初エティハドで秋のニッポン（その8；4001ﾚ「日本海」）

▲高岡駅に到着した下り「日本海」。牽引はトワエク釜のEF81-43。

　2011年10月2日、高岡駅、夜10時。

　夕方、白川郷から射水市内へ戻り、夕食やらなんやら過ごしているうちに日も暮れて、富山を離れる時間がやってきました。

　この日は、高岡駅から4001ﾚ寝台特急「日本海」に乗ります。来春の定期運行廃止が決まった現在は連日混んでいるらしいですが、廃止が決まる前だって、この列車は混んでいるときが多かった。需要のある列車なんです。それなのに廃止とは、廃止ありきで進めているJRの姿勢が残念でなりません。

夜10時の高岡駅。

高岡から「日本海」初乗車。

　富山に来たときは「日本海」には富山駅から乗っていたので、高岡駅から乗るのは今回が初めて。新装オープンした橋上駅舎の改札を抜けて、5番線ホームへと下ります。

　この日は、B寝台禁煙車上段しか取れていなかったのですが、高岡駅で下段に空きが出ていないかと聞いてみたら、やっぱり下段はいっぱいで、でも喫煙車なら下段があるということだったので、夜10時過ぎに乗るならそれほどタバコの影響はなかろうと思い、9号車の下段に変更してもらいました。

乗車口案内板。

　ホーム設置の時刻表を見ると、さすが特急街道北陸本線、赤字で記された特急列車が圧倒的な数を誇っています。「サンダーバード」、「しらさぎ」、そして「はくたか」。その中に混じって、22:03発の「寝台特急日本海」と23:00発の「急行能登」の文字とその行き先の「青森」「上野」という文字だけがちょっと異質に目に映ります。「急行能登」のほうは臨時列車ということでクリーム色に塗られています。来春には「特急日本海」もクリーム色に塗られてしまうのでしょうね……

高岡駅ホームの時刻表。

　22:01、隣の4番線ホームに1024M特急「はくたか24号」が到着しました。最終一本前の「はくたか」で、福井行きです。
　その「はくたか24号」が発車する22:02に、5番線のほうへは下り「日本海」が到着です。お、この日はトワイライトエクスプレス塗装のEF81ですね。EF81-43号機が先頭に立っています。その写真を手早くカメラに収め、大急ぎで乗り込みます。

隣は「はくたか24号」。

　喫煙車に変更してもらった9号車は、なんと乗客3人のみ！これじゃタバコの心配なんて無用です。というか、これだけ禁煙車と喫煙車の需要に偏りがあるんだから、7両あるB寝台のうち3両も喫煙車にしているJR西日本の感覚ってヘンじゃないですか？今すぐ全車禁煙にしてほしい。どうしても喫煙車はやめられないという事情があるにしても、1両だけで十分じゃないですか。

　と思っている間に「日本海」は高岡を発車し、15分で富山に到着。いつもはここから乗り込むので、こうして窓から富山駅のホームを眺めているというのはちょっと妙な気分。

　乗客が3人しかいないのと時間もぼちぼち遅いのとで、9号車の車内はひっそりと静まりかえっています。客車が静かにレールの継ぎ目を刻む音とポイントを乗り換える音が客車の呼吸のように聞こえてきます。寝台特急「日本海」はひたすらに日本海縦貫線を北上しています。

▲富山駅に到着。停車時間中は時間が止まったかのような静寂が車内に訪れる。