりと残っていて、路面はもちろん石畳。こういう町の残し方をしているところが臼杵のすごくてすばらしいところ。

 そのメインストリートが、この日の夜は竹宵に訪れた人々でいっぱいです。たいへんなにぎわいです。商店の店頭にはテーブルやワゴンが置かれ、臨時の露店出店状態です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151806.jpg 大勢の人出で賑わってます。

 臼杵のいいところは、おそらく古い町並みを故意に再現した部分もあるのだろうけれど、この古い町並みがただの見せ物になっているのではなくて、全部がまとめて現役で、そこに地元市民の暮らしがちゃんとあるということ。「慶長5年創業鑰屋(かぎや←読めないよ)」というなんとも年季の入った看板を掲げているのは「カニ醤油合資会社」。「臼杵名物みそソフト」ののぼりについつられてしまいそうになります(笑)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151813.jpg 慶長5年創業の鑰屋。

 スーパー「まるしょく屋八町大路店」前の駐車場にはたくさんのテントが並んでいます。食べ物飲み物を販売する露店です。6年前に初めて竹宵に来たときもここには同じように露店が出ていましたがほとんど何も買わずに帰ってしまいました。今回はここでがっつりごはんを食べます。テーブルと椅子もたくさん設置してあるので、しばしここに座って生ビールにかしわめしなどなど、これもまたお祭りの醍醐味です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151817.jpg 露店のテントがずらり。
 
 そうこうしているうちに、般若姫の行列が近づいてきたようです。

 「臼杵竹宵」は、臼杵石仏を造ったとされる真名長者とその妻玉津姫、そしてそのあいだに生まれた般若姫にまつわる伝説をもとにしたお祭りなんですね。

 詳しくは竹宵のHPなどを見ていただきたいと思いますが、簡単にご紹介すれば、真名長者と玉津姫の娘・般若姫を見初めた橘の豊日の皇子(のちの用明天皇)と般若姫はやがて結ばれますが、二人の間に生まれた玉絵姫を臼杵に残して、朝廷へ呼び戻された皇子を追って臼杵の港を出た般若姫は、途中嵐に遭って帰らぬ人となります。臼杵竹宵は、長者夫妻と玉絵姫が待つ臼杵へ、般若姫の御霊が都から里帰りしたという伝説を再現したものなのだそうです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151821.jpg 般若姫行列がやってきた。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151832.jpg 侍女たちが通り過ぎる。

 「臼杵市内在住」で募集された般若姫、玉絵姫(般若姫の娘)、玉津姫(般若姫の母)、真名長者(般若姫の父)、勅使、侍女、護衛が列を成して静かに通り過ぎていきます。三姫は輿に乗っての行列です。最初にやってくるのは玉絵姫。般若姫の娘ですから、小学校2、3年生の女の子が選ばれて参加します。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151827.jpg 玉絵姫の輿が行く。

 次の輿はおそらく般若姫の母の玉津姫。「おそらく」というのは、年齢順に行けば玉絵姫、般若姫、玉津姫と並ぶのが自然だけれど、般若姫がメインのお祭りだから般若姫の輿は最後だろうと思われるので、2番目は玉津姫だろうということなのですが、臼杵のみなさん、それで合ってますよね?(^_^ゝ
 というわけで、二番目は20歳以上の臼杵在住の女性から選ばれる、般若姫の母の玉津姫です!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151841.jpg 般若姫より僕の好み(^^)。

 このブログを読んでくださっている方は、僕がどうして臼杵へよく行くようになったかご存じかと思いますが、きっかけは大林宣彦監督の映画「なごり雪」です。大林監督は尾道三部作に続いて大分三部作を撮りたいということで、「なごり雪」、そして「22才の別れ」と二作品を既に世に出しました。どちらも臼杵が舞台です。そして「なごり雪」の主人公雪子役を演じた須藤温子さんと、二作目の「22才の別れ」の主人公花鈴を演じた鈴木聖奈さんが、その年の竹宵では般若姫役として輿に乗り、この行列に参加しました。三部作の三作目を、僕は心待ちにしているのですが、いつクランクインするのかな?

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151846.jpg ▲そして行列の最後はいちばん大きい輿に乗って般若姫が登場です。