毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

【危険】飲んだくれてしまう……

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818194118.jpg新千歳空港国際線搭乗待合ロビーの上階にあるエアライン・ラウンジ。

 2011年3月15日、ガマンガマン……

 新千歳空港国際線ターミナルの搭乗待合ロビーは全面板張りの実に柔らかい造り。北海道らしい木のぬくもりが伝わってきます。

 エスカレーターでもうワンフロア上がると、そこは「搭乗までの時間を快適に過ごしていただける充実した休憩スペース」と謳われている「スカイラウンジ」で、北海道の味覚が楽しめるフードコートやリラクゼーション施設、キッズコーナーなどがあります。僕が行ってみたときは人がほとんどいなくて広々としていて静かで、搭乗前のひとときを本当にリラックスして過ごせそうでした。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818194108.jpg スカイラウンジ。奥はフードコート。

 エスカレーターでスカイラウンジのフロアに上がって左側は航空会社の専用ラウンジとカード・有料ラウンジになっていて「ロイヤル・ラウンジ」と呼ばれ、ビジネスクラスなどアッパークラスの乗客が利用することができます。入口には各航空会社のマークが並んでいますが、全部で12社のマークがあり、これが現在新千歳空港に就航している国際線のすべてということになります。中華圏を中心とするアジアと極東のエアラインでほとんどを占めますが、いつか欧米大洋州の航空会社も加わるようになるといいですね。

 実は今回は中国国際航空でためたマイレージビジネスクラスにアップグレードしてもらったので、不肖ワタクシも堂々とエアラインラウンジを利用させていただきます(^^)。

 受付でラウンジカードと搭乗券を見せると左側へ入るように言われます。左側がエアラインラウンジで、右側へ入っていくとカード・有料ラウンジになっているようです。エアラインラウンジのほうが圧倒的に広いです(エアラインラウンジは93席、カード・有料ラウンジは29席)。

 奥へ進むと、細長いスペースにソファーが並んでいて、いちばん奥が仮眠ができるようなリラックスルーム、その手前の左がパソコンなどを出して作業ができるデスク、右がドリンクや軽食のビュフェスペースになっています。パソコンデスクや各ソファー席のサイドテーブルには漏れなくコンセントの差し込みが付いていますが、ネット端末はなく、無線LANにもなっていないのが少々残念。せめてデスクのほうにはLANケーブルでネットに接続できるようにしてほしいなあ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818194136.jpg エアラインラウンジ内部。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818194122.jpg ゆっくり落ち着けそう。

 なんと他には誰もいなくて、エアラインラウンジ独り占めです。どこに座っても静かにゆっくり過ごせますが、このエアラインラウンジの最大の特徴は、ガラスの外側がベランダというかバルコニーというか、いわばオープンエアのスペースになっていて、階下の搭乗待合ロビーの人の行き交いや喧噪を直接感じながら搭乗前のひとときを過ごすことができるのです。正面のガラス張りにはブラインドが下りていて外は見えませんが、ブラインドが上がっていればスポットに入っている飛行機を眺めて過ごすこともできそうです。このスペースは気に入った。遊び心があっていいなあ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818194127.jpg オープンエアのスペース。

 このラウンジでもう一つ注目しなければならないのは、ご当地ドリンクの充実ぶりです。特にアルコール類が(ていうかアルコール類しか見なかったんだけどさ。)。基本的に「地酒」だけを提供しております。やはり北海道にはサッポロビールというビッグカンパニーがついていますから、サッポロビールが扱う酒類であれば集中的に投入できるというわけです。

 それでは一つ一つご紹介。

 まずワインは3種類。「北海道ケルナー辛口2009年」は余市の協働契約栽培畑産ケルナー種ぶどうを100%使用したすっきりとした飲み口の白ワインです。「北海道ツヴァイゲルトレーベ2009年」は北海道産赤ワイン用ぶどうの代表品種ツヴァイゲルトレーベ種ぶどうを100%使用したこれもすっきりした口当りの赤。この2点はサッポロビールが製造販売元です。もう1種は「おたる セイベル13053 2009年」。セイベル13053種という小粒で甘みと酸のしっかりとした黒葡萄で、これも北海道の赤ワイン用葡萄の主力品種。渋みの少ない軽いタイプの赤で、小樽市の「北海道ワイン(株)」の製造です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818194154.jpg ワインは3種。

 その他の酒類も充実してます。

 まずは日本酒。北海道の日本酒と言えば旭川の「男山」が有名ですが、ここにもちゃんとあります。「北海道限定「男山」特別本醸造」です。もう1種は日本最北の酒蔵、増毛の「國稀酒造」から「純米 吟風國稀」。僕はもうかれこれ10年近く前に函館へ旅行したときに初めて「國稀」を飲み、それ以来北海道の日本酒の中ではいちばんのお気に入りになってます。「暑寒別岳連峰を源とする質の良い水と厳選した北海道産「吟風」を65%まで磨き南部杜氏の伝統の技で醸した、北海道の寒冷な大地が育んだみずみずしい味わい」だそうです。

 次は焼酎。サッポロビールが福岡県久留米市田主丸町の「楽丸(たのしまる)酒造」と組んで造ったという焼酎2種が楽しめます。

 まず本格そば焼酎「蕎麦玉」。「富良野の大地が育んだ上質なキタワセソバそばだけを風味良く引き出す「丸抜き」で使用」だそうです。もうひとつは本格麦焼酎「黒和ら麦」。北海道産サッポロビール協働契約栽培大麦国産大麦100%、黒麹、常圧蒸留で仕込んだ個性的な本格麦焼酎なのだとか。

 洋酒も忘れません。北海道で洋酒と言えば何をさておいても余市ニッカウヰスキーでしょう。ニッカからは2種が並び、ひとつはニッカを代表するブランドのひとつ「スーパーニッカウヰスキー」。1962年発売以来のベストセラーだそうです。

 もう一つは「石炭直火蒸溜シングルモルト余市」」。余市蒸溜所では、創業当時から守り続けてきたポットスチルと呼ばれる銅製の釜を石炭で焚く「石炭直火蒸溜」製法を残しており、この道何十年という職人たちが火加減を操り、ゆっくりと時間をかけてモルトを蒸溜させるのだそうです。効率のためガスを使う蒸溜所が増えた現在では珍しく、世界中でも稀な製法なのだとか。

 最後のひとつは、サッポロビールが輸入元となっているのでしょう、「ツヴァルスキー・ウォッカ(Tvarscki Vooka)」が並んでいます。極東とは言えロシア便があるからウオッカもあるのでしょうが、ロシア産と思いきや、ツヴァルスキーはアメリカ・ミズーリ州ルクスコ社のブランド。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818194141.jpg こりゃたまらん。

 ここまで地酒を中心とする酒類を並べられると、危険です。全部飲みたくなってしまいます。特に「國稀」は飲みたい。シングルモルト余市」も捨てがたい。ワインはどれもいただきたい。しかし僕はこれから飛行機に乗らねばならんのでここで飲んだくれるわけにはいかない。しかしこのラインナップではうっかりすると飲んだくれてしまう。この誘惑に抗うのはまこと難しい。

 悩んだ挙げ句に僕がチョイスしたのは結局北海道限定の麦芽100%の生ビール「サッポロ・クラシック」。専用のサーバーがあり、そこにグラスを置くとよく冷えたビールはちょうどいい具合の泡とともに自動的に注がれます。そのグラスを持ってオープンエアのテラス席に座り、そこで搭乗までの時間を過ごすことに。ああ「サッポロ・クラシック」、おかわりしたい……。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818194208.jpg ▲オープンエア席で「サッポロ・クラシック」。もっと飲みたい。