帰省ついでの初「江差線」完乗(その18;ホームの描く曲線)
▲函館駅といえばこのカーブしたホームが特徴。雪明かりにも映えていい感じ。
2009年12月24日、雪の函館駅。
駅前のラーメン屋さん「しなの」でサッポロ・クラシックと塩ラーメンで満足を得た僕は、ぼちぼち函館駅へ戻ります。
「しなの」さんは文字通り駅前、駅のほぼ真正面にあるので、店を出たとたんに目の前に函館駅正面が見えます。道路を渡ってまっすぐ歩いていくだけで駅に到達することができるのです。建て替えられてどうにも妙な形になってしまった函館駅が闇夜の中に浮かび上がりながら近づいてきます。
夜の函館駅。
函館駅の駅舎の中は、改札や切符売り場のあたりがどーーーんと吹き抜けになっています。広々とした印象を与えるのは悪くはないですが、厳寒の冬にはいささか寒々としてしまってあまりうれしくないです。
その吹き抜けの下になる木製のベンチには列車を待つ人々が思い思いに腰掛けて待ち時間を過ごしています。この時間ともなるともう残された列車はそれほど多くはなく、改札口上の電光掲示板には21:28発の1881D七飯行き普通列車、21:14発138D木古内行き普通列車の案内が出ているぐらいです。
吹き抜けの下に改札口。
そして、木古内行き138Dの案内の下には、「寝台特急北斗星」の赤い文字が。この日海峡を渡る最終の列車です。僕がこの日乗ることにしたのはこの2レ寝台特急「北斗星」。「あけぼの」で青森を発ったのでは上野着が早すぎる。「つがる2号」+「はやて2号」なら09:51に東京に着けるけれど青森発05:52では起きるのがたいへんだし早すぎて親にも迷惑がかかる。青森駅をかつて00:11に発車していた「北斗星2号」は青森駅に入らなくなってしまった。そして今の選択肢が、上野に09:38というちょうどよい時間に到着する「北斗星」に函館から乗るということだったのです。夜行列車が減っていくということはこんなふうに移動する者にとっての選択肢を次々に奪っていくことにほかならないのですが、JR各社はそんなことはまったく意に介せず、利用客を新幹線へ誘導することに血眼になっています。