毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

2011年お正月はニッポンで(その6;「江戸小路」)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818144240.jpg ▲まるで歌舞伎座か寄席の入口のような羽田空港国際線ターミナル「江戸小路」。

 2010年12月23日、「江戸小路」。

 さて、羽田空港の新しい国際線ターミナルと言えば、最大のウリの一つは4階の「江戸小路」でしょう。

 「江戸小路」は、江戸の町並みを再現したいわば江戸をイメージしたテーマパーク。このコンセプトはセントレアの「ちょうちん横丁」の二番煎じと思われてもしかたがない感じがしますが、それはそれとして、なかなかいい雰囲気のエリアになっています。歌舞伎座か寄席の入口かと思わせるような看板の造りや、赤いちょうちんが並ぶそれぞれの店の軒先、白壁に瓦屋根の建物にはさまれた小路に入ると、本当に江戸時代にタイムスリップしたような気になるんでしょう、きっと(江戸時代に行ったことがないからよくわからんけど)。いや、ホントに、このまま時代劇のセットとして使えそうなリアルな造りであることは確かで、こういうのを空港の中に作ってしまう遊び心は大いに歓迎したいです(繰り返しますが、セントレアの二番煎じだけどね。)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818144253.jpg 時代劇のセットのよう。

 機内食で朝食した食べておらず、すでに午後2時になろうかという時間なので、あわよくばこの「江戸小路」でランチでもと思っていたのですが、とてもそれどころじゃないっていう混雑ぶりです。セントレアと同じように、羽田空港の「江戸小路」は、飛行機を利用したり出迎え見送りに来たりする人が利用するだけでなく、飛行機と関係なくただ遊びに来て楽しい場所になっているようです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818144246.jpg 赤提灯がいい雰囲気。

 しかし、この混雑ぶりにはもっと大きな理由がありそうです。それはズバリ「狭いこと」。これは「江戸小路」エリアについてだけではなく、新しい国際線ターミナル全体に言えることです。以前の国際線ターミナル(というか小屋というか)に比べれば格段に広くなりきれいになりましたが、出発ロビーにせよ到着ロビーにせよ出入国審査場やターンテーブルエリアにせよ「江戸小路」にせよ、「世界のハブ空港」になるには狭すぎる。というか、今ぐらいの就航便数がちょうどいいんじゃないでしょうか。これ以上増えるとキャパオーバーになりかねないし、「江戸小路」なんかは空港を利用しない人も押しかけてきているのですからすでにキャパオーバーと言えるかもしれません。

 結局、羽田はどうしたかったのか。この中途半端な、いえ、最初から造りの小さすぎる国際線ターミナルを見ていると、最後はその疑問に突き当たります。北京空港のように桁外れにする必要は全然ないけれど、どうせ造るならもうちょっと大きくて余裕のあるものを造ったらよかったのにと思わずにはいられない、どうにも日本的なせこさをぬぐい去れない新国際線ターミナルであります。

 「江戸小路」の中央を貫く「広小路」の突き当たりは「江戸舞台」になっています。能舞台のような造りで、ここでは各種イベントが開かれるそうです。その両側はエスカレーターと階段になっていて、5階のレストラン・ショップエリア「TOKYO POP TOWN」へつながっています。国際性定期便が復活し、外国人の利用客も飛躍的に増えるであろう新国際線ターミナルに「江戸小路」のような日本の伝統的なものを伝えるエリアがあることはとてもすばらしいことなので、造っちゃった以上もっと広くしろとかいうことは無理であるにしても、どんどん活用して、「ニッポン」そのものの発信基地になっていってほしいと思います。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818144258.jpg ▲「江戸小路」中央の突き当たりは能舞台を思わせる「江戸舞台」。イベント会場になるのだとか。