アジサイの咲く頃に(青森帰省レポその29;珍しくつけ麺を)
▲「相傳つけ麺」のたぶん大盛り。チャーシューが分厚い。
2011年6月25日、飲んだあとの〆と言えば。
上野の伊勢ろくさんでニッポンの焼き鳥を追加注文を重ねてはらいっぱい堪能し、大満足で外に出た。
しかし、〆の主食にともくろんでいた親子丼がはらいっぱいで食べられなかったのが、どことなくなんとなく物足りなく、このままでは済まされない気分。飲みのあとの〆と言えばやっぱりラーメンか?
よし、これから上野駅まで歩くまでにラーメン屋があったら入ろうと思ったその矢先、いきなりありました、ラーメン屋が。おっと、このラーメン屋は黒壁の妙にいかつい造り。看板ものれんも黒地に白文字に統一されていて、シブイ。店の名は「麺屋武蔵武骨相傳」。「伝」の字が旧字体だよ。
麺屋武蔵武骨相傳。
黒壁に黒地白文字の看板。
店内に入ってまずは券売機で食券を購入。僕はめったにつけ麺は食べませんが、ここはつけ麺のお店らしい。「相傳つけ麺」いってみましょう。並、中、大、特と「盛」サイズがあって、今となっては自分がどの「盛」にしたか記憶が定かでない。
カウンターに着席すると、つけ汁はどれにするかと尋ねられます。「魚介の香り」の「白味」、「香ばしさと苦みの」「黒味」、「香辛料がきいた」「赤味」の3種類があるそうです。
着席して真正面に何か見えます。スポットライトを浴びたスターのように白い台の上に鎮座ましましているのは、どうやらこのお店自慢のチャーシューのかたまりのようです。店員さんが時々これを大きな包丁で切ってはどんぶりに盛りつけていきます。こりゃまたホントにでかい肉のかたまりだな。
スポットライトが当たる台。
その上にはチャーシューの塊。
さて、できあがりました「相傳つけ麺」。相方がチョイスしたつけ汁は「黒味」。黒胡麻プリンかと見紛うような真っ黒いつけ汁がお椀に入って出てきました。「香ばしさと苦み」がウリの「黒味」は、口に入れてみると確かに苦みがある。しかしこの苦みが何から来ているのかがわからない。初めて体験するこの味が麺に妙に絡んで、ウマイ。
「相傳つけ麺」参上。
初めての味の「黒味」。
僕がチョイスしたのは「赤味」。麺は太い。何度かこのブログにも書いているとおり、僕の好物は細いちぢれ麺。したがって、ここのこの非常に太くて縮れようがない麺は、ふだんほとんど食べることがない。しかし、見るからにおいしそうだ。麺の上には、先ほどまでスポットライトを浴びていた分厚いチャーシューが2枚と味玉子が載っています。汁は真っ赤。そしてけっこうカライ。真っ赤な汁の底にはシナチクやネギ(ニラ?)がうようよと沈んでいていい味を出してる。
「赤味」である。
つけ汁、うまそう~。
あとで調べたところによれば、ここの3種類のつけ汁は豚骨スープがベースで、「赤味」は豆板醤などで辛さを加えたもの、「黒味」はネギ・玉ネギ・コーヒー豆を250℃のオーブンで炭化させ、それをマー油と合わせたものだそうです。「黒味」の苦みが炭化させたコーヒー豆から来ているとは意外というほかない。実に複雑な味わいだ……。
焼き鳥屋で直前まであんなにはらいっぱい飲んで食べていたのに、あとをひく「赤味」と「黒味」のつけ汁のせいで、たいして好みでもない太麺がつるつると腹に収まっていきます。既に限界近し。しかし、おいしい。このお店、今まで見たことも聞いたこともなかったけれど、今や都内に10店舗を構える有名店らしい。上野へ行ったらまた寄ってみようかな……
太麺をリフトアップ。
▲そんなこんなで、完食。どんぶりの底からは「武」の字が出現。