毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

帰省ついでの初「江差線」完乗(その20;「北斗星」でクリスマス・イブ。)

イメージ 2 ▲一人寂しくグランシャリオでクリスマス・イブのワインを傾ける。

 2009年12月24日、青函越え。

 さて、やっと僕も列車に乗り込みました。函館21:48発の2レ寝台特急「北斗星」です。わざわざ「スーパー白鳥21号」で青森から函館まで戻って「北斗星」に乗るというのもちょっと無駄なような気がしないこともないです。青森発18:12というのも早すぎます。青森20:06発の「スーパー白鳥25号」というのがあるのですが、この函館着は21:54。惜しい。「スーパー白鳥25号」と上り「北斗星」は五稜郭~函館間ですれ違うようなダイヤになっているようです。青森からわざわざやってきて「北斗星」で戻って行く人の接続なんて当然想定されていないのでしょうからしかたないのですが。

 それはそうと、なんたってクリスマス・イブですから、ラーメンでお祝いするだけじゃむなしすぎます。せっかくなので、食堂車でパブタイムを楽しみましょう。

 食堂車グラン・シャリオはそれほど混んでいなくて、すぐに席に就くことができました。さっそく、ついさっきも飲んだけれども「サッポロ・クラシック」、そしてワインは北海道のワインの中でも僕がけっこう気に入っている十勝ワインの「凋寒(セイオロサム)」の白。チーズの盛り合わせを肴に、きっと函館湾の沿岸を走っているのだろう暗い車窓を眺めるとも眺めながら、まったりとした時間を過ごします。

イメージ 1 ▲いちばんのお気に入りは十勝ワイン「セイオロサム」。ビールはもちろん「サッポロ・クラシック」。

 パブタイムの営業は夜11時まで。たぶん青函トンネルを走行中に営業が終了するはず。僕はその頃を見計らって自分の寝台にひきあげます。青函トンネルを抜けて中小国から単線区間に再び入ると、やがて蟹田で運転停車です。向こうの側線のほうにはまだ車内に明かりがまだ点いたままのキハ40系が停まっています。青森から23:02に到着した普通列車347Dでしょう。車内から漏れる明かりとホーム灯の明かりが雪を照らし出していますが、もうすっかり外は静まりかえっているようです。

イメージ 3 ▲静まりかえった蟹田駅。青森からの最終列車はまだ着いたばかりか、車内灯が点いたまま。

 「北斗星」は青森で再び機関車を付け替えます。ED79からEF81へのバトンタッチです。2006年3月の改正で青森駅構内に入らなくなった「北斗星」は、青森信号所で機関車付け替えを行うようになったのですが、僕はなぜかこれをてっきり西滝の青森車両センター(油川駅の先、津軽線と奥羽本線が合流する手前あたり)で行うものだと思っていました。ところが、列車は青森車両センターを右に見ながらそのまま通り過ぎ、奥羽本線と合流し、僕の実家のすぐそばを走っていきます。そして、青森駅構内へ向かわずまっすぐ東北本線へ抜けられる短絡線を通って浦町の車両センターへ入ります。ここが青森信号場なんですね。

 青森中央大橋をくぐったあたりで「北斗星」は停車します。窓からは夜間照明に照らされた何本もの引き込み線や車庫、JR関連施設がぼんやりと見えます。線路の多くは雪をかぶっています。ここでひっそりと機関車交換が行われるのです。もう日付が変わっていますから、窓からは動いているものは何も見えず、ただ寒々とした雪が広がっているだけです。ここからの牽引機であるEF81には何号機が充てられたのでしょうか。そろそろ僕もベッドに入ることにしようと思います。クリスマス・イブの夜が更けました。

イメージ 4 ▲千刈小学校のあたりから貨物船に入って、青森駅を通らずに浦町の車両センターへ。

イメージ 5 ▲中央大橋の下あたり、浦町の青森信号場にひっそりと停車して機関車交換。すべてが寝静まってます。