毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

2011年お正月はニッポンで(その44;特急はもう来ません)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818150321.jpg ▲八戸発青森行き普通列車571Mが浅虫温泉駅に到着。

 2011年1月1日、乗車口案内。

 572Mで13:49に浅虫温泉駅に着いた僕は一瞬改札を出て切符を買い直し、再びホームに戻って13:54発の八戸からの普通列車571Mに乗って青森に戻ることにしました。浅虫温泉駅の自動券売機から出てくる切符も完全青い森鉄道仕様の薄水色のものです。もちろん発着駅名がフルネームで記されています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818150314.jpg 青い森鉄道仕様の切符。

 浅虫温泉駅構内は、駅名標をはじめ、すっかり青い森鉄道の駅に変貌を遂げていました。しかし、それでもJR時代の名残を見つけることは難しくありませんでした。

 跨線橋を渡って2/3番線ホームへ下りると目に付いたのが、特急列車の乗車口案内板です。「つがる」「白鳥」「スーパー白鳥」「自由席」「指定席」「6両編成」「8両編成」、そんな文字が書かれた案内板が今もまだ吊されたままです。浅虫温泉で温泉や青森の海の幸山の幸を楽しんだ観光客がこの案内板を目印に特急に乗り、三沢で降りて飛行機へ、或いは八戸で降りて新幹線へ乗り換えていた時代の名残です。

 しかし、今はこの駅には特急はもう来ません。北の大動脈「東北本線」は、旅客輸送という点では今やもう幹線ではなくなってしまったのです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818150308.jpg 薄水色が特徴だ。

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/d4/c0/mainichigaharu/folder/1803238/img_1803238_62984703_2?1301325169 もうこの特急は来ない。

 八戸からの571Mがやってきました。元日の午後を青森市内でという人が多いのか、来た時乗ってきた572Mよりは混んでいます。しかしなんと言っても休日ですからもちろんぎゅうぎゅうということはありません。

 この沿線は、矢田前駅前に青森東高校があり、移設した野内駅前には4月から青森工業高校が移転してきます。青森高校の生徒は東青森駅を使うこともあります。青森駅で乗り換えて新青森駅前には青森西高校があります。こんな田舎でも、朝夕の電車の通勤通学需要はかなり大きいと言えます。しかし、青い森鉄道になって以降、保守の関係で2両編成より長い編成の電車は走らせることができず、全線開業当初から特に朝の時間帯に極端に混雑し、病院へ行きたい老人など交通弱者が乗り切れずに取り残されるというケースも出ているようです。交通弱者を守らねばならないから鉄道を残したはずなのに、これではその役割を十分に果たしているとは言えません。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818150326.jpg 青森駅1番線に到着。

 3月12日のダイヤ改正青い森鉄道は混雑する時間帯の増発を決めましたが、2両編成という縛りはかかったままです。JRも同じ指摘を受けていますが、新青森や八戸で新幹線を降りた旅行客が在来線や青い森鉄道に乗り換えたときに、今までなら特急列車が接続していたのであまり問題になりませんでしたが、今では旅行客も通勤通学客でいっぱいのオールロングシートの3ドア電車(しかも2両編成)に乗せられてしまうことは全国からの旅行客の不評を託っています。

 すべては慣れの問題かもしれないし、保線の問題では2両編成の縛りが解決する見込みはありません。しかし、「それでいいのかな」というぼんやりとした疑問がいつまでも残ってしまうのは僕だけでしょうか。

 571Mの青森到着は14:16。1時間足らずの2011年の乗り初めはあっけなく終わりました。浅虫温泉を往復しただけですが、駅々で目にとまるもののほとんどが、当然ですが青い森鉄道バージョンに変わっていて、軽いショックを受けました。青森の鉄道シーンは確実に大きく変わっていたのです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818150330.jpgブルトレが発着していた1番線は今や青い森鉄道の専用ホームになりました。