毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

高句麗のふるさと五女山を訪ねて(その1;桓仁県)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818210917.jpg ▲桓仁県の初代「知県」章樾の像。

 2010年7月31日、雨の桓仁県。

 そんなわけで先週末は、中国東北部遼寧省本溪市桓仁満族自治県へ行ってきました。

 本溪市は東西にものすごく長い市で、西は省都瀋陽市に接していますが、東はなんと鴨緑江をはさんで北朝鮮と接しています。その本溪市のほぼ東のはずれにある懐仁県へは、瀋陽から撫順経由か本溪経由で東へ約260km走らなければなりません。

 現在瀋陽から桓仁県へ通じる高速道路が撫順経由で建設中(来年9月開通見込み)で、撫順経由の道は工事で走りにくくなっているという噂だったので、この日は本溪経由のルートをとりました。このルートにして正解でした。桓仁に着いてから聞いたところでは、撫順経由の道路はこの日終日降り続いた雨で至るところで土砂崩れや地滑りが起きて不通になっていたそうです。

 さて、この桓仁満族自治県、設置されたのは清朝の光緒3年(1877年)のこと。設置当初は「懐仁」という名称でしたが、1914年(民国3年)になって、山西省大同地区にも「懐仁県」という同名の県があることから、「桓仁県」に改名されました。そのせいか、「桓仁」の発音は「Huanren」ですが、今でも「懐仁」の発音である「Huairen」と呼ばれています。

 この桓仁県の中心部に新しくできた公園の広場には、大きな像が建っています。桓仁県の初代「知県」すなわち県の長官である章樾(しょう・えつ)の像です。この公園はたぶん3年前の2007年、桓仁県設立130周年を記念して造成されたものではないかと思われます。我々が行ったときは雨降りだったので人出はほとんどなかったけれど、水も緑も豊かに整備されて、近くには新しい住宅地が広がり(1平米2,600元ぐらいで1部屋140平米ぐらいの集合住宅だそうな)、こんな田舎町でも着実に発展してるなあという印象です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818210922.jpg 像の前に広がる広場。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818210927.jpg こんな橋もあったりして。

 ここは世界遺産女山のお膝元ですから、観光客を迎えるために4つ星のホテルもあります。「隆興国際大酒店」。目の前には中国と北朝鮮の国境をなす鴨緑江の支流である渾江が流れています。ホテルのリバーサイドビューの部屋にはベランダがあり、連日の雨で水位を上げ、とうとうと流れる渾江を間近に眺めながら涼風に当たることができます。

 そうそう、涼風と書きましたが、ほんっとに涼しかったんですよ!夜中の12時まで30℃から下がらない北京とはうってかわって、風は涼しく爽やか、空気は清浄、緑豊かでマイナスイオンたっぷり。この日の夜は窓を開け放って寝たのですが、あまりの涼しさに久しぶりに快眠して癒されました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818210932.jpg ホテルの前は渾江。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818210940.jpg ▲この地方には珍しい連日の雨で渾江はたっぷりと水をたたえていました。