ニッポンの秋を探して(その12;ある駅の夕暮れ)
▲下ノ江駅で交換待ちのために停車中の1635M。
2011年11月5日、交換待ち。
我々が小倉から大分に到着した頃はかなり本降りだった雨はようやく止んで、空には明るいところも見えようになってきました。ただ、そうは言っても空の大部分は厚い黒雲に覆われ、またいつ雨が落ちてきてもおかしくないようなお天気です。
下ノ江駅到着。
そんな曇天の夕暮れ時、列車は下ノ江駅に到着しました。
ゆるいカーブを描いた1面2線のホームです。駅舎は離れたところに建っていて、跨線橋で結ばれています。
九州には古い木造の駅舎が残っている駅が多いように思いますが、この下ノ江駅の駅舎もずいぶんと趣があります。離れているのでよくは見えないけれど、平屋の大きな瓦屋根の駅舎には、改札周りの白壁にオレンジ色の光が落ちて、なんとも優しい風情を醸しています。その改札口前には、お散歩中でしょうか、赤ちゃんを抱いたお母さんが立って、赤ちゃんに行き交う列車を見せているようです。
古い木造の下ノ江駅舎。
数分停車しますという車内放送があったので、ホームに下りてしばしたたずみます。ゆるくカーブを描き、砂利が敷かれ、手入れの行き届いた花壇が並ぶ下ノ江駅のホームは、曇天の夕暮れ時で早くも点灯されたホーム灯の光もぼんやり映って、なんとも言えぬのどかな雰囲気です。
「にちりん18号」が走り去り、信号が変わればこちらが出発する晩です。
787系「にちりん18号」。
▲「にちりん18号」との交換を済ませて、佐伯行き普通列車1635Mもまもなく発車。