中国を走る現役SLを訪ねる旅(その18;上游1395号機に接近)
▲上游1395号機の動輪に接近。シリンダーの銀色と油の黒く鈍い艶と動輪の赤がシブイ。
2011年6月12日、熱いカマに近づく。
阜新海州炭鉱の石炭積み出し場で無蓋貨車の位置を決めて停止した上游1395号機は、機関士も降りて休憩小屋へ入ったので、石炭の積み込みが終わるまでしばらくは動かなそうです。このすきにぐっと近づいて、上游1395号機のディテールを見てみましょう。
まずカマの先端部分。煙突の真下のカマの横には、前回の記事で紹介した製造工場と製造年月が記された銘板が付けられています。走行距離が短いからでしょう、デフは取り付けられていません。それほど大きな機関車ではないので、煙突も大きくなく、かわいらしい感じがします。
真横から見るカマ先端部。
こぶりな煙突。
次に動輪と従輪です。上游型蒸気機関車のモデルになったのは日本のミカド型ですが、ミカド式の車輪配置は「2-8-2」と呼ばれ、これは2輪(1軸)の先輪、8輪(4軸)の動輪、2輪(1軸)の従輪を備えていることを示しています。動輪のホイール部は赤く塗られていてよく目立ちます。現役ばりばりですから、付着した油は鈍く光り、シリンダーの可動部は銀色に輝いています。動輪の後ろにあって運転台部分の重量を支えます。小さいですが、がっちりしたサスペンションが付いています。
4軸8輪の動輪。
動輪を斜め後方から。
こちら従輪です。
そして炭水車(テンダー)に接近です。
炭水車の後方には、これまで見てきた「上游」型機関車と同様に「上游1395」という型番が白文字で入っています。炭水車の下辺は赤く縁取られ、側面には「水箱容積:25千升 煤装載量:11.5立方米」と記してあります。炭水車内側の容積が2万5千リットルで、石炭の搭載量が11.5立方メートルであることを示しています。
炭水車後方は無蓋貨車につながっています。がっちりと握手するように噛み合った連結器は頼もしく、その連結器の上にも細かい石炭をかぶっているのも、いかにも現役で活躍している蒸気機関車らしくて、かっこいいです。
炭水車後方の型番。
炭水車容量を示す文字。
▲炭水車と無蓋貨車との連結部。石炭の細かい粉をかぶっていかにも現役。