毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

青森を拠点にのんびり秋休み(その48;わずか36分)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818234550.jpg ▲新スカイライナーの車内。

 2010年10月13日、わずか36分。

 日暮里駅10:05発の「スカイライナー21号」に乗って成田空港に向け出発しました。

 朝の出発便ラッシュが終わった平日の午前中だからか、車内はとても空いています。僕の乗った車両には数人しか乗っていません。外の天気が良すぎて陽光が車内にたっぷりと注ぎ込み、まぶしくてたまりません。

 新スカイライナーは山本寛斎がデザインしたんでしたっけ?車内には2×2の黒いモケットのリクライニングシートが並んでいます。ブルーのシートカバーがシックなトーンの中にもよく引き立っています。ぱっと見た感じの造りは至ってシンプルで、むしろ素っ気ないような印象さえ与えますが、シートピッチは1,050mm、座席幅470mmというゆっための空間を実現しており、乗り心地はかなり良いです。足下にACコンセントがあってパソコン等の電源が確保できますが、乗車時間が40分足らずでは電源を使っているヒマがあるかどうか。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818234555.jpg すごくシンプルなシート。

 シートの裏面はグレーシルバー仕立てで、安物のパソコンの部品のようなちゃっちさを感じないでもないですが、背面折りたたみテーブルは、リクライニング時でもA4サイズのノートパソコンが使用可能だそうです。人それぞれなのでとやかく言うことではないんですが、列車に乗ってまでパソコン使う人の心境がいまいち理解できません。そんなに仕事に追い立てられているのかなあ、もっと余裕を持った仕事や生活はできないのかなあといつも思います。ほんの数十分のこと、ぼんやり車窓を眺めるとかして過ごせばいいのに。だから新型車両が導入されるときのPRで、電源もある、テーブルも大きい、パソコン使用に不便なしみたいなウリをしているのを見かけると、なんだかなあっていう気持ちになるんですよ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818234604.jpg シート背面はシルバー。

 さて、新スカイライナーは在来線最速の時速160kmで走ることで日暮里~空港第2ビル間を36分で結ぶことを最大のウリにしていますが、実際に乗ってみると、実は走行スピードはかなり遅いということがわかります。京成本線上はカーブがきつい上に多いし、京成本線北総線も過密ダイヤの隙間を縫って走らなければならないので、スピードを上げられるはずがありません。時速160kmで走れるのは印旛日本医大~成田空港間の新線部分ぐらいのものです。新スカイライナーが所要時間36分を実現したのはやはり新線建設による走行距離の短縮によるところが大きいです。鉄道用地の取得が極めて困難になり、特に首都圏では鉄道の新線建設はもはや不可能と言われていた中での新線建設による成田空港アクセスのショートカット化は実に果断な措置であったと思うし、これで成田空港がいっそう身近になったことは確かです。

 などと考えている間に、「スカイライナー21号」はもう空港第2ビル駅に到着しました。日暮里から本当に所要36分です。降りなくっちゃ。車体側面はつるりとしたホワイトで、ホームに直角なボディ。さすが山本寛斎、洗練されたデザインだぜということになるのかな。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818234614.jpg 空港第2ビル駅で下車。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818234610.jpg ▲シンプルで洗練されたデザインだが機能は十分、そして所要36分は大きなウリ。