高句麗のふるさと五女山を訪ねて(その9;五女山の全貌)
▲これが五女山だ。
2010年8月1日、五女山最終回。
この連載の何回目かで「五女山の形は特徴的」というようなことを書いたかと思いますが、そうなんです。とても特徴的な形をしているので、一目で見分けがつきます。
まず、西口登山道の入口から見上げた五女山。再接近した位置からの写真ということになりますが、濃い緑に覆われた森林地帯から突然直角に岩石がにょっきりと突き出たような地形です。
西口登山道入口から見上げる。
岩肌が突然出現した感じ。
下の一枚は、水上レストランから帰るときに撮った一枚。五女山の裏側(北東~東側)になります。こちら側からも山肌が途中から直角に切り立っているのがわかりますが、こちら側は岩が剥き出しという感じではなく、一面が草木で覆われていてふさふさしているように見えます。
五女山の裏側。
水上レストランから戻り、登山口へ向かう道に合流して五女山博物館方面へ戻ります。道の両側にはほとんど切れ目なしに樹木が立ち並んでいるので、なかなか五女山の全景をとらえることができません。来るときにチェックしてきた感じでは、1カ所だけ視界が開けるところがあったはず。くねくねと曲がりくねった道を注意深く戻りながらそのスポットを探したところ、あったあった、ありました。ここから五女山のいわば正面がばっちり見えます。
トウモロコシ畑の向こう。
深い森の中からのっそりと巨岩のかたまりが隆起し、その平らな頂上の上にも長い年月をかけて緑が生い茂った姿は実に特徴的です。たぶん、2000年前も同じ形、同じ姿をしていたのでしょう。あの平らな頂上に城を作れば敵も簡単には近寄れまい、あるいは、しばしば氾濫する渾江の流れを避けるにはあそこがよいと思ったのかもしれません。そうして今から2000年以上も前に、あの平らな頂上に高句麗が建てられたのです。そう思って改めて眺めると、その特異な形状もあいまって、五女山ってなんだか神秘な山に見えてきませんか?
▲気持ちよい青空が広がったその下に五女山の全景が開けた。