毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

道はますます厳しく険しく。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818210220.jpg四川省に入ってダートの険しい道をひた走る。

 2010年5月11日、四川省経由でテウォへ行く。

 中国甘粛省南部甘南チベット自治州のレポはまだ続きます。

 夏河県・合作市方面から次の目的地迭部県までを最短で行くには、いったん四川省に入らなければ道がありません。郎木寺(タクツァン・ラモ)の近くで幹線道路から離れて、四川省内のダートの道に分け入りました。

 先ほどまでのゆるやかな斜面の草原が気持ちよく広がる車窓の風景は一変し、樹木は増えたものの時には岩石がむき出しの崖も見える険しい山に囲まれた急カーブ続きのでこぼこ道が延々と続きます。道路に沿ってそれほど幅の広くない川が流れていますが、それも急流といった感じで白い波をたてて流れています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818210209.jpg 急流も道に沿って流れる。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818210215.jpg ひたすらダートを進む。

 夏河県を出たのは午後1時過ぎ頃だったはず。それからかれこれ4時間は走ってきたでしょうか。途中から再び甘粛省に入り、ようやく道がダートから舗装道路に戻り、正面に雪を残す山がかなり近くに見えてきました。迭部県の中心部に近づいたようです。ここがたぶん迭部県の中心部への入口なのでしょう、迭部県の方々がここまで迎えに来てくれましたので、いったん車を降りて握手など交わし、それから彼らの先導で先に進みます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818210225.jpg ここから迭部の中心部。

 迭部県は四川省アバ・チベット族チャン族自治州の若爾蓋県と九寨溝県に南で接する甘粛省最南部の県。チベット語では「テウォ」というこの地名、「親指」という意味で、仙人涅甘達娃がここを通ったとき親指で山中に一本の道を開いたことに由来するとか。もともと「親指」という意味だからか、この地方ではチベット語で「テウォ」と言うと「とても良い」という意味なのだとか。

 見えている雪を残した山は標高4,000m以上なのでしょう。たぶん甘粛省四川省の境界に跨がる山々で、あれを越せば世界自然遺産九寨溝になります。そんな高い山々に囲まれた海抜2,450mの迭部県に、これから入ってまいります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818210233.jpg ▲迭部県を見下ろす険しい山々。あれを越せば九寨溝