中国を走る現役SLを訪ねる旅(その11;おできスープ)
▲中国東北地方の典型的ご当地料理「疙瘩湯」。
2011年6月11日、北票の夕食。
結局この日は「動くSL」は見ることができませんでした。
一言苦言を申し上げれば、今回のツアーは瀋陽にある中国の旅行会社に何から何まで手配をさせたのですが、5人で参加して、1泊2日で一人3,000元近く(約37,000円ほど)も払っているのに、ガイドも運転手もプロ意識がまったく感じられない!道は迷いまくるし、SLの運用状況を事前に確認してもいないし、我々がどのような客かということを理解しようとせずに紋切り型な接遇ばかりをして臨機応変なところがないなど、ただのぼったくりにしか思えない働きぶりです。中国ってホント何十年経っても「サービス業」が成長しないです。
それはともかく。
この日の夕食はガイドと運転手から分かれて、独自に食べます。北票市内をてこてこ歩いて、このへんが繁華街かな~という界隈へ繰り出しました。夕暮れ前のひととき、中心部のロータリーでは、市民がダンスをして憩っております。ロータリーのへりをぐるぐるウオーキングしている人も大勢いて、みなさん健康志向です。
ロータリーはダンスタイム。
メインストリートに面したところに比較的大きなレストランを見つけて、入りました。北票市ではいちばん立派なレストランではないかと思われます。注文をして、ビールを飲みながら待つことしばし。料理が次々に運ばれてきましたよ。
まずは「娃娃菜」の炒め物。「娃娃菜」は「ベビー白菜」のことで、こちらではよく食べます。ドーム型に盛った「娃娃菜」、あっさりしていて食感もよく、おいしいです。
ドーム盛りの娃娃菜。
お次は、牛肉をトウガラシとニンニクをたっぷり使って鉄板で炒めたホットな一品。ピーナツとネギも散らしてあり、肉の下には甘みたっぷりのタマネギが敷かれています。「十和田バラ焼き」の北票バージョンとも言うべきこの一品、うますぎ。香ばしく炒められたトウガラシもさくさくしていてそのまま食べられます。大葉と生ニンニクのスライスが添えられていて、これで巻いて食べるとまたバツグン。汁とともにごはんに載せて食べたら激ウマに違いないが、今ここでで主食を食べたのでは腹がいっぱいになってしまうので、白いごはんはまだおあずけ。
ビリ辛鉄板牛肉。
これで巻いて食べる。
いい色。うますぎ。
次は少しあっさりと、エノキダケとハルサメの炒め物。たっぷりのエノキダケの上にハルサメ、みじん切りのニンニク・ピーマン・ニンジンがどっさり載り、薄い醤油味とごま油の風味でスープ多めで仕上げた一品は、なんと言ってもエノキダケのしゃきしゃきとした食感がたまりません。味付けもくどくなく、どんどん食べられてしまいます。
エノキとハルサメ炒め。
食感がたまらん。
茄子料理いきます。これ、よく食べる料理なんですが、茄子好きの僕にはたまらない一品。日本で言えば「茄子の挽肉はさみ揚げ」という感じになるでしょうか。茄子を厚めの輪切りにし、鉄板の上に敷いたタマネギの上に挽肉をこねたハンバーグ状のものと茄子とを交互に並べていき、とろりとしたこってり醤油ソースで焼き、最後にゴマと青ネギを散らしてできあがり。どこから食べても、ウマイ。これまたごはんによく合います。
茄子と挽肉の鉄板焼き。
これまたごはんに合います。
このような数々のお料理をビールとともに満喫しておりますと、だんだんと腹がいっぱいになってきます。先ほどまでの白いごはんほしいモードは影を潜めてしまいました。しかし〆めの主食はほしいもの。
そこで選んだ主食は「疙瘩湯」。
「疙瘩(geda)」とは「できもの、おでき、はれもの」の意味で、これが入った「湯(tang)」すなわちスープですから、「おできスープ」というわけです。ちっともおいしそうに聞こえませんね(^_^ゝ。
「疙瘩湯」は中国東北地方の料理(主食)の一つで、おできのようにぽちっと小さく丸めた小麦粉の粒を茹でてスープにしたものです。日本の「すいとん」のようなものでしょうか。味付けは店によって違いますが、だいたいあっさりしたスープに野菜の具が入っているのが普通です。ここの「疙瘩湯」は、チンゲンサイと溶き卵が入っているだけで、スープは醤油味の澄んだすっきりスープ。〆めにはもってこいのこのスープを食べて、北票での夕食は大満足で終了となりました。
▲典型的な東北料理の一つ「疙瘩湯」。あっさりしていて〆めにピッタリ。