毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

青森を拠点にのんびり秋休み(その4;さんない温泉)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818232352.jpg ▲いつものことながら緑色の「あおもり駅」の文字は目立ちません。

 今回の一時帰国では青森の実家に腰を据えて、人間ドックに入ったりとか歯医者に通ったりとか、あまり外へはでかけない休暇を過ごしました。しかしそうは言ってもちょこちょこと青森を出たり入ったりはしました。その最初は、10月5日の新潟へのショートトリップです。

 でもちょっとその前に温泉へ……。

 実家の近所に「さんない温泉」というのがあるんですが、けっこうスゴイ温泉だという噂は耳にしていつつ、今まで行ったことがなかったので、ちょっと行ってきました。三内丸山遺跡にもほど近いところにある「さんない温泉」は、ぱっと見たところ「健康ランド」とか「スーパー銭湯」とかというモノからはほど遠い、農協の倉庫のような建物です。向かって左の丸屋根の体育館のような建物が浴場になっています。入口を入ると中は薄暗い感じ。全体にぼろぼろっとへたっている印象です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818232326.jpg お初の「さんない温泉」。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818232333.jpg 丸屋根が浴場です。

 衣類を脱いで浴場へ入ると、突然強烈な硫黄臭。むせかえりそうになるほどです。浴場内もかなり古い感じで、コンクリート壁などはところどころ欠けていたりもします。しかし、お湯は白濁、もしくは青白色で、強烈な硫黄臭とあいまってかなり濃厚そうです。そして、浴槽に身を沈めると、湯船の底のコンクリートがぼろぼろになっていて足の裏がじゃりじゃりしますが、湯力は強烈。ウワサどおりです。弱い人はすぐに湯あたりを起こしそうな力強さです。あがったあとも身体が芯まで温められていて、なかなか冷めません。これで入湯料は390円。こんないいお湯が家の近所にあったなんてオドロキです。市内でどうしてこんなお湯が湧いてるんだろう?

すっかり温まったら青森駅へ移動です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818232352.jpg あおもり駅。
 
 青森駅前は、12月4日の新幹線八戸以北開業に向けて、大きく変化しました。まだ工事中ですが、全貌はだんだん見えてきました。駅舎に向かって右側に偏っていたバス発着場を真ん中に持ってきて、タクシー乗り場を右側に移し、タクシー乗り場とバス発着場の間に観光とバスの案内所を新築しました。そして、バスの乗り場を行き先別、バス会社別に分けてわかりやすくし、利便性を向上させたようです。これによって駅正面がバス発着場しかないフラットな広場(ロータリー)となり、なんとなく開けた気持ちのよい空間になったような気がします。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818232343.jpg 新しい観光・バス案内所。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818232358.jpg 駅正面がバス発着レーンに。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818232338.jpg こちらラビナ方向。

 まだ工事は続いていたので、今度帰るときにはもう少し様子が変わっているかもしれませんが、かなりの費用を投じての駅前大改修です。その費用とはつまり市民の税金です。青森を訪れる人がきれいに整備された駅前を見て、青森に対して良い第一印象を持ってくれることはもとより望むところです。

 しかし、12月4日以降、県外からやってくる人の多くを迎えるのは現青森駅から約4km離れたところにある新幹線の新青森駅であり、新青森駅で降りた多くの人は新青森駅前からのバスやタクシーなどの二次交通によって市内各地へと赴くようになるでしょう。いったいどれほどの人が、乗換が1回増えるだけの隣駅まで出てくれるでしょう。

 毎日の通勤通学客はともかく、12月4日以降は、それ以外の旅客の集散が新青森駅を拠点に行われるようになり、現青森駅青森駅新町通りは更に人離れが進んで、新幹線の到来とともに滅亡してしまうのではないかと、僕は心配でなりません。そして滅亡目前の駅前広場に多額の市税を投じて大改修を行っている今の姿が、どうにも憐れでもあり、もったいなくもあり、やりきれない気持ちにさえなっています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818232402.jpg ▲駅前広場から西へのびる駅前の新町通り。今でさえシャッター街になりつつあるというのに……。