毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

中国を走る現役SLを訪ねる旅(その5;中国の田舎料理)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818213530.jpg遼寧省北票市の田舎食堂で食べた「魚香茄条」。うますぎ。

 2011年6月11日、北票ランチ。

 大雨の錦州南駅で「和諧号」を降りた我々は、迎えに来ていた旅行会社の車に乗って(というか、運転手が迷ったらしくて、我々が着いたときにはまだ来てなかったんだけどさ)、一路朝陽市を目指します。

 朝陽市は遼寧省のいちばん北西部にある市。この朝陽市に属する北票という場所が今回の目的地。

 ところがこの瀋陽からやってきた旅行会社の運転手もガイドも、全然道を知らなくて、全然目的地に着かないんだわ。思いっきり田舎道で車を停め、道ばたの民家に行き方を聞きに行ったり、来た道を何度も引き返したりして、これで一人何千元も取るんだから、中国のプロ意識のなさにはいつもながら恐れ入ります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818213523.jpg 道に迷いましてん。

 錦州南駅を出てから延々と走ること約4時間弱、本当はそんなにかかるはずはないのですが、とにかくなんとか北票市の中心部にたどり着きました。「市」と言っても、朝陽市の下にある「県」と同レベルの「市」(=「県級市」)なので、のんびりした田舎ムードの漂う小さな街です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818213601.jpg 北票市内。田舎だなあ。

 ガイド付きのツアーの常として、どんな時間になろうともご飯はきっちり食べさせてくれるので、これからようやくランチです。連れて行かれたのは「宝徳福飯荘」という小さな飯屋。こういう飯屋にハズレはない。北京では普段あまり食べることのない田舎料理を久しぶりにたっぷり食べることができそうな気配です!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818213609.jpg こういう飯屋がいいんだよね。

 2階の個室に通されて待つことしばし。最初にやってきたのは「魚香茄条」。日本で言う「マーボーナス」に近いのですが、ナスを棒状に切って油で揚げてから改めて大鍋で「魚香」という甘辛で香ばしいソースを炒め絡めて作るこの料理は、定番中の定番ですが、さくっと揚がったナスの表面とほくっとした内側の食感がたまりません。ご飯が進む一品です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818213534.jpg 魚香茄条、ウマイっす。

 次はこのあたりの代表的田舎料理。大きなどんぶりで出てきたソレは、上に北京ダックを包んで食べる皮のようなものに覆われていて、なんだかよくわかりません。しかし、どんぶりが持てないくらいアツアツです。

 上に載っているのは、確かに北京ダックのときと同じような、小麦粉で作った「薄餅(クレープの生地のようなもの)」です。店員は「それで中のものを巻いて食べれ」と言います。

 そこで、この「薄餅」をめくって中を覗いてみると、おお!中にはジャガイモとインゲンと豚肉を醤油を絡めて炒めたものがぎっしりと詰まっています。「薄餅」に包んで食べても包まずに直接食べても、ほっくりとしたお味は実にウマイ!しかも腹にたまるわ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818213540.jpg 一見なんだかわからない。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818213544.jpg ジャガ、インゲン、豚肉ぎっしり。

 次は、キタ━━━━(°Д°)━━━━!!!! 固形燃料が焚かれた上に載った鍋にはトウガラシがてんこ盛り!「水煮牛肉」ですな!これでもかと入ったトウガラシと粒山椒、そこから溶け出したカプサイシンエキスがたっぷり入ったスープも美味。鍋の底のほうにはチンゲンサイやモヤシ、エノキなどの野菜もたっぷり入っていて、牛肉とともに食べるとこれまたウマイ。赤いトウガラシもぱくぱく食べちゃいます。

 他にも数品出てきましたが、どれもおいしかったです。ただ、主食がチャーハンだったのがちょっと残念。こんなところでチャーハンなんか出すなよと言いたい。自分で注文できるんだったらチャーハンなんかゼッタイ注文しない。日本人を相手にする中国の旅行会社のガイドは「日本人はチャーハンが好きだから」とどこへ行ってもチャーハンを注文しますが、ここに来てチャーハンはないだろ。ここで出すなら白いごはんか餃子だろ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818213550.jpg キタっ!水煮牛肉っ!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818213554.jpg ▲肉も野菜もスープもおいしいが、このトウガラシがまたなんとも言えずウマイのよ。