帰省ついでの初「江差線」完乗(その11;天ノ川)
▲江差線に寄り添う天ノ川。宮越~湯ノ岱間。
2009年12月22日、木古内へ。
線路は道道5号線と並行して走っていますが、それ以外に人工の構造物を目にすることはほとんどなく、ただ山と川だけを眺めながらの山越えです。キハ40のマックパワーのエンジン音はどこまでも心地よく、山間のローカル線の風情を存分に味わうことができます。鉄路に寄り添う川は「天ノ川」。駅間には「北海道夢れいる倶楽部」が地域振興のために建てた「駅もどき」の「天ノ川」駅があるらしいのですが、見逃しました。
湯ノ岱駅。
湯ノ岱駅は、江差~木古内間で唯一列車交換が可能な駅。1面2線のホームと瀟洒な山小屋風の駅舎があります。駅員さんも常駐です。冬は雪かきでたいへんでしょう。湯ノ岱駅で列車が交換するのは朝夕の1日2回。やってくる列車は1日6往復12本。たったそれだけのために駅員さんが常駐し、雪かきやらなんやら安全運行のために毎日がんばってくれているんですねえ。
山を越えて湯ノ岱駅。
駅員さんが常駐です。
その次は吉堀駅。神明から吉堀までは13.2kmもあり、江差線では最長駅間距離です。民家などのまったく見当たらない山また山がつづきます。キハ40の2両編成はこの駅間を走りきるのに21分を要します。吉堀駅の写真が見当たらないところを見ると、たぶん僕は深い深い眠りの淵に落ち込んでいたのでしょう(^^)。
ホームが短い神明駅。
吉堀駅の次は渡島鶴岡駅。山形県の羽越本線に「鶴岡」という駅があるので、江差線のほうには「渡島」がついているのは言うまでもありません。きっと山形の鶴岡からの入植があったのでしょうね。行政区画ではすでに木古内町に入り、駅近くには学校もあるようです。ここまで来れば次はもう木古内。
渡島鶴岡を出て少し行くと、右側から線路が寄り添ってきます。いや、寄り添っていっているのはこちらのほうか。向こうのほうがはるかに立派な高架線路です。それはもちろん、津軽海峡線。この線ができたおかげで、もともと函館から江差へ向かうのが下りだった江差線が今では江差から木古内、木古内から函館へ向かうほうが下りになりました。
山形から入植して渡島鶴岡。
海峡線が近づいてきた。
125Dは14:19に木古内に到着しました。タイトルには「完乗」と掲げてはみたものの、木古内~五稜郭・函館間は「(スーパー)白鳥」でしょっちゅう通っているので、僕にとっては江差~木古内間を乗り通せば「完乗」です(^^)。
木古内駅はかつては松前線も分岐していたし、今や海峡線も加わって、3面5線でなかなか広々とした駅構内が広がっています。江差線の列車が発着するのは4番線と5番線。125Dは5番線に入って、なんと15:07まで48分も停車します。木古内で運行を切り分けてもよさそうなものですが、そうしないところがなんだかうれしい。長距離を走る各駅停車の普通列車が大きな駅で頻繁に長時間停車していた時代をまだ覚えている僕としては、降りずにこのまま48分間、停車中の車内でだらだらのんびりと過ごしたくなってしまいます。しかし、僕は木古内で下車であります。
木古内に到着。
▲125Dは木古内で48分の長時間停車。