毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

ニッポンの秋を探して(その15;旧真光寺のオブジェ)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151801.jpg ▲竹ぼんぼりでできた「竹宵」の文字。

 2011年11月5日、ずいぶん歩いた。

 臼杵竹宵をのんびりと楽しんでいます。

 臼杵市観光情報協会駐車場の「こどもオブジェ」を参観したあとは、また石畳の小路を進みます。このあたりの小路は本当に狭いので、大勢の人波に流されるように歩きます。いろいろな場所を会場に飾られているオブジェもそれぞれに美しく幻想的ですが、普通の小路の道ばたに置かれた何の変哲もない竹ぼんぼりもまた素朴で素敵です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151728.jpg 小路沿いの竹ぼんぼり。

 やがて、ひときわ混雑している一角にぶつかりました。旧真光寺の角です。この角を右に曲がると突き当たりは法音寺。ここもかなり大きなお寺で、竹のオブジェも置かれていますが、本堂も開放されていて、ここはオブジェ鑑賞というよりはついお参りをしてしまいました。

 旧真光寺の角まで戻ると、長蛇の列ができています。旧真光寺内のオブジェを参観しようとする人たちの列です。

 真光寺は、1716年創建の浄土真宗本願寺派のお寺ですが、昭和の末に廃寺となったため、1991年からは市営の休憩所になりました。2階からは、寺院が建ち並ぶ二王座の情緒ある美しい街並みを眺めることができます(2005年に訪れた際の2階からの眺めはコチラ)。旧真光寺の反対側の小路は急な石段になっていて、そこにも竹ぼんぼりがずらり。ふだんこの石段を通って行き来している人たちはどうしてるんだろう(^^ゞ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151737.jpg 石段にずらり竹ぼんぼり。

 旧真光寺に飾られるオブジェは毎年人気のようで、狭い小路を一方通行の交通規制をとった上で行列を作り、立ち止まらずにゆっくり歩き続けながら参観する形がとられています。

 列に並んでしばらくゆっくり前進し、我々も旧真光寺の中に入りました。かつてお寺だった屋内に飾られた華やかながらも淡い光に幻想的な趣を醸すオブジェは、屋外露天のオブジェとはまた違う美しさがあります。そして確かに旧真光寺内のオブジェは質も高いように感じました。竹宵HPによれば、旧真光寺内のオブジェを制作したのは崇城大学内丸研究室のみなさんだそうです。拍手!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151733.jpg 旧真光寺内へ入る。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151741.jpg 彼岸花がモチーフか。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151746.jpg 光の使い方がうまい。

 竹に細い切れ目を入れてすだれのように光を漏れさせ、しかもそのすだれ状の部分には模様も織り込むというのはなかなか細かく根気の要る技術のように思われます。この繊細さも臼杵竹宵の大きな魅力のひとつです。

 旧真光寺のすばらしい竹オブジェを鑑賞したあとは一方通行の小路を人に流されるままに歩きます。小路の道ばたには行けども行けどもたくさんの竹ぼんぼりが飾られています。ホラーマスクのような切れ込みを入れた竹ぼんぼりも並んでいますね……(^^ゞ。

 臼杵竹宵、「お祭り」ではあるのですが、お囃子や鳴り物があるわけではなく、派手なイベントやパフォーマンスがあるのでもなく、古い街並みの中に点された竹ぼんぼりの明かりをただ静かに見て歩くだけという、素朴で静かで、そしてなんとも穏やかな臼杵竹宵、本当にすてきな「お祭り」です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151751.jpg なかなか細かい技術が必要。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151757.jpg ▲ホラーなお面のような意匠の竹ぼんぼりが並んでました。