蘭州で蘭州牛肉麺を食べるなり。
▲最初からラー油が入ってきます、蘭州の蘭州牛肉麺。
2010年5月12日、蘭州に戻りました。
蘭州と言えば蘭州牛肉麺、というのはこないだも書きましたね。でもって、合作市で食べた麺はコチラでご紹介いたしました。しかし、かんじんの蘭州で食べたものについてはまだレポートしていませんでしたね。5月10日に蘭州に着いた日の昼も食べたのですが、写真を撮り忘れました。
そこで今日は蘭州で食べた蘭州牛肉麺をお届けします。
甘南チベット族自治州迭部県からひたすら走り続けてようやく戻ってきた蘭州、今までいたところが陸の孤島的僻地だったので、ことさらに都会に見えます。同行の中国人が、蘭州で牛肉麺を食べるならここだと行って連れて行ってくれたのは、蘭州飯店の敷地内にある「鑫苑清真餐庁」。「清真」ということはイスラム系の食堂ということです。取り立ててどうということもないごく普通の食堂です。
冷菜をいくつか注文してそれを突いているうちに、やがていよいよ出てきました、蘭州の蘭州牛肉麺!
合作市で食べたときもそうでしたが、何も言わないと最初からラー油がかかって出てきます。甘粛の人たちはラー油好きなのかしら。あとは刻んだ葱と牛肉片が少し入っているだけ。いたってシンプルです。麺は少し平たいですね。これは「韮菜葉」という形状の麺。ニラの葉のような形ということなんですね。
ニラの葉状の麺です。
二杯目の牛肉面は、ラー油なしで注文してみました。
一見ごく普通の牛肉面に見えますが、これは「蕎麦麺」。「蕎麦麺」というので、「えっ、蕎麦を使った蘭州牛肉麺もあるの?」と驚きましたが、出てきた麺はごらんのとおりこれまでとまったく同じ小麦を使ったほの黄色い麺。どこが蕎麦なんだと聞くと、「麺の形状が蕎麦の麺なのだ」という返事。「蕎麦麺の形状って?」とさらに聞くと、「断面が三角形」とのこと。ほんとかいな。それで味にどんな変化が出るというのだろう。焼き豚ならぬ焼き牛みたいな冷菜の薄切り肉を載せて食べるとますます牛肉麺っぽくなって、おいしさも増します。蕎麦麺形状の牛肉麺、完食。
蕎麦麺形状の麺だってさ。
牛肉を載せて食べまする。
さて、蘭州で蘭州牛肉麺を食べて大満足の僕はホテルへチェックイン。部屋の窓からは、天水路と東崗路の大きな交差点が見えます。その交差点の西北の角に見えるのは、おお!なつかしの「蘭州飯店」ではないか。
蘭州飯店、蘭州きっての老舗ホテルです。開業は1956年で、甘粛省政府直下のホテルとして甘粛省を訪れる要人を数多く迎え、重要な会議や宴会が開かれてきた、要するに甘粛一の官営ホテルでありました。今は経営形態は民営になっていると思いますが、民営ホテルなら他に立派なのがいくつもできたので、1956年以来変わっていない建物は既に古く、競争力はあまりないでしょう。それでも、当時の建物がそのまま残っているのはうれしい。僕は、1986年の冬に初めて蘭州に来たとき、この蘭州飯店のドミトリーに泊まりました。ドミトリーと言っても4人部屋で、客は我々2人しかおらず、2人で4人部屋を独占して一人一泊10元だったのを覚えています。今は蘭州飯店に進んで泊まる人はあまりいなさそうですが、もう一回泊まってみたい気もするなあ。
蘭州天水路×東崗路の交差点。
▲その交差点の西北角に見えるのは1956年開業の老舗ホテル蘭州飯店。そのまま残っているのはうれしい。