毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

甘粛省をあとにして。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818210433.jpg ▲究極のエコグッズ、太陽光湯沸かしマシーン。

 2010年5月13日、究極のエコ。

 5月12日の夕方に甘粛省省都蘭州に戻り、13日と14日は今度は甘粛省東部の通渭県と華亭県を訪れました。どちらも、甘南チベット族自治州ほどは海抜は高くありませんが、やはり平地に乏しく、延々と続く山の斜面に棚田を作って耕作をしている貧しい地域です。

 中国では、深刻化する砂漠化を食い止めるために、棚田などにしてしまった農地を森林に戻す政策「退耕還林」を推し進めてきたはずですが、眼前に広がる光景はそれとは相反する棚田、棚田、また棚田で、いったい「退耕還林」政策はどうなってしまったのかしらと首をかしげてしまいました。それと、棚田の耕地にビニールシートがかけられているのが目に付きます。これは、雨が少なく干ばつになりやすいこの地域で土中の水分の蒸発を防ぐためのものなのだそうですが、このシートが大量に使われ、適切に廃棄されないとしたら、中国で「白色汚染」と呼ばれる深刻な廃棄物汚染を惹き起こしそうです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818210443.jpg 華亭県あたりの棚田群。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818210439.jpg 「白色汚染」が危惧される。

 ところで、甘南自治州でも見かけたのですが、このあたりの民家の庭先には、一家に一台、たいへんすばらしいエコグッズが備えてあるんです。

 冒頭の写真に写っているモノなんですが、パラボラアンテナのようなお椀型のコンクリート板の表面に小さな鏡がびっしりと貼り付けてあり、真ん中から鉄の棒がにょきっと出ていて、そのてっぺんには鉄棒の輪がついています。なんとこれ、湯沸かしマシーンなんですね。

 鉄棒のてっぺんの輪っかになったところにヤカンを置いて放っておくと、コンクリート板に貼られた鏡が太陽光線を反射してヤカンの位置で集約され、太陽光線でお湯をわかしてしまうのです。ヤカンの湯が沸くまでどれぐらいかかるのかと訊いたら「すぐに沸く」と言ってました。これはスバラシイ。まさにエコ。このコンクリート板は1セット150元(=約2,000円)ぐらいだそうですから、僕も1セットほしいかも。

 こうして甘粛省の僻地を渡り歩く旅は終わり、5月14日の夕方に再び蘭州に戻り、5月15日の16:00発のCA1272便で北京へ帰りました。来たときのCA1273便同様、機材はB737-800でしたが、ブレンデッド・ウイングレットのないタイプでした。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818210447.jpg CA1272便で帰京する。

 CA1272便は定刻どおり18時に北京に到着し、第3ターミナルの国内線スポットに入りました。

 おや、隣のスポットに妙なスペシャルマーキング機がいます。CAのA320ですね。レジはB-2377を付けています。

 このスペシャルマーキング機、いったい何が描かれているのか一見よくわからんな。海?波?でもピンクだか赤のところは花にも見えるな。もしや、ボタンの花?じゃ波は何?ボタンと波の関係って?じっと見てると色盲検査かロールシャッハテストを受けてるような気になってきた。

 なにやらテーマ不詳のこのスペシャルマーキング機を眺めながらCA1272便を降りて、今回の甘粛省5泊6日の旅は終わりました。甘南チベット族自治州、よかったな。あの素朴で元気なチベット族の人々にまた会いに行きたいものだ。


https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818210456.jpg ▲いったいこのマーキングはなんですか。ボタンの花と波の組み合わせ。意味がわからん。