北京城東南角楼(その2)
▲北京内城の城壁の上に上ると角楼が姿を現す。
8月22日の北京駅周辺の散歩レポのつづきです。
北京市内にわずかに残る城壁の址のうち比較的よく保存されている東南の角の一帯に来ています。
ここには、修復された立派な城壁と、その上に東南の角楼が復元されています。入場料10元を払って城壁の内側に入り、城壁脇の階段を上って城壁の上に出てみます。
城壁の上に上ってみた。
おお、これはなかなか眺めがよい。しかも快晴の青空が広がっていてかなり爽快。
この城壁は1419年(明代永楽17年)に建設が始まったもので、現在は崇文門から東南角楼までの内城の一部約1.5kmが現存しています。城壁の高さは11.4m、ひめがき(「雉堞」といいます)の高さは1.9m、奥行き(幅)は城壁の下部で19.8m、上部で16mだそうです。これだけの立派な城壁が、そうですね、200mぐらいの長さで復元されている感じでしょうか。そしてその東側の橋には角楼が建っているのです。
復元された城壁と角楼。
角楼は1439年(明代正統4年)の建築。角楼としては中国に現存する最大のものです。楼閣だけの高さは17mで、城壁の足下からは高さ29mになります。城壁の外側を向く楼閣の東側と南側の壁には合わせて144個の銃眼(といっても当時は弓矢のための穴ですが)が開いています。角楼の中にも入ることができ、中は今や現代美術の展示即売場か何かに使われていて見るべきものはあありませんが、3階部分まで上ってみることができます。
角楼の内部。
角楼のある城壁の東端から西橋へと城壁の上をのんびり歩いて移動します。城壁の上には特になにもありませんが、清の時代に使われた大砲なんかが展示されてたりします。
西端までは200mぐらいでしょうか。振り返って角楼のほうを振り返ると、城壁の外側から角楼にかけてが見渡せます。入り口前には大型バスが何台か停まっていますから、観光スポットとして訪れる人もそれなりにいるのでしょう。
清代に使われた大砲。
西端から東側を望む。
復元された城壁の西端からさらに西側をのぞいてみると、復元されてはいない城壁がまだ西へ向かって続いているのが見えます。上にも書いたとおり、復元された城壁は東南角楼の一角だけですが、城壁は崇文門から角楼までの約1.5kmが残っていて、それらも合わせて、このあたりは「北京明城墙遺址公園(Ming Dynasty Wall Relics Park)」として整備されているのです。今回は角楼部分しか訪ねませんでしたが、いずれ機会を見つけて、角楼から崇文門まで城壁址沿いにのんびり歩いてみたいです。
復元されていない城壁が続く。
▲このまま西へ崇文門まで内城南辺の城壁が残存し公園として整備されてます。