毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

春の帰省の旅日記(その12;普通車全車自由席)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819000024.jpg函館駅で出発を待つ特急「スーパー白鳥26号」。

 2011年4月26日、函館乗換え。

 定刻7時ちょうどに札幌駅を発車した特急「スーパー北斗2号」は、キハ283系の力強いエンジン音を
響かせながら千歳線室蘭本線函館本線を快走します。早起きした僕は、そのエンジン音を子守歌に早くも爆睡へと誘われ、長万部のかにめし予約受付中の車内放送をどこか遠いところで聞きながら眠りに落ちました。

 ハッと目が覚めたら、もう森。札幌から2時間32分で09:32に森到着です。

 広い森駅構内のすぐ外側はもう海ですが、先頭車両1号車の窓からは、その海の中から細長い石碑が立ち上がっているのが見えました。これは、以前にもレポートしたことがありますが、「明治天皇御上陸地」の碑です。明治14年(1881年)9月3日、明治天皇が東北、北海道の巡幸の際に室蘭から船で訪れ、桟橋のあったここから上陸されたのだそうです。海の中からにょっきり立つ姿には驚かされますが、ここにかつて桟橋があったことの名残なのでしょう。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819000008.jpg 森駅構内の外はすぐ海。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819000004.jpg明治天皇御上陸地」の碑。

 森を発車した「スーパー北斗2号」は、通商「砂原線」と分かれて、勾配の険しい山間路線へと分け入っていきます。キハ283系のエンジン音がひときわ高くなるような感じです。

 車窓左手には、標高1,131mの駒ヶ岳が見え隠れします。僕はあまり駒ヶ岳の全貌が姿を現すような好天に当たったことはないのですが、この日は良い天気に恵まれ、久しぶりに駒ヶ岳を車窓に楽しむことができました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819000014.jpg 駒ヶ岳を眺めながら。

 森から16分で大沼公園到着。平日の午前10時前ということで駅前の駐車場に停まる車もほんのちらほら。大沼公園駅では名物「大沼だんご」を積み込むはずですが、車内放送で聞いた覚えがない。寝ている間に案内があったのかな。

 大沼公園駅を発車してすぐ砂原線と再び合流して大沼駅を通過し、急勾配を一気に下って、函館市内へと入っていきます。上りの特急列車は仁山渡島大野の両駅があるもともとの本線を函館市内へと下りていきますが、函館から札幌方面へ向かう下りの特急列車は通称「藤城線」と呼ばれる勾配のゆるやかな新線のほうを通るので車窓から仁山駅渡島大野駅を見ることはできません。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819000020.jpg 4分遅れで五稜郭到着。

 どこを走っているときだったか覚えていないのですが、車窓に海が見え始めたあたりで、線路に人が入り込んでいるのを見つけたということで、「スーパー北斗2号」は緊急停車し、安全確認を行った影響で、緊急停車現場を6分遅れで発車し、大沼公園ぐらいまで行く間に少し遅れを取り戻して、4分遅れほどで走っていました。

 以前、やはり上りの「スーパー北斗」に乗って遅れが出たときに、青森方面への「スーパー白鳥」には五稜郭で乗り換えるようにという案内をされたことがあったので、今回ももしかして五稜郭乗換かしら、だとしたら跨線橋を越えるからめんどうくさいなあなどと思ったのですが、今回は逆に「乗換は函館でするように」との案内がありました。遅れが3、4分だったので、五稜郭駅で余計な時間を取らず可能な限り早く函館駅に着こうという対応だったようです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819000028.jpg 3分遅れで終点函館到着。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819000032.jpg すぐに「スーパー白鳥26号」へ。 

 結局3分遅れで終点函館に到着し、同じホームの向かい側に停まっている4026M特急「スーパー白鳥26号」に急いで乗換です。

 津軽海峡線はこの頃はまだ震災ダイヤが敷かれており、485系3000番台で運行される2往復の定期「白鳥」が運休になっていた他、運行されている「スーパー白鳥」も全列車がグリーン席以外は全車自由席という措置がとられていました。そこで、いつもは自由席は2号車と3号車だけで、それ以外の車両には表示されることがない「自由席」という表示が出ている先頭1号車に席を占めることにしました。

 この日は天気はよかったのですが、少々霞んでいて、江差線を走る「スーパー白鳥26号」から見える函館山はまるで蜃気楼のよう。白い波頭を立てる海は美しく、春の津軽海峡は青々としています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819000036.jpg 霞む函館山

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819000041.jpg 海は青く、波は白く。

 車内は空いています。特に先頭の1号車はガラガラです。それでも車内販売がちゃんと来てくれたので、海を眺めながらホットコーヒーといきましょう。木古内では4095M特急「スーパー白鳥95号」と交換です。

 「スーパー白鳥」として走る789系のシートテーブルの裏面には、「スーパー白鳥」全列車の青函トンネルに入る時刻と出る時刻、そして青函トンネルについての簡単な紹介が書かれたステッカーが貼られています。もちろん今貼られているのは、東北新幹線全線開業に伴う昨年12月4日のダイヤ改正を受けた新しいステッカーです。

 その時刻どおりに青函トンネルを通過し、本州に入って蟹田に停車し、「スーパー白鳥26号」は定刻12:07に青森に到着しました。僕はここで下車ですが、「スーパー白鳥26号」は7分の停車ののち、終点新青森までもう一駅走らねばなりません。そう言えば東北新幹線全線開業以来、まだ優等列車新青森まで行って新幹線に乗り継ぐっていうのをやったことないな。実家が新青森駅のほうに近いからわざわざそういうことをする気にならないだけなんだけどさ(^^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819000047.jpg青森駅6番線に到着した「スーパー白鳥26号」。