毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

春の帰省の旅日記(その20;「はやて・こまち115号」)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819000341.jpg ▲平時ならば存在しない列車「はやて・こまち115号」に乗って青森へ。

 2011年5月1日、震災ダイヤの「はやて」に乗る。

 上野駅で急行「能登」を降り、829Mで大宮までとって返し、大宮からは、この日の3日前に全線での運行を再開した東北新幹線に乗り換えて青森へと帰ります。

 これから乗る新幹線は「はやて115号」。

 4月29日から全線で運転を再開した東北新幹線はしかし、福島県宮城県内では徐行運転を強いられるため、当面のあいだ震災臨時ダイヤで運転されることになりました。東京~新青森間を3時間半前後で走る「はやて」も、この震災臨時ダイヤでは4時間半前後と約1時間ほど所要時間が長くなっています。

 東京発の新青森行き一番列車は東京を06:40に発車する「はやて115号」です。大宮発は07:06。これは通常ダイヤならば仙台行きの「Maxやまびこ203号」の時刻です。通常ダイヤでは「はやて・こまち115号」という列車は存在しないので、貴重な乗車体験です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819000337.jpg 大宮駅17番線から乗車。

 大宮駅の売店で、朝食を購入しました。今回の帰省ではあまり列車を使う機会がないので、駅弁を食べる機会がなく、今回が初駅弁です。

 いろいろ目移りしましたが、「新青森開業記念弁当」の文字に牽かれて「津軽味祭」を購入しました。「豊かな自然に恵まれた青森の食材をイメージし、色とりどりに盛り込みました」とありますが、青森の駅弁ではなく、東京の(荒川区NRE大増製造の)駅弁です。「はやて・はやぶさ」の中でこれを食べて、青森をイメージしながら行ってね、ということなのでしょう。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819000345.jpg 駅弁「津軽味祭」。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819000400.jpg 色とりどりのおかずぎっしり。

 駅弁「津軽味祭」は竹皮の立派な弁当箱に入っています。この弁当箱は持ち帰って継続使用可能。そして、フタを開けると、さまざまな食材を使ったおかずがぎっしり!どれから箸を付けようか迷ってしまうほどです。

 弁当の中には、ホタテをデザインした二つ折りの紙が入っていて、これがお品書きです。ご飯は「ちらしご飯」で、茶飯の中にカニほぐし身、いくら、帆立煮、海老甘酢漬、山菜醤油煮、菊花酢漬がちりばめられています。おかずは、長芋素揚げ、帆立風味フライ、イカ磯辺揚げ、鶏肉と野菜のうま煮(鶏肉、ごぼう、人参、こんにゃく、椎茸、うずら卵、ふき)、みず生姜漬、甘味にはりんごシロップ漬が添えられています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819000349.jpg 帆立デザインの紙が入ってる。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819000354.jpg その紙を開くとお品書き。

 朝食の駅弁を食べ、車内販売で求めたモーニングコーヒーを飲んでまったりしているうちに、俊足「はやて」は快調に走り続けていましたが、新白河を通過して福島県に入ったところで徐行運転が始まりました。ちょっとした減速というのではなく、かなりの低速運転で、いかにも細心の注意を払いながら走行しているという感じがしました。

 通常ダイヤで似た時間帯を走る「はやて13号」と比較してみると、大宮から仙台まで「はやて13号」なら所要1時間15分のところ、震災臨時ダイヤの「はやて115号」は所要1時間41分です。また、仙台から盛岡までは「はやて13号」44分に対し、「はやて115号」1時間09分です。

 「はやて115号」は、東京から新青森まで4時間29分かけて走り、11:09に終点新青森駅に到着しました。大勢の乗客が新青森駅のホームに降り立ちました。多くの人が、東北新幹線の全線での運行再開を待ちかねたように、GWを利用して、震災からの復興を願いながら来てくれたのでしょう。駅舎1階の「旬味館」も、4月26日に「黒石つゆやきそば」を食べに立ち寄ったときの閑散ぶりとは打って変わって、大勢の人で混雑し、活気にあふれていました。

 新青森駅発11:20の2041M特急「つがる1号」に乗り換えて青森駅へ移動します。新幹線から乗り継いで青森駅へ出るのはこれが初めて。当初は485系3000番台で運転されていたのがE751系での運転に変わった「つがる1号」もかなり混雑した状態で新青森駅に到着し、弘前などで桜を楽しんできた人たちなのか、大勢が降りて新幹線へと乗り換えて行き、新青森駅からもそれと入れ替わりに大勢が乗り込んで、3号車などは立ち客であふれるほど。いちおう被災地の青森県は、この活気が戻ってくるのをどれほど待ち望んでいたことでしょう。僕も少しうれしい気持ちになって、青森駅までのひと駅をE751系に揺られました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819000405.jpg新青森駅に到着した「つがる1号」。大勢の乗降客でホームは混雑しました。